第8話【誓いの指輪】
「何だ?どうなってる?!」
ファアアアア
突然、テルの体が光った...。
バァアアアアアン
その瞬間周りを囲んでいた、鎖を爆炎で吹き飛ばしてしまった。
「あれ?テル??」
そこにはテルの姿はない。
『シキ、ここだよキミの左手を見て』
直接、頭から声が聞こえてきた...。
「あれ...これって...」
左手を見ると薬指にプラチナの指輪が...。
「テル...もしかして、武器変化!」
『わかんない?なんかできた!あれ?もしかして、普通に喋れてる?!』
ブレイが言ってた、自分の考えてる事がそのまま伝わるって...。
「何が起こったかわからんが...」
周りから何かなにか、唸り声がする...。
「さっきよりもっと手荒な手段だが...仕方ない...」
さっきの狼の魔獣が次々とやって来た。
「行け!」
グァアアアアア
ぼくに向かって飛びかかってきた。
「ああ!もう、鬱陶しいなぁ!!」
ボォオオオオオン
ぼくはイライラして、叫んだら目の前の魔獣が一瞬で燃やされた。
「えっ?何で、ぼくは魔法が...」
ぼくは魔法が使えないはずなのに何で炎の魔法が...。
『もしかして...テルのおかげ?』
『わかんない?だけど、感覚でわかるよ今のシキはどんな魔法も使えるよ!』
魔法かぁ...ぼくは少し昔の事を思い出した...。
ぼくは木陰でテルと一緒に本を読んでいた。
「しきぃ...かみぃなぁり...」
「ああ、これね風魔法の応用なの」
ぼくはテルに説明した。
「四大元素で炎・水・風・土の属性があって
その中でもう二つあって希少な光と闇」
ぼくはページをめくった。
「風元素は要するに空気だから変化させると
電流を流すことができる。
水元素は水分で急激に冷やすと固まって氷になる。
土は植物を育てる手助けをするから元素反応で
急激に成長させることができる」
ぼくは本をいったん閉じた。
「だけど、炎・光・闇は純粋な力の元素の塊だから他のものにはなれない...その代わり協力な技が出せる」
テルは少し首をかしげていた。
「ゴメン...専門知識が無いとむずかいよね」
ぼくは隣にあったもう一冊の本を取った。
「まぁ、魔法の属性は教えたね今度は魔法の
使い方、正直これは感覚と実力と使って覚えるかな?この本もそういった経験をした人の本だから」
ぼくは頭に炎のイメージを浮かべた...。
「まぁ、ぼくは魔法は使えないけどね」
少しテルは魔法に興味あるのかな?ずっと魔術書を見てる。
「魔法や魔術に興味あるの?」
「うん!...しきぃ...どぉんなまほぉつかう?...」
どんな魔法かぁ...。
「炎属性かな?」
「なぁんでぇ?...」
ぼくはテルを抱きしめた。
「だってこれだけテルのこと好きだもん...
絶対に情熱的な炎がぼくには宿ってるよ...」
テルは炎よりも顔を真っ赤にして熱くなっていた。
「来なよ...よくもテルに毒を飲ませたね...」
ぼくは男を睨みつけた。
ガァアアアア
横から襲ってきた。
ボォオオオオオン
炎でまた燃やしてやった。
「さんざんよくもやってくれたね...」
ポンポンポンポン
「なに!水だと?!」
水を大きく溜めて...。
バァアアアン
勢いをつけて飛ばした。
ドォオオオオオオオオン
ぶつかった狼は粉々になった。
ガァアアアアアアアアア
三匹が同時に飛びかかってきた。
ビュウウウウウウウウウウン
竜巻を発生させて周りを吹き飛ばした。
「こんな風圧初めて見た!どうなってる?!」
「地面に気をつけなよ...」
ドンッドンッドンッ
地面から土の大きな棘を突き出して狼達を大体4匹穿いた。
「まだ、沢山居るね...思いついた...」
風を手のひらに集めた。
「さっきのお返しだよ!」
バァアアアン
ぼくは電撃で周りに居る狼達を感電させた。
「そんな...風魔法の応用の電気だと...上級の魔法使いでも技術が無いと難しいのに...」
「なに、さっきからごちゃごちゃ言ってんだよ!」
地面から茨城を生やした。
ヒュルルルルルル
スパンッ
「がぁあああ!」
奴の体を茨城でムチのように叩いた。
「どうしたの?さっきまでの余裕な態度は!」
「やっ...やめてくれ...」
奴はビビって逃げようとした。
バタンッ
「がぁ...いったい何につまづいて...」
奴の足は氷で引っ付いたまま折れてそのままになっている。
「うわぁあああ!」
ガァアアアアアア
奴が叫んだ瞬間さっきよりも巨大な狼が突然出てきた。
「殺せ!お前は最後の手段だったがもういい!
