第7話【情熱】

ドォオオオオオン

急に扉が開いた、するとフードを被った人たちが次々と入ってきた。

「お前がブレイだな!」

「王族のガキを早くロープで縛るんだ!連れていくぞ!」

何なのこの人達!。

「ブレイ!」

ぼくはブレイを名前を叫んだ。

「わかった!」

ブォオオオオン

火の粉が舞いながら剣に変化した。

カシッ

ぼくは剣を手に取って炎を放った。

ブォオオオオン

炎を奴らに目掛けて飛ばした。

「熱!何だよ、この火は?!」

スパンッ

ぼくは入ってきた一人の右腕を切り落とした。

「ぐぁああああ!」

「くそ、一旦引くぞ!!」

そう言って奴らは引き下がった。

「何なの、あの人たち?」

『たぶん、戦争に反対してる人達だと思う』

戦争に反対?。

「てか、頭の中に直接声が...」

『武器に変化してる時は喋れないんだ、だけど

手に持ってる君となら頭の中で直接、念話が可能だ』

そんな事が...。

『それなら、ぼくも口で喋らなくていいんだね』

『その通り、さっきの話の続きだけど

簡単に説明すると、他の国との和平を気に入らない人達の集まりって事だよ』

それは、わかったけど、何でブレイを...。

『たぶん、今でも土地の拡大を目的に戦争を

再開しようとしてる王族もいるからね私達みたいな王族の子供を使って戦争のきっかけを作ろうとしてるんだと思う』

そんなことを...。

『ちょっと待って、こいつら他にも居るのかな?テルたちの所に行こう!』

そう言ってぼくは走った。


『テルたちは何処に居るんだろ?』

『メイドたちが客室に連れていったと思うから

そこの廊下を右に進んで』

ぼくは右に曲がったすると...。

グルルルルルルル

唸りながら、牙を向けてこちらに近ずこうとする

四足型の獣がいた。

ぐぁああああ

ぼくの方に飛びかかってきた。

ボォオオオオオン

ぼくは火の玉を口の中に飛ばして入れてやった。

ガァアアアア

喉が焼けて苦しみながら死んでいった。

『なんなんだろう?魔物か何かかな?』

ぼくは少し近ずいて調べた。

『これは...魔獣だよ!』

『魔獣?』

ぼくはブレイに説明した。

『あんまり、ぼくも詳しい程ではないけど

狼型の魔獣だよ比較的弱いけど集団行動が得意で

今回は一匹だけだったから何とかなったけど

複数いたら相当危ない敵だよ』

ぼくはとにかく走った。

『なんで、魔獣って気づいたの?』

『火の玉をぶつけた時に喉が焼けただれて血液が

少し流れてたでしょ、ぼくは血を見ただけで

どんな生物かって分かるんだ』

テルも怪我した時には障害のせいだと思ったけど

何か他の人とは違う血のオーラがあった。

『シキ、余計なことは考えないで』

そうだった、考えてる事がそのまま相手に伝わってしまう。

『ゴメン...それで...客室は...』

バァアアアン

その時、何かが壊れる音がした。

『えっ?何...』

『ちょっと待って...音がした方は客室だ!』

ぼくは背筋が凍った。

「まさか...そんな...」

ぼくは無我夢中で走った。

角を曲がるとそこにはバンがいたどうやら怪我をしてるみたいだ。

マークは群がる狼達を倒していた。

「バン!」

「大丈夫だ!テルくんは中に居る!」

バンは部屋の方に指を刺した。

「急に熱で高熱が酷くてベッドで寝かせたんだ!」

ぼくはバンに回復魔法を使った。

フィイイイイイン

「傷口を塞いだ、だけだから無茶しないで」

「ありがとう」

「シキ!早くテルの所に!ここは任せな!」

ぼくはそうマークに言われて走った。

「バン、ブレイを!」

『ねぇ、荒っぽ...』

ブレイが何か言おうとしたけど手を離した瞬間

声が聞こえなくなった。

「ブレイ様、お力借ります」

カシッ

バンは上手くキャッチした。

ボォオオオオオン

すると、大きさが変化してバンの手に持ち安い大きさに変化した。

「これは、凄い」

「先に入ってるね!」

ぼくは急いで扉を開けた。

ギィイイイイイ

「テル!」

部屋を開けるとテルがベッドで苦しそうに横になっていた。

「テル!しかっりして!」

「ハァハァ...」

苦しそうに息切れしてるけど、いつもの風邪との

表情じゃない。

ぼくはテルの頭に触れた。

ブゥウウウウ

テルの体の状態を調べた。

「えっ?何これ、毒!しかもこれ毒蛇の...」

だけど、テルは噛まれてる様子はない。

「とにかく、状態はわかった」

パァァァァァァン

いきなり窓から鎖がうねうねと無理やり入ってきた。

「うわぁ!」

その鎖はぼくとテルを巻き付けた。

カンカンカン

鎖が擦れる音と共に外に無理やり引っ張り出された。

「ん?おや、本当は君一人だけで良かっただが...毒を飲ませた少年もおまけかぁ...」

毒を飲ませた?...。

「毒って...何故テルに!」

奴はテルをぼくから無理矢理奪った。

「汚い手でテルに触るな!」

「お前、回復系の魔法が得意なんだろ?毒消し魔法を使われたら作戦が成功しなくなる」

作戦?...一体何をたくらんでるんだ?...。

「本当はブレイって名前の王の甥っ子を狙ってたが、君の噂を耳にしてね」

奴はフードを外した。

「片目...斬られたの?...」

黒い狐族...左目に刀傷がある...。

