第2話 バレンタインのチョコ

昨日の悲劇が終わり、新しい1日が始まった。


あぁ、何て今日もいい1日なんだろう!そう思いながら学校までの住宅街を歩く。


「よぉー!安藤!」


「よう田中〜」


素晴らしい朝だ!


友達と2人で歩く通学路!コレぞまさに青しゅn


「おーい!!!健太〜!」


あ?


そこには、聞き覚えのある裏切り者の声がした。


しかし、あいつが付き合っているわけがないだろw


そして、振り返ると


あら〜びっくり!

一組の佐藤さんじゃないの〜!


もう!佐藤くんったらすみにおけないのねっ!!!


「安藤、俺今日学校休むわ」


「俺も急に体調悪くなったわ」



そうして、僕らの非リアによる1日は幕を開けた。


学校に着くとなんだかんだ佐藤は、俺らに話しかけてくる。嫌なほどに


なんでかって?それは市川さんのいる1組と我らが在籍する8組は階も違うし、端っこ同士だからである。


だからといって、、、


「昨日もらった、市川さんのチョコ手作りで中にクリームが入っていてね!それでね、、、」


一生本命チョコアピールしてくる、、、!


きもちわる!


勢いをつけて田中が立ち上がる


「佐藤、一つ忠告しておこう、これ以上喋ったら命はないと思え。」


「なんで、そんな怒っているのさ!君たちだって斉藤さんと前田さんからもらっただろ!僕は、市川さんからしかもらっていないぞ!」


「否、あれをバレンタインチョコというのか」


「?」


「どうしたんだよ田中、、、」


場の空気が急に重くなり田中の様子がおかしく見え始めた。


「あんな、あんな、キットカット一袋(個装)で裏面に貼ってあった紙に『来年は、本命もらえるといいね!今年は、ドンキで格安で売ってたキットカットを哀れに思い上げました!ホワイトデーのお返しはゴディバでよろ〜!』って書かれてたんだぞ!」


ここで俺もそうだ!って言いたいけど前田からもらった手作りチョコには『来年もよろしく』としか書かれていなかったなんて言えない。


「こんなのー!脅迫だぞ!脅迫だー!斉藤優香という化け物は脅迫を俺にしたんだぁぁぁぁあー」


「だ、大丈夫、、、?」


あまりの心配に最初ノリに乗っていた佐藤までが心配していた。


正直見てられない。


「コレが大丈夫に見えるか???」


「いやそうじゃなくて」


「どういうこと?」


佐藤が指差している方向を見ると、、、


「おい、私が有り金はたいて買ったキットカットに文句言ったやつはどこのどいつだ〜???」


ヤンキーが来た。


「ひ、ひい!命だけは!命だけは〜!!!!」


田中がぼこされている間に僕と佐藤はこっそり逃げ出し家に帰った。


その後


yuuka「写真を送信しました。」


田中「すみませんでした。」


前田「何が起きたんだ???」


ぼこされた上に土下座をさせられている田中の写真がアップロードされ、一週間グループのアイコンになることが決まったのである。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

リア充撲滅委員会〜非リアにも夢をくれ!〜 あーる @aarunan

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