海は何度も
展翅零
第1話
抱きしめて 電話ボックスにいるみたいに 公園で散歩したりしたあと
抱きあってめをとじるとき地球がまわっているような・他の地球はあまりしらない
朝焼けと電車の音を受けているからだは生まれたときからからだ
新宿のドン・キホーテの水槽を見よ、式でなく産声上げよ
お風呂とか脱衣所こごえて勝てないよ誰がどれだけ歩いてきたの
わたしを孤独にするものみな大嫌い 短歌にはそれぞれの桃色天使
あなたは裏拍で階段を登り切り切れる電話に世界の消失はまたひとつ
おおむねは誰もずるくてきたなくて天使はそれでも心をつくる
またお風呂入ってないのねつむじには怪獣のいる妹がいる
せかいじゅうわたしのこころで終わるのに川沿いのひかり まだ揺れてる
あの人は6月に抱かれふと気づく(泣いているのは誰 わたしなの?)
たとえわたしの人生が美しかったとしてもなぜ浴槽にあたままで浸かっている?
人間は怖くないよっていう言葉やっぱりあなたは愛の逆光
できるだけお湯を注いでわたしごと時間になりそう 夢が囁く
涙なみだすべてが水面に落ちたとき足の底から干上がっていく
たたかいをやめたわたしはいやですか中古でウクレレ買って抱える
ねむりにはどんなあなたも叶わない は 傷みの結晶かどうかを想う
暮らしたらそれでもふたりになってゆく慟哭すこし遠くなってく
いまここでふたり産まれる頼りない言葉の果ての灼熱のなか
朝帰りは針葉樹の森歩くよう この先にわたしという白い海あり
海は何度も 展翅零 @attacusatla
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます