第12話 神社仏閣?
年老いた女性が半ば幽閉され住んでいる、話を聞いてリンはさぞ険しい道を想像していた。
ところが、実際の道は全く違っていた。手入れされた草花が咲き乱れる庭の真ん中に木道が続く。徒歩で行くのは庭を荒らさないため、そんな理由らしい。
奇麗、リンはつい手を伸ばしかけたがジェネに止められた。
「毒があります」
「え、こんなにきれいなのに」
「はい、薬草ですが素手では危険です」
花壇ではなく薬草園ということか、いきなり叔母上の魔女感が増した。
「ね、ベガ様ってどんな方なの」
「臣下が、主筋を説明することはできません」
ジェネが真面目くさってこたえるが、目が笑っている、きっと驚かそうとしているのだ。意外とこいつもいい根性をしている。
「シロイチはどう」
「臣下が」
「わかった、あんたたち絶対に私をおちょくってるでしょ」
「そんなことは決して」
決してなんだ、そのうちいじめてやる。でも、ふたりの笑い顔から言って、叔母上は恐ろしいというわけではないようだ。
「でもシロイチは痛い目に遭っているんだよね」
「そりゃ、一時的にしろ魔王様の想われ人ですから、俺みたいなカスには」
「あんた、カスって言われたの根に持ってるでしょ」
そんな話をしながら、ジェネ、リン、ファルコン、リンのホルクであるブルーは一列に木道を歩いていく。
ファルコンもブルーも手綱を取らずともおとなしくついてくる、利口なのだ。
「リン様、見えました、あそこです。空からシロイチが叫ぶ」
木造に瓦屋根、日本のお城みたいな半ば幽閉された年老いて女性が住む建物、そうr期板で毛でリンはさぞ険しい道を想像していた。
ところが、実際の道は全く違っていた。手入れされた草花が咲き乱れる庭の真ん中に木道が続く。ホルクや荷車が通れないのは庭を荒らすから、そんな理由らしい。
奇麗、リンはつい手を伸ばしかけたがジェネに止められた。
「毒があります」
「え、こんなにきれいなのに」
「はい、薬草ですが素手では危険です」
花壇ではなく薬草園ということか、いきなりベガ様の魔女感が増した。
「ね、ベガ様ってどんな方なの」
「臣下が、主筋を説明することはできません」
ジェネが真面目くさってこたえるが、目が笑っている、きっと驚かそうとしているのだ。意外とこいつもいい根性をしている。
「シロイチはどう」
「臣下が」
「わかった、あんたたち絶対に私をおちょくってるでしょ」
「そんなことは決して」
決してなんだ、そのうちいじめてやる。でも、ふたりの笑い顔から言って、ベガ様は恐ろしいというわけではないようだ。
「でもシロイチは痛い目に遭っているんだよね」
「そりゃ、一時的にしろ魔王様の想われ人ですから、俺みたいなカスには」
「あんた、カスって言われたの根に持ってるでしょ」
そんな話をしながら、ジェネ、リン、ファルコン、リンのホルクであるブルーは一列に木道を歩いていく。
ファルコンもブルーも手綱を取らずともおとなしくついてくる、利口なのだ。
「リン様、見えました、あそこです。空からシロイチが叫ぶ」
木造に瓦屋根、京都のお寺のみたいな建物が見えた。
「ねえ、あんな建物この国にあった?」
「ここだけでなく周りの国でも見たことはありません」
「どっから引っ張って来たんだろう、あのアイデア」
門が空いており、どう見ても金剛力士にしか見えない門番が立っている。
「ようこそお越しくださいました、主がお待ち申し上げております」
金剛力士に頭を下げられるとは。リンは、人生でこんなことが起こるとは思ってもみなかった。
シロイチはジェネの方に泊らせリンたちは板張りの廊下を歩いていく。枯山水の中庭、修学旅行で見たような風景だ。
畳のようなものが敷き詰められた部屋に女性が座っている。さすがに着物ではなかったのでリンはホッとした。
入り口でジェネが跪き、リンを中へと促した。
「ようこそ、お方様、ベガですお見知りおきを」
嘘だと思った、どう見ても十代半ば、地球ならば制服を着て高校に通っているような少女が、そこに座っていた。
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