「俺はこの目と家族を戦争で失ったその復讐をするために自分の知識と力を利用してきた」

奴は鎖に触れた。

「この鎖も俺が錬金術で作った魔器をだ魔法が使えなくても、魔力か生命力を注げば

変わった能力を使う事ができる優れものだ」

「だけど、戦争は終わったよ...何でこんなことを...」

奴ら左目を手を触れながら質問に答えた。

「さっきも言ったが俺は戦争で家族とこの目を失った戦争で戦えばその敵国の奴らと

その王族を皆殺しにしてやろうと思った、けれど和平を結んでそれも

できなくなった、だから王族の子供を使って戦争をもう一度起こそうと思ったのさ」

「本気なの?また犠牲が出るんだよ!」

奴はナイフを取り出した。

「敵だった奴らが今は大人しくなってるだけだどうせまた戦争はやってくるそれを

国民たちに分からせるだけだ」

テルの首にナイフを地かずけた。

「君はどうやら、四つの大陸を仕切っていた王族の血をすべて受け継いでるんだろ?

それに、この子が大事だろ?」

「はぁはぁ...やめて!」

ダメだ...過呼吸になってる...。

「そんなに、大事か?」

「ぼくがアンタたちに着いていくからその子は離して...」

やめて...やめて...お願い...。

「すまない...君には絶望して言いなりになってもらう」

「やめて!」

ぐさっ

「ぐあ!」

その時、テルはズボンのポケットからナイフを取り出して奴の首に刺した。

「うぁああああああ!」

ブォオオオオオオオオ

カンッカンッカンッカンッカン

ぼくはポケットから魔宝石を取り出して風魔法で鎖を切った。

ガシッ

ぼくはなんとかテルをキャッチして抱き抱えた。

ファアアアアア

状態異常を治す魔法で少しずつテルの毒を消していく。

シャアアアアアアアン

すると、いきなり何メートルも長い鎖がまるでぼくらを包み込むように丸い円で囲んだ。

「これってまさか...」

呪いの鎖だ、このままだと弱体化する。

ファアアア

ぼくは呪いを跳ね返す結界を発動した。

「流石だな、尊敬するよ」

「テルに刺されたはずだろ?!」

何で、生きてる?...。

「俺は炎の魔法が使える、何とか焼いてふさいだ」

よく見ると刺された所が火傷してる。

「だが、大丈夫なのか?解毒の続きをしないとダメだろ?まだ毒は残ってるぞ」

まだ、ぼくは大丈夫だけど、結界を解除したらこれだけの呪いの鎖...体が弱い上に毒で

体力が低下してるテルは...。

「はぁああああ!」

ブァアアアアン

ぼくは結界と毒消しの魔法を両方発動させた。

「器用だな、ならこれならどうだ?」

バァアアアアン

「嘘!電撃!」

呪いと混ぜて電撃は反則でしょ?!。

「結界を強めれば解毒はおろそかになる、けれども、解毒を優先すると雷様に叩かれるぞ?」

こいつの言ってることは悔しいけど正しい、両方の魔法を使うのは実は簡単にできる。

だけど、呪いと電撃両方襲ってきたら結界を強めないと防げない、そうなると解毒が

続けられない、何とか少しだけならできるけど。

「ごほ...がほ...」

ダメだ...このペースじゃ遅すぎる...。

「この子に毒を飲ませるのは簡単だったよここのメイドのまだ幼い弟を捕まえて

乱暴な事はしないからその代わりに、その子にこの水を飲ませてやれって...。

ちなみにメイドは水に何が混ざってるかは知らないで渡したさ」

こいつ、どこまで...。

「さっきは殺そうとしたが、もし言うことを聞くなら助けてやる」

交換条件を言ってきた。

その時、テルがぼくの手を握った。

「もぉお...いい ...」

テルは弱々しく言った。

「何を言ってるの?」

テルはぼくが教えた手話を使った。

【ボクを置いて逃げて】

「そんなことすると思う?」

【守られてばかりは嫌だ】

「ぼくはただ...」

【いいんだよ、幸せだったから】

ちゅっ

テルはぼくに軽く唇にキスした。

【大好きだよ】

「おいおい、ませてるなぁ...」

その時ぼくは何か吹っ切れた。

「ねぇ、ぼくのことをどれくらい知ってる?」

「まぁ、急ぎだっからなそこまでの情報はまだ手に入れてない」

ぼくは懐から薬袋を取り出した。

「ずるいよ...ファーストキスはぼくからしたかったのに...」

ぼくは3本の薬品を口にふくんだ、そして...。

ビィイイイイイイイ

錬金術で口の中の薬品を調合した。

バッ

「ふぐ...ゴクゴク...」

そして、テルの口の中に流し込んだ。

「お前...錬金術はかなりの魔力をエネルギーに変えて爆発させて調合する力だ!そんなことしてお前の喉は...しかも何で魔力が弱まってない?!」

ファアアアア

「この...程度...すぐなおふ...」

喉が焼けてうまく喋れない...。

だけど、こいつは知らないみたい...錬金術は代償になるエネルギーなら何でもいい

ぼくの鉄分を代償にして錬成した。

ゴォオオオオオオオオオン

電撃が強まった!。

「もう、いい!こうなったら本気で!!」

どうする、これ以上は...。

「しきぃ...」

テルはぼくの手を握った。

「薬飲んだばかりだから無理しないで」

ぼくは笑った。

ファアアアアア

その時...テルの体が光った...。

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