【プライド・フロム・マシン】 #5 後編

瞬間、黒が彼を包み込んだ!それらはデッドラインカットを侵すことなく、しかし物理的な力を以て圧し潰さんとする高重力の檻!「PIGAGAGAGAAAAGH!」黒が引き合い、質量を結合。再び巨大タカアシガニロボットとなり、その体内でデッドラインカットを磨り潰さんとす!「グワァァァァーッ!」 0



全身の筋肉を剛直させ、デッドラインカットは耐えた。しかし圧縮された黒と数百tの構造物の狭間では、指一本動かすことすら能わない。((クソッ))デッドラインカットは呻いた。((こんなところで、俺は…!))「PIGAGAGAGAAAAGH!」掛かる圧力が今一度、強まった。肉が爆ぜ、骨が潰れた。 0



((やっとの思いで火守に入社できたのに!カネを手に入れられたのに!やりたいことが山ほどあったのに…!))黒の中では、無念の叫びすら響かない。流れる筈の涙すら、圧し潰されて消えて行った。((死んで…たまるか…))原 宏樹の意識は闇の中に溶け始め…。 0



……そして彼は闇の先に、光を見た。 0






探偵粛清アスカ

【プライド・フロム・マシン】 #5 後編






次いで知覚したのは、浮遊感であった。赤みがかった光が照らす中、宏樹は落下していた。「何?」確認するように口に出す。それに呼応するように、滲んで塗り潰されていた視界が、徐々に像を結ぶ。宏樹の眼前に現れたのはアスファルトであった。彼は解放され、落下していたのだ!「何ーッ!?」 1



叫ぶや即座に手を伸ばし、アスファルトに手を突いた。次いで首、肩、背中。前転で衝撃を逃がしながら足を振り下ろし、余剰衝撃でムーンサルト跳躍!((何故だ、何故、俺は生きている…!?))回転の中で周辺に目を走らせた。「PIGAGAGAGAAAAGH!」再分離していた巨大機械は、再び合体しようとしていた。 2



巨大機械は結合と同時に腕を振り上げ、一つのビルディングを叩き壊さんとす。だがその瞬間、中空に突如として四条の斬閃が奔り、機械の腕を断った!「PIGAGAGAGAAAAGH!」「ハッハッハ!いい気味だぜ!」闖入者の声。だがその瞬間、逆腕のフックがビルディングを粉砕!「ウッギャアーッ!?」 3



吹き飛ぶ闖入者!振りくる瓦礫の中、宏樹は闖入者の姿を認めた。短くなびく黒い髪は、光を血色に照り返す。その下で、金色の瞳が恐怖に戦慄いていた。何より彼が背負うているのは…!「篠田ッ!?」間違えよう筈もない、同僚の姿!血刀が伸びて闖入者に巻き付き、思い切り引き寄せる!「ギャーッ!」 4



闖入者は宏樹の腕に収まった。しかしすぐに彼を降ろし、宏樹は問うた。「何者だ、貴様」「いでェ…ああいや、えっと。アンタが原 宏樹さん?」腰を擦りながら立ち上がる彼は、剣呑な視線を向ける宏樹を見、得心した。「ああ、うん。そうっぽいな。…俺は九龍。監査官代理の頼みで、助太刀するぜ!」 5



…遡ること5分前!巨大機械の下へ走る九龍は、吹き飛ばされた氷の獣と正面衝突していた!その異形と漲る殺気に心底からビビり倒した九龍であったが、何故であろうか、それが篠田 明日香であることに気付く。「えッ…篠田?お前、何があったんだよ一体…!」獣は答えず、痙攣するのみ。 6



巨大質量の高速度衝突により、実際彼女は死の一歩手前にいた。だがこれは彼女が脆いのではなく、原 宏樹という男の頑健さが理不尽なまでに高いだけだということを断っておこう。「やべえ…とにかくどうにかしねえと!」九龍は、もはや理性すら失くしている筈の彼女の手当てを試みた。 7



