第3話
4年生では、例の女子と、2人で女子トイレ掃除になった時があった。
この学校のトイレは日光があまり入ってこず、本当にお化けでも出そうな雰囲気だった。
それが怖くて、私は左手で扉を開けながら掃除をしていた。
その例の女子は私が怖がると考えたのか、私が抑えていた扉を閉めようとした。だが、その子が力を入れながら閉める扉には、私の左手の親指が挟まっていた。あの時の痛みは思い出すのも嫌だが、私が痛いと叫んでいるのに気づいて扉から手を離したその子を押し退けるようにして、私は保健室へ走った。
走っている時、痛くはなかった。
だが、なにか底知れない恐怖に包まれた私は、保健室へと走った。
保健室に着いて、水で親指を冷やしていた時、急にとてつもない痛みが私を襲った。
その後の授業は保健室で過ごし、放課後お母さんに連れていかれた病院でレントゲンを撮られた結果は、
……骨にヒビが入っていた。
5年生では、私のクズな性格はエスカレートした。自分でも思うが、あんな人が身の回りにいたらまず縁を切るだろう、という性格だった。
そんなある日、私は忘れ物をした。
その時に、私は何気なく友達に「貸して」と言った。そうしたら、「嫌だよ」と言われた。訳がわからなかった私は、「なんで?友達でしょ?」ときいた。すると返ってきた言葉は、
「え、友達なわけないじゃん」。
その時私は全てを悟った。
ああ、そっか。友達じゃなかったのか。と。
仲良くしてたんじゃなくて、仲良くしてくれてたんだ。と。
そして、私がクズであるということが、その時、はっきりとわかったのである。
そこからの小学校生活はもう諦めていた。
友達じゃないなら。と、酷いこともたくさんしてきた。
もう、どうでもよかった。
そうして、クズな私の小学校生活は終わりを告げた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます