第6話【武器変化】

「シキさま少しお話を...」

「後にしてくれる、テルにご飯持っていきたいから」

テル今日はサラダ食べたいって言ってたからここの近くの畑で取れた新鮮な野菜が沢山の

サラダ、喜んでくれるかなぁ。

「それでしたら、運ばせますしわざわざ貴女が運ばなくても...」

「テルと一緒に食べるから」

ぼくは無視してテルの部屋に行った。


テルの部屋でサラダを一緒に食べていた。

「しきぃ...おひめぇさまぁ...」

「そんなのならないよ、そもそも、ぼくがお姫様になっても国がめちゃくちゃになるよ」

ぼくが王族になってテルと一緒に安定した暮らしができるのは良いその仕事をするのも

別にいい。

だけど、そうなるとテルの事を絶対に言われるそれが何よりも嫌だ。

「ゆびぃ...」

「えっ?指??」

ぼくはテルに言われて気がついた。

「そうだ、テルからもらった指輪...花だから...」

ちゃんと手入れをしていたけど、花は寿命が短い。

「せっかくもらったのに」

残念で仕方ない...。

「見せつけてくれるなぁ...」

「いいじゃないか、シキちゃんとテルくんも仲良くて」

「ちょっと、いつから居たの?恥ずかしいところを観ないで!」

マークはすごい怖い顔になって小刻みに震えてる。

「お前、マジで言ってんのか?」

「まぁまぁ...」

バンも初めはぼくにも少し堅苦しかったけどぼくが砕けた感じでいいった言ったから

結構楽になった。

「てか、オレ自信は話しには聞いたことはあるけど実際に見たことは...あっ!でも盾に

姿、変えた奴が居たなぁ」

武器に姿を変化させる能力。

「その人強かった?」

「いや、命までは取らなかったけど瞬殺してやった」

マークは手加減を知らないなぁ。

「ばぁんはわぁ?...」

テルがバンに話しかけた。

「いやぁ、私は会ったことも見たこともないなぁ」

その瞬間バンがはっとしたような表情になった。

「あっ!でも、私の知り合いではないけど、あの人なら!」

「知り合いでも無いのに何で知ってるの?」

好奇心でバンに聞いてみた。

「私もお会いした事は一度も...」

コンコンッ

バンが続きを話そうとしたらいきなり扉をノックする音が聞こえた。

「入って!。ゴメンね...」

ぼくはバンに謝った。

「後で話そう、謝らなくていいから」

ガチャッ

「失礼します...」

元老院のおじいさんが入ってきた。

「実は...カルムス殿下の甥っ子様が来られました...」

「なに?!」

バンが驚いて立ち上がった。

「まさか、話そうとした矢先に...偶然は怖いなぁ...」

「えっ?何なの?説明してよ!」

「説明は後でしますのでこちらに!」

そう言われてぼくは連れていかれた。


「ねぇ、誰が来るの?」

ぼく達はいきなり門の前で待たされていた。

とりあえず、テルとマークもぼくの隣に立ってバンも一緒に着いてきてくれた。

「カルムス殿下の甥っ子様だ、あの方の王国は西の国の中でも色んな種類の金属が

取れる鉱山が沢山ある国なんだ」

金属かぁ...。

「しきぃ...けん...きんぞぉく...べんりぃ...」

「まぁ、錬金術が使えるぼくとしては魅力的だけど、やっぱりテルの事もあるから

空気が綺麗な場所がいいなぁ」

「私の話を聞いて!」

バンは少し傷ついた様子だった。

「ゴメンって...それで?」

「その、カルムス殿下の甥っ子様は...武器変化能力の血を受け継いでいる」

えっ?嘘...。

「それじゃあ...テルと同じ...」

「ええ、ですが何の目的で...」

ガタガタガタガタガタッ

そう、話してる間に馬車がやって来た。

しかも、兵士が沢山いて前と後ろに走ってた馬車よりも真ん中の馬車がいかにも

王族や貴族が乗ってる派手な馬車だ。

スゥウウウウ

そして、レッドカーペットを地面に...いつも思うけどめんどくさいなぁ...。

ガチャッ

そして、馬車のドアを開けるとぼくより背の高い犬族の男の子が出てきた。

そしたら、ぼくの方へ迷わずやって来た。

「どうも、初めまして私はブレイです、カルムス殿下の甥です」

「何のよう?」

ぼくは素っ気なく答えた。

「おい!ブレイ様に何て...」

「いいんだ、こっちが行きなり来たんだ、それに彼女が誰かわかってるのか?」

ブレイは騎士の人をなだめた。

「あらためて、名前を聞いても?」

「シキだけど...」

そしたら、周りの騎士たちが青ざめた。

「やっぱり、あなたがそうなんだね」

「なぁに?お姫さまらしくドレスでお出迎えすると思った?」

ぼくは少し睨み付けた、そしたらテルが肘でこついてきた。

「しきぃ...」

「だって...」

「えっと...君は?...」

ブレイはテルに目を向けた。

「テルだよ、ぼくの恋人」

そう、答えるとブレイはすこし焦った顔をした。

「えっ?恋人...君は年はいくつなんだい?」

「ぼくは一様、四歳だよテルは三歳だけど」

何で年齢を聞くんだろ?。

