第4話【写真】
あれから1週間が経過した。
「しきぃ...おはぁな...」
「うん、こんなに花が沢山咲いてるのは遠い
森ぐらいだもんね」
テルは花が好きだった。
「今度はどんな花がいい?」
「かぁんがぇえとぉく...」
どんな花がいいのかな?。
「おいコラ...」
「どうしたのマーク?」
マークがすごい怖い顔しながらぼくを睨みつけた。
「分かっんだろオレが怒ってる理由」
「ええ、約束はちゃんと守ったよ」
1週間前...。
「テルゥウウウウウウ!」
ぼくはテルが目が覚めて安心して泣いてしまった。
「よがっだァァァァ!」
「くるしい...」
「テルくんの酸素がやばいですよ!」
ぼくは咄嗟に離れた。
「あっ!ゴメン...」
それでもテルは笑った。
「ふたぁりも...ありがとうぉ...」
テルはバンたちにもお礼を言った。
「いえ、私は何も」
「オレもだこいつの回復系の魔法がなかったらそもそも無理だった」
それでも、ぼくも感謝でいっぱいだった。
「あらためて、ありがとう...」
「まぁ、とりあえず約束は守った契約してくれるか?」
そう言って魔方陣が目の前に出てきた。
「思ったんだけど、どうすればいいの?」
「精霊からの契約だとこの魔法陣に触れるだけで大丈夫だ」
ああ、簡単なんだね。
「それじゃあ」
ぼくはテルの腕をつかんで魔法陣に触れさせた。
そして、今にいたる。
「お前!なんでこいつと契約させたんだよ!」
「マークは強いでしょ?テルのことはぼくが守ってあげたいけどいつでも側に居られるとは限らないでしょ?ぼくが一緒に居られない時はマークが守ってあげてよ」
マークは完全に怒りで顔が歪んでしまってる。
「よろぉしく...」
「何でお前も受け入れてんだよ!」
「いいじゃん契約通りにぼくの魔力はあげてんだから」
契約の内容はマークが力を貸してくれる変わりに
ぼくの魔力を少し貰うって内容。
「もっと契約って複雑だと思った」
「契約の内容は条件をお互い言ってそれで
お互いに納得したら契約できる。そんなに固く考えなくても大丈夫だオレの前の主人も前と同じ
契約の内容だ」
テルは口を開いた。
「さみしぃい?...」
「まぁな、話してて面白いやつだったよ」
やっぱり...寂しいのかな?...。
「あの、騎士から聞いたけどお前、東西南北の
四つの大陸を支配してる天皇たちの血全てを
受け継いでんだろ?オレが入れば有利だぞ?」
「ぼくは王族にはなりたくはない」
ぼくは立ち上がった。
「テル、車椅子はちゃんと動く?油垂らしといた
から動きやすくなったよ」
テルはニッコリ笑った。
「ありぃがぁと...」
「よかった、ぼくちょっと用事があるからテルの
事をお願いね」
ぼくはマークにテルのことをお願いした。
「オレは子守り役じゃねぇぞ!」
「お・ね・が・い・ね!」
ぼくは笑いながら答えた。
マークもしぶしぶ頷いた。
ぼくはバンと一緒に居た。
ギギギギッ
ぼくは弓を引いた。
ピュン
ドスッ
「見事だもしかして教わったのか?」
「テルと一緒にたまたま仲良くなった年上の
男の子がいたんだけどねその子はもう引っ越して
ぼくたちの住んでた町には居ないけど。
親が狩で生活してたからその男の子も弓がうまかったの」
ぼくは少し弓を撫でた。
「弓と矢を錬金術で作る変わりに弓の使い方教えてって頼んだのそれで時々狩を手伝ったりして
覚えたんだ結構難しかったけど毛皮とか肉とか
魔物や動物の骨は錬金術に使えるから」
バンは呆気に取られてた。
「歳はいくつだ?」
「もうすぐ五歳だよ」
バンは手を頭に手を当てた。
「私の娘も見習ってほしいもんだよ」
「娘が居るの?」
バンも弓を持って隣に立った。
「ああ、私たちは戦いに身を置く家系なんだ」
ギギギギ
ピュンッ
ドスッ
バンは弓を射抜いたけど的が外れた。
「やはり弓は合わないな剣の方がしっくりくる」
「バンはもしかして親に言われたから騎士になったの?」
ぼくは好奇心で聞いてみた。
「自分の家がそういった家系だからってのもあるが王族の騎士団に入ったのは自分が決めたことだ。
私もこの国や城を守れる事に誇りを持ってる」
誇りかぁ...。
「ぼくはそんな派手なのはいいよテルとひっそりと暮らしたい」
「自分の生まれた家のために尽くすのが私とそういった家に生まれた者たちの役割なんだ」
厳しい世界なんだなぁ...。
「まぁ、明日出ていくよテルも良くなったしマークも着いてきてくれるし」
まぁ、これからはテルも生活しやすくなるだろうし。
「大変です」
そう思っていると兵士が後ろからやってきた。
「どうした?」
そうすると懐から手紙の様な物をバンに渡した。
「ん?これは...」
バンは手紙を読んでいる、何か変なことでも書いてるのかな?。
「まさか...あの錬金術士が...」
「どうしたの?」
バンは少し怖い顔をしていた。
