第28話 エピローグ
〜ワールドアナウンス〜
『この世界に新たな龍が誕生した。古き龍たちは喜び、2人へ祝福を贈った。』
『龍たちの伝承に新たな1ページが刻まれると同時に、この世界の住人はかつての伝説を目の当たりにした。』
『グランドクエストが進行しました。』
『ワールドクエスト「龍の伝承」を終了します。第3の街トレアが解放されました。』
『龍は、人は、確かに今日のことを覚えているのだろう。』
ーーー
竜祭から一夜明け、俺は自室のベッドでニュースを眺めていた。フィオとアルドとの戦闘後、ポリゴンとなった俺たちはデュオルの宿屋で目を覚ました。
戦闘を終えたフィオとアルドは地面に仰向けに倒れていたらしい。ゼノと天龍が空から舞い降り、2人と話した後空で龍の宴が始まった。イベントシーンみたいなもので、そこにプレイヤーが介入することはできなかったみたいだ。
掲示板ではやはり、俺とライラのスレッドが乱立していた。また腕なくしたのかとか、龍化がずるいだとか、なんでレヴァテインがまた使えるのかとか散々な書かれようだ。
ライラはライラで俺たちとは違った500年前の魔族であるためか、掲示板は別の熱気で盛り上がっていた。おい、ライラちゃんペロペロじゃないんだよ。というかライラ専用スレの俺への当たりが強すぎる。
また人目を避ける生活が始まってしまう。ライラは他にもAiPCがいると話していた。かつての敵だったそいつらに会いに行くのもいいな。
結局ゼノには初めて会った時の話を詳しく聞けなかった。またストーリーが進めばどこかで会えるだろう。
さしあたっては新しく解放されたトレアに向かうか、当初の予定通りライラとウノス観光するかだな。こっそりイベントの報酬として貰っていた冥龍と天龍の素材もあるし、竜人に会いたい。
というかさっきから俺のSNSの通知がうるさいな。おいこれあいつからじゃねーか。
久しぶりに見た名前に頬が緩む。おそらく配信を見ていたであろう彼女から鬼のようにチャットが送られてきていた。
なんかライラが雰囲気悪そうな感じ出てたし2人を会わせるのは不味いか……?
サクッと返信するとスマホを机に置く。
時刻は23時30分。少し早いが情報に触れすぎたせいか眠い。
あくびを噛み殺しながら歯を磨いて、自室の電気を消す。
願わくば明日からのこのゲームライフも波乱に満ち溢れていますようにと、淡く祈りながら目を閉じた。
◎◎◎
作者より
初めまして、作者のいろはと申します。プロフィール欄に記載の通り、週6勤務毎日残業の社畜やらせてもらってます。
戦闘シーンが思い浮かぶまま手遊びで書いていたものが、こんなに沢山の人に見てもらえるとは思ってもいませんでした。
本当にありがとうございます。通勤、通学、休み時間のお供になっていましたら幸いです。
第1章はここで終わりです。実は本業が大変忙しく、しばらく更新はお休みいただこうかな……と思っていましたが、更新します。ドMなので。
引き続き読んでくださると嬉しいです。
ではまた、次章のエピローグあたりでお会いしましょう。
会社のデスクより愛をこめて。
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