「私は八歳になったばかりです」

まぁ、年上だろうねぼくとテルより背が高いし。

「いきなりで、申し訳ありません私は君と将来結婚したいと申し出を...」

えっ??。


翌朝...。


「何で、いきなり連れこられるの!!」

ぼくはブレイの王国にやってきた。

「落ち着いて、国同士の取引もあるので」

ブレイが金属を元老院の人達と取り引きしてたから

正直断ることができなかった。

バンも着いてきてくれてマークとテルも一緒に

着いてきてくれたけど。

「今は我慢だ...」

バンもぼくの事をなだめようとして色々話してくれてるけど。

「さぁ、ここがお城ですよ」

ブレイはぼくの手を握ろうとした。

「気安く触らないで」

ぼくはテルの手を握った。

「出だしは最悪かな?」

「はじめから、興味無い」

ぼくは睨みつけた。

「私の部屋で二人っきりで話したいんだけど」

「断る」

ぼくは、ハッキリと言った。

「部屋は何処にあるの?テルを休ませたい」

その時、テルが手を離した。

「ばん...いぃしょにいぃく...」

「えっ?バンと...別にいいけど...」

「それなら、時間ができたでしょ?こっちに」

ブレイが手を引っ張ってきた。

その時...ぼくは何とも言えない感情だった...。


「さぁ、ここが私の部屋ですよ」

そこは、色々小説とかが沢山置いてあった。

「小説が好きなの?」

「ええ、結構有名なのは揃えてますよ」

何だか、教会の図書室みたいだ。

「部屋にきたんだから、もうテルのところに行ってもいい?」

ブレイは少し苦笑いをした。

「私の話を聞いてからでもいいでしょ?」

ぼくはうんざり、しながらも話を聞いた。

「貴女は錬金術が使えて私の国は色んな種類の金属が手に入る鉱山が沢山ある」

ブレイは窓の外を眺めていた。

「ここは、西の国の中でも一番武器を調達するのに適した場所なんですよ」

そして、ぼくのことを見つめた。

「そして、貴女の錬金術の腕は素晴らしいしかもびっくりした!こんなに綺麗なんて!」

ぼくは逆に睨み返した。

「お世辞はやめて、テル以外に綺麗なんて言われたことない」

それに、テルに言われた方が嬉しい。

「本当だよ、四歳とは思わないぐらい大人っぽい顔立ちだよ」

なんなのこいつ...だんだんイライラしてきた。

「それに、貴女は魔法も戦闘も得意と噂にしてますが?」

「魔法は医学を勉強してたから回復系の魔法しか使えないし、戦闘もケンカが強いくらいだよ」

たまに、からかってくる子供を泣かせてた、同じ教会に居たいじめっ子達はシスターに

言い付けられるのが、嫌だったから今まで何もしなかったけどあの時は殴ってやった。

「それなら、貴女はもっと強くなれますよ」

「それってどういう?...」

ブゥウウウウン

すると、いきなり火の粉が舞った。

「えっ?何これ剣?」

「試しに持ってみて」

そう言われて恐る恐る手に取った。

ブォオオオオオオオン

「うわぁ!」

ぼくが少し触れただけで、凄い炎の渦が現れた。

「大丈夫?!」

ブレイが本来の姿になって、ぼくを心配した。

「どうして?いきなり...」

「貴女の魔力と力が強すぎたんだ」

強いすぎた?...。

「説明してよ!」

「私の血は武器変化の能力、例え魔力が使えない人でも精神力やその人の戦闘能力が

高いと魔法が使えるんだ」

つまり、その人の能力や戦闘ステータスで変わってくるんだね。

「だけど、さっきで分かった...あんな魔力の量ははじめてだ!底知れない...

しかも、素晴らしい火力だ!」

「ああ、多分、昔から重いものを軽々と運べたし鍛えてたからそれだと思う」

ブレイはぼくの手を握った。

「やはり、貴女は素晴らしい強くて頭も良いそれに強い」

「お姫様が力強いって何か変じゃない?」

だから、ぼくはそんなの似合わないんだよ。

「いえ、王女だからそこ、鍛えられてますよ?下手したら王子よりも剣の稽古は厳しいですよ」

ぼくは少し呆気に取られていた。

「えっ?そうなの?」

「ええ、やはり王女は狙われる率が高いからそれに性別は関係なしに必ずしも誰かが

一緒とは限らない」

お姫様はか弱いイメージだったけど...結構たくましいのかな?。

「王族に生まれた者は嫁いだ王を自分の命を犠牲にしてでも王を守らないといけない」

真剣な表情でブレイは説明した。

「だけど、それは王の方が地位が上だからだ婿養子だと逆だ嫁いだ男性...つまり王子が

王女を命に変えても守らないといけない、そして国が何者かに教われたら共に戦う

それが、王の伴侶だ。私からしたら、王子も王女も余り変わらない」

伴侶...。

「気を悪くしないで欲しい...テルっていう子を嫌ってる訳じゃない...だけど、貴女を

守れるだけの強さを持っているのかい?」

テル...。

ガシャアアアアン

その時...何か壊れる音がした...。

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