俺をこんな目に合わせたそいつを食い殺せ!」
ガァアアアア
「キミもこんな奴に操られて...ゴメンよだけど
ぼくもここで負ける訳にいかないんだ...」
両手で弓を構える手を作った。
ヒュウウウウウン
光の矢をイメージして。
ファンッ
放つ!。
グサッ
狼の頭部に刺さった。
ドォオオオオオオオオン
そのまま動かなくなって倒れた。
「そんな...光属性の攻撃魔法...」
「しかも、こんなこともできるよ...」
ぼくは奴に近ずいた。
「近るよな...やめてくれ...」
ぼくは奴の額に手を置いた。
ブワァアアアアン
黒い煙のようなものが奴の体にまとわりつく。
「ぐぁああああ!」
「ぼく達の事を呪い殺そうとしたよな?!
新しく使えるようになった闇の煙に蝕まれて死ね!」
呪い...こいつとは種類は違うけど苦しんで死んでしまえ...。
『シキ、やりすぎだよ!』
『何で?こいつはテルの事を...』
ぼくの事も狙ったけどまだ生け捕りにしようとしたからぼくは命だけは助かった。
だけど、テルの事は完全に殺そうとした。
「もういい...」
ヒュウウウウウン
ぼくは氷で巨大な氷柱を作った。
「普通に殺してやる...」
『やめて!』
テルは急に大きな声を出した。
『罰ならちゃんと大人達に決めて貰おうよ...
生きてちゃんと罰を受けて貰うの...』
ブワァアアアアン
バタンッ
ぼくは呪いを少し強めて気絶させた。
ヒュウウウウウン
そして、氷も溶かした。
『テルがそこまで言うならいいよ...けどいつか殺す』
『ありがとう...シキ...』
あの後はバンがブレイと一緒に攻め込んできた
残党を時間をかけて倒して全て捕まえてくれた。
マークは魔獣達を全て討伐してくれた。
「それでぼくとテルに何か言いたいことは?」
「すいません...」
ぼくはブレイを目の前に座らせていた。
「まだ、バンとマークがテルのそばに居てくれたから守ってくれたけどテルが1番危ない目にあってたんだよ!」
ぼくはブレイの胸ぐらを掴んだ。
「あんたが、こんな所に連れてきたから!」
「待つんだシキちゃん!」
「そうだ、オレ達にも責任がある!」
マークとバンが前に出てきた。
「私達が居ながら毒を...済まない...」
「ああ、あいつが少し一人になりたいって言ってたから部屋を出たんだそしたら...」
テルが1人に?...。
『何で1人になりたかったの?』
『ごめん...ちょっと複雑になって...』
複雑?...。
『だって、ボクなんかよりこの人の方が釣り合ってると思って...ボクは頭良くないし特技もないし
体も弱いし...シキはボクにとっては高嶺の花だよ』
ああ、そういうことか...。
『テル...後で話そ...』
少しぼくも、申し訳ない気持ちになった。
その日の夜...。
『何でボク指輪のままなの?』
『ずっとそばにいてくれるから、それに話を
誰かに聞かれる心配がないから』
ぼくはハッキリと言った。
『テルはぼくの事好き?』
『もちろんだよ!ボクも初めは一緒に二人だけで暮らしたいと思ったよ』
初めは?...。
『あの時も言ったけど、やっぱり釣り合わないと
思ったんだ喋り方あんなんだし、頭悪いし
特技ないし...それなのに女の子のシキ苦労ばかり
させて...それなら、あの男の子の方がシキの事を
守ってくれるし、色々と頼りになると思うんだ』
何でこんなませてんだろ?。
『テル...いったん指輪の変化を解除して』
ブゥウウウン
テルは元の姿にもどった。
ブレイが言っていた考えてる事がそのまま伝わるから会話ができるってだからあえて...。
「しきぃ?...」
指輪に変化した時もテルは普通に会話できてた...。
だけど...やっぱりテルが好きだ...
恋なんて...簡単な言葉じゃない...。
「どぉしたぁあの?...」
ぼくの生きる世界に色をつけてくれた...
動かしてくれたんだ...。
「テル...」
バッ
ぼくはテルに抱きついた。
「しきぃ!!」
「いかないで!どこにも...」
もうやだ...離したくない...。
「もう...釣り合うとか...言わないで...」
テルはぼくの頭を撫でた。
そして、ぼくは一晩中泣いた。
翌朝...。
「昨日はゴメンねブレイだっていきなりで驚いてたのにまるで全部悪いみたいな言い方して」
「いいんだ、それに巻き込んでしまったこちらの責任だ本当に申し訳ない」
ブレイは少し笑っていた。
「何がおかしいの?」
「いや...初めてだよあんな気の強いお姫様は」
こいつ...やっぱり殴ってやろうかな?...。
「何それ...好きで気が強なったんじゃないよ」
「しきぃ...」
テルが横で少し止めようとしてる。
「大丈夫だよ殴らないから...今は...」
そう言ったらテルが困った顔をした。
「てかさ、よく言えるよねテルの前でぼくのことを口説いて!将来テルと結婚するんだら!」
ブレイは少し固まってしまった。
「えっ?彼と??」
「そうだよ!王位を継ぐのはやだけど」
少しブレイは考え込んでしまった。
「言っとくけどキミのことは嫌いじゃないけど
あんまり関わらないで!」
こう言えば相手も下がるでしょ。
「参ったなぁ、気に入られるよえに頑張らないと」
だからそれをテルの前で言う!。
「もう、いいよ!テル行こう!」
テルの手を取ってそのままぼくは馬車に向かった。
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