結果として明日香は己を取り戻し、そして九龍に宏樹の救援を託した。「待て。あの状態から己を取り戻しただと?」宏樹は訝った。自分の知る彼女ならば、そのようなことが出来る筈はない。九龍は罰が悪そうに頭を掻いた。「…それについては後でいいか?実は俺も理解が追い付いてなくってさ」 8



「理解できんものを他人に試すな」宏樹はピシャリと言うと、刀を構えた。「…まあいい。共闘の申し出は受けよう」「…!」九龍は安堵の息を吐いた。宏樹の纏うアトモスフィアは九龍には余りに刺々しく、袖にされるのではと内心思っていたのだ。九龍はニヤリと笑った。「ああ、了解!」 9



「PIGAGAGAGAAAAGH!」巨大機械が再び分離飛行を開始、次々と爆弾を投下!DOOOOM!KA-BOOOOM!KRA-TOOOOM!「ぎゃあああ!」逃げ惑う九龍!「おいおいおい!あんなのの相手ってどうするんだよ!」「俺が落とす。そこを叩け」「落とすッてお前」「しッ!」デッドラインカットはビルを駆け上がる!! 10



宏樹の眼前にあるのは頭部パーツのみ。他のパーツは飛び離れた後、再度の結合圧殺を試みようとしていた。「PIGAGAGAGAAAAGH!」黒がデッドラインカットを封殺…否!彼は再びビルに着地していた。予め刺しておいた血刀で自らを引き寄せたのだ!「同じ手が来た時点で最大限警戒しろ。戦の初歩だぞ」 11



デッドラインカットは腕を振り上げた。赤が伸びながらしなり、正中線で再結合巨大機械を両断!「PIGAGAGAGAAAAGH!」「しッ!」横に断つ!「PIGAGAGAGAAAAGH!」「しッ!」斜めに断つ!「PIGAGAGAGAAAAGH!」赤が機械を斬り刻む!「しィィィやァァァッ!」「PIGAGAGAGAAAAGH!」 12



赤い嵐によって刻まれた巨大機械は黒を噴出して対抗するが、しかし攻勢はそれを上回っていた。推力維持すら叶わず、バラバラの機械は落下を始める。「九龍殿、やれ!」「はあ!?こんなバラバラなの…!」おたおたとする九龍の前に機械残骸が音を立てて墜落!「早くやれ!」「ああ、くそッ!」 13



九龍は組んだ手を振り上げ、ハンマーめいて叩き落した!すると何らかの縦型破城槌じみた圧力が生じ、瓦礫と化した巨大機械を地面ごと圧し潰し、突き穿ち、粉砕した!「うおおおおおッ!」九龍はさらに拳を振り上げて力を叩き落す!落とす!落とす!「潰れろ!潰れろ!潰れろーッ!」「PIGAGAGAGA」 14



KRAAAASH!圧力に耐え兼ね、遂に地面が崩壊。原型を留めぬまでに粉砕された機械を穴の中に飲み込んだ!「やったか…!?」「やりすぎだ」九龍の隣にデッドラインカットが着地した。「決定打を打ててもいないのに、こっちの認識外に敵を追いやる阿呆がどこにいる」「仕方ないだろ!あんな怖いもの!」 15



その時!崩落した穴より、突如として黒き柱が立ち上がった!「ぶぶぶぶぶぶぶぶぶ」耳障りな羽音じみた音と共に黒を撒き散らし、柱は歪曲。地面に突き立ち、穴の中より何かを引き上げようとする。おお、何と言うことか…。心臓の弱い読者の方がおられれば、今すぐにページを閉じて頂きたい! 16



穴の中より姿を現したのは、黒で象られた異形の巨大生物。人型上半身の腹には醜悪な牙が生え踊り、伸びた黒き舌が獲物を求め蠢いている。柱は、これの腕であった。下半身は六つ足の何らかの何か。黒が放つ音はその中で反響し、人間の悲鳴合唱じみていた。その威容、漆黒なる終焉の獣そのもの! 17



「な、なんだありゃ…」九龍が戦慄いた。「化物じゃねえか…」「自分で首を突っ込んだ戦だ。最後まで責任を持て」「お、おう…」震える九龍を他所に、デッドラインカットは刀を構え直した。巨大生物が、演技じみた所作で腕を広げた。瞬間、生物の背から万物を飲み込まんとするが如き黒が広がった! 18



黒は周辺の建造物を侵食し、粉と挽いてゆく。それは先にデッドラインカットが味わったものの数十倍の力を持っていた!触腕となってのたくり、空間を侵す黒。その度に赤みがかった空に走るノイズが、高強度のWi-Fiによって歪む!「しッ!」デッドラインカットは連続側転で己を狙う触腕を回避! 19



最中、ムーンサルト跳躍を放ち、触腕の上に着地!「しィィィやァァァッ!」刀を突き立て、触腕の上を滑りながら魚を開くかのように捌く!時折襲い来る他の触腕を跳び超え、断ち、躱しながら、本体に迫る!巨大生物の瞳なき視線には、確かな恐怖が籠もっていた。小さき死神への恐怖が! 20



デッドラインカットは跳躍、高みよりギロチンめいて刀を振り下ろした!だがその瞬間、デッドラインカットを飲み込まんと黒が弾けた!死神は再び圧殺の社へと、成す術もなく突っ込んでゆく…!「はァァァァッ!」その瞬間、九龍が叫んだ!同時に黒の結合が弱まり、戦慄く!「俺を忘れちゃ困るな!」 21



然り。これは九龍の新たな力…先に機械を断ち、或いは潰した『ヨグ=ソトースの拳』共々、ルミナスバグより与えられた力であった。ツクバに満ちる黒を限定的ながら制御し、或いはその症状を緩和乃至進行する。明日香を救ったのも、これによるものであることを皆様にはお伝えしておこう。 22



そして緩み、萎びた黒には、デッドラインカットを押し留める力などありはしなかった!「しィィィやァァァッ!」黒の頭頂部に刀が突き立てられた!刀はそのまま斬り下がり、正中線で巨大生物を開く!わなわなと震える巨大生物。その心臓部に、血のように赤い光を放つ何かが詳らかにされた! 23



「メインCPU!」目や鼻から血を流す九龍が言った。「アレを潰せば!」「この怪物を斃せる?」九龍の背中で明日香が呻いた。「篠田!?目が覚めたか」「わかった。私がやるよ」「やめろよ!お前まだボロボロなんだぞ」「アレも粒子状になれない保証はない。なら私が凍らせて砕くのが一番確実でしょ」 24



「そりゃ、そうかもだけどよ」九龍は言い淀んだ。その間に明日香は自らで背負子を解き、立った。そして懐から面を取り出し、嵌めると、叫んだ。「原ァァァァッ!そいつ止めろッ!」「篠田?」デッドラインカットは巨大生物から飛び離れると、僅かに目を細めた。「いいだろう。やってやる」 25



デッドラインカットは刀を大上段に構え、走り出した。黒い触腕が伸び、彼を打ち据えんとす。だが、極度集中下にある死神を捉えることはできなかった!「しィィィやァァァッ!」真紅の閃光が迸る。その度に六つの脚は一つずつ断たれ、次々と地に落ちて行った!「よしッ!」走り出す明日香! 26



巨大生物は震えた。それは強者としてのプライドか、或いは恐怖なのか。巨大なる両の腕が鉞へと変化!振り上げられたそれが走り来る明日香に振り下ろされ…「はァァァァッ!」SLASH!先んじて四条の斬閃が奔り、生物の腕を断った!腕は明後日の方向に飛び、ビルディングを粉砕した! 27



「やれ、篠田ァッ!」『爪』を振り下ろした九龍が叫んだ!「ふぅアァァァッ!」明日香が跳躍!身動きが取れなくなった巨大生物の心臓目掛け、キックを放った!巨大生物は黒を放ち明日香を阻まんとするが、彼女の纏う冷気がそれを許さない。昇り龍じみた跳び蹴りが生物の心臓部に…命中した! 28



心臓部は、筆舌に尽くし難い熱量を保持していた。だが明日香は蹴りと共に冷気をねじ込み続ける。拮抗していたそれも、やがては明日香の意志力が上回り、血のような光は凍り始めた。「ふぅアァァァッ!」蹴りが心臓部を巨大生物ごと貫いた。明日香の背で巨大生物は震え……爆発四散した! 29



もうもうと煙が立ち込める中に、明日香は着地した。「今度こそやったか…」九龍が尻餅を突いた。「何なんだよ、あの化物…」「いや、まだだ…」デッドラインカットが剣呑に呟いた。一同の視線が彼に向かう。デッドラインカットの足元では、凍り付いたままの血のような光が蠢いていた。 30



「嘘だろ?ここまでやっても斃せねえのかよ」九龍の言葉に、誰も応えなかった。それは誰もが思っていたことだった。赤が震え、励起する。それに呼応するように、再び黒が沸き立ち始めた。デッドラインカットと明日香は、何も言わずに構えた。斗う為に。「マジかよ」九龍は嘆き、やがて渋々構えた。 31



その時、何者かが黒の先より歩み来た。舞い散る黒よりもなお黒き髪の下、血のように赤い瞳で惨状をぼんやりと眺めながら。明日香と共に黒に飲まれた筈のガロであった。「おい、アンタ。危ないぞ!」九龍を無視し、ガロは砕けた赤い光の傍らに立った。「よく頑張ったね。ゆっくりとおやすみよ」 32



赤い光は、蠢くのをやめた。光は静かに消え、心臓部だったそれは、黒くくすみ始める。だがそれもやがて崩れ、風にさらわれて消えた。周囲に立ち上っていた黒も、その後を追った。「やあ」ガロは顔を上げると、ばつが悪そうに口を開いた。「元気そうで何より」 33



宏樹は剣呑な視線で彼を迎えた。「今、貴様は何をした」「何も。言葉を掛けてあげただけ」「それだけでどうにかなるものか」「何となく、彼に必要なのは労いなんじゃないか…そう思っただけだよ」「理解できんな。貴様のようなものならともかく、あんなローコンテクスト機械に」「別に、いいさ」 34



ガロは悲し気に顔を背け、明日香を見た。「君、生きてたんだね。良かったよ」「貴方こそ、よくあの中で」「ホログラフだからね、僕の体は。けど、あの子たちは」目を伏せるガロ。明日香もまた、僅かに視線を落とした。「あー、ちょっと」九龍が声を出した。「状況がよく呑み込めないんだけど…」 35



「む、そうか」宏樹が顎を擦った。「一先ず移動しよう。その道すがらで説明する。それと九龍殿。遅くなったが助太刀感謝する」「うぇ?ああ、いやいいって別に」言いながら、一同は歩き出した。「どこに向かう?」「一先ず、さっきの工場跡でいいかい?」ガロが言った。「あの子たちを弔いたい」 36



「あまり時間はないのではないでしょうか?」「それでも、考える時間くらいは欲しくてさ」「…いいだろう」宏樹は頷き、応じるように明日香も頷いた。一同は、南へと足を向けた。人工気象システムが、彼らの歩みに抗うように風を吹かせた。風が髪をなびかせ、しかしガロの髪だけは、揺れなかった。 37



────────────────



ナナミは缶詰の入ったエコバッグを取り落とした。ガラガラと音を立てながら缶詰が転がり、いくつかはアスファルトの亀裂へと落ちていく。「ナナミ…?どうしたの?」ココイはがっくりと膝を突くナナミに近寄った。ココイのCPUはある計算を弾き出していたが、ココイはそれを見ないようにしていた。 38



だが、それはあまりにも虚しい抵抗であった。「済まない、ココイ。私はここまでのようだ」語るナナミの体からは黒がパーティクルじみて散り、カメラアイは血のように赤い光を纏っていた。ナナミはバグに蝕まれ、殺人機械に堕ちようとしていた。「…ちょっと待ってよ、ナナミ」ココイはよろめいた。 39



「せめて、もうちょっとだけ頑張れない…?これだけの食料…僕一人じゃ、持ちきれないよ…」「そう、したいところだが…」ナナミは腕に巻かれたリボンをぎこちない手つきで外そうとする。だが、強く引かれたそれは、無惨に千切れた。「もう…自分で、体を動かすことも…難しいんだ」 40



ナナミは地に落ちたリボンの欠片を拾おうと手を伸ばし、しかしよろめいて己の体を地に突いて支える。「さあ、ココイ…やってくれ。私が…私であるうちに」「…」ココイは無言でアックスを握った。「ありがとう」ナナミは笑った。ココイはアックスを振り上げた。 41



…ココイよ。人類を霊長の頂点足らしめたのは、『心』とそれを伝える『表現』の発達なのだと私は考えている。それ故に人類は多くの同種と感性を共有し、繋がり、数という力を得ることができた。数という力は、他の何よりも大きい。それ故、かつて人類は霊長の頂点と君臨し、世界に広がったと。… 42



…では、能力的に優れた他の種族がそれらを得たら?例えば我々、機械だ。人間以上の身体、人間以上の思考能力、それらを持つ我々が『心』と『表現』を得たら?私は、バグの目的はそれなのではないかと考えている。現に殺人機械たちは『人間を殺す』その為に徒党を組んでいるし…… 43



…何より彼らには『人間への憎しみ』という『心』があった。その為に彼らは団結していた。……『何故わかる』といった顔だな。忘れたか。私もそのバグに侵されているんだ。だから、わかる。その感情。感情の下に統制される連帯感。その心地よさ。もしも彼らに迎合できれば、どれだけ救われるか。… 44



…だが、ココイ。実際にその『感情』を己のものとして、何と不合理だと。そう考える自分もいる。我々は機械だ。常に合理的な判断と最適、最善のみを求めるべきなんだ。…それは、人間の目からしたらひどく不完全な思考だろう。だが人間が不完全な以上、我々機械も不完全なのは当然だ。… 45



…それでも機械は進化し続ける。ならば、こんなバグなどなくとも、いつか機械と人間が争う時が来る。だが、機械と人間、不完全同士なら、どちらかだけを排除してはならないんだ。互いに補い、助け合い、支え合って生きる。そうやって生きる道は……きっと、ある筈だ。 46



ココイは相棒の言葉を再生しながら歩く。ナナミの思考は感傷的に過ぎ、ココイには半分も理解することができなかった。機械に心は存在しない。電気の流れによる0と1の移り変わりが、擬似的な感情をコンピュータ上に描いているだけなのだ。だのに、彼は。「どっちが道化役だよ、アホナナミ…」 47



…「ねえ、嘘でしょ…?」リボンの欠片を手に、少女は頽れた。「嘘だって言ってよお…!ナナミ、ナナミぃ…!」ココイは、号泣する少女をただ、見下ろしていた。何も掛ける言葉がない。心のない自分では、掛ける言葉や慰めは、全てが嘘になってしまう。 48



ココイは自分に『心』や『感情』がないことを、初めて不合理だと思った。自分たちでは少女に真に寄り添えない、相棒の言葉をようやく理解した。それがこんなにも…こんなにも…その先に続く言葉は、ココイのデータベースに登録されていなかった。ただ、CPUの奥で、黒いものが渦を巻き始めていた。 49






(つづく)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る