「昔から怪しい人体実験を繰り返していた者がいて錬金術でいろんな罪の無い人たちを
犠牲にしてきた錬金術士がいたんだ...そいつは昔自分の研究の事故で亡くなったが
そいつが作った物が何か危険な物を残していたら被害にあう。
それを処分するためにその、錬金術士の研究所を探していたんだ」
そんな人が居たんだ。
「どうやら、ここその研究所がやっと見つかったらしいんだすぐに調査に出かける」
「ぼくも着いていっても良いかな?」
ぼくは聞いてみた。
「いや、何があるかわからない危ないからダメだ」
「でも、ぼくも錬金術の知識に詳しいからきっと役に立てるよ」
ぼくは引かなかった。
「ぼくは行くよ」
「まったく...どうしてこうなる...」
「いいじゃん誰も困ってないんだし」
なんとか無理を言ってぼくも一緒に研究所に向かった。
「私が困ってるんだ!今回は何か危険なものが無いか私一人で調査してから後で仲間を連れてきて調査するって話しを通したけど、今回限りだ!」
完全にバンは不機嫌になっている。
「だけど、何でそんなに研究所に?危ないかも知れないのに」
「知識を盗もうと思ってね」
将来、生きていくために学べる知識、努力して強くする肉体、できることを増やしていく。
「吸収できるものは何でもいい、将来の役にたてて見せるよ、それに...」
ぼくは石を拾った。
バンッ
「テルと出会う前はいじめられて、ばっかりだけど鍛えてアイツらをボコボコにしようと思って毎日鍛えてたから結構力は強いよ」
石を握りつぶして粉々にした。
「力が強いだけじゃケンカは強くなれないぞ」
「それなら、剣術教えてよ用心して弓は持ってきたけど」
学べることは学ぶ今度は剣術でも学ぼっかな。
「さぁ、到着だ」
そう思っているとやっと目的の場所にたどり着いた。
「ここがそうなの?」
「ああ、しかしこんなボロボロな家に研究所が...」
確かにこんな場所にあるなんて正直言われても信じられないかもね。
「でも、分かんないよもしかしたら地下室を改造してそこで研究してたのかもよ」
「ああ、そうだな、何があるか分からないからな」
シャアンッ
バンは剣を抜いた。
「油断は禁物だ前に別の錬金術士が怪しい研究をしていて乗り込んだらキメラが襲ってきたことがあった。これだけ朽ち果てていればそんな生物はいないと思うが...」
でも、確かに何があるかわかんないもんね。
シュウッ
カッ
ぼくは弓を構えた。
「とりあえず...私が先に入る...」
「お願い...」
ギィイイイイ
古びた扉をバンがゆっくりと開けた。
「どんな感じ?」
「今のところは気配は感じない」
ぼくとバンは警戒しながら中に入った。
そこは誰かが暮らしていた痕跡はあるけどもう長いこと使われてないからホコリまみれで
家具もボロボロになっている。
「研究所はどこだろう?」
「研究所はその錬金術士の住んでた家に研究所を隠してるって情報だったんだが」
ぼくはそこら辺にある汚れたビンを手に取った。
「何をするんだ?」
パリンッ
ぼくは床に力強くビンを叩きつけた。
キィイイイイイイイン
その音が響いてぼくの耳に入ってくる、そしてこの空間の内部が頭の中で少しだか見えてくる。
「おい!どうしたんだ?!尖ったビンはナイフと変わらないから危ないぞ!」
「さっきの音で把握したこの下に少し広い空間があるよ」
バンは呆気にとられていた。
「どうやって...」
「耳が良いのてか五感が何故か人より敏感なの」
さっきの音が反射してその空間を見つけた。
「すごいな、驚いたよ...」
バンがなんとなく本棚に手を置いた。
ガタンッ
すると少し揺れた。
「この本棚思いよな...しかもさっきの揺れかた...」
バンは剣を置いて本棚を倒そうとした。
「下がってろ」
「うん!」
ギィイイイイイイ
バタンッ
そこには地下室に通じる扉があった。
「ずっと掃除すらされてないから扉の木材の形が曲がったんだろう」
「ちょっと待ってこれ開く?」
少し金属の場所が錆び付いてる。
ガタンッガタンッ
試しにバンが開けようとしたけど開かない。
「カギが閉まって...いや開けたところで錆び付いてるから開くかどうか...」
「こうなったら...」
ぼくは風の魔宝石を取り出した。
「おい!まさか!」
ブォオオオオオオオ
バァアアアアアン
風魔法で扉を壊した。
「ゲホゲホ...少しは加減してくれ...」
「ゴメン...」
だけど、これで進めるようになった。
「とりあえず、中に入ろう」
「私が先に入るから後ろから離れないように」
バンが先に入ってぼくは後ろをついていった。
「絶対に怪しい研究してたよ」
古くなった本からフラスコや色んな研究資料の様なものが散乱してる。
「具体的にどんな研究をしていたのか少し調べてみよう...しかし何か爆弾でも作って失敗したのか?」
ぼくは何となく流し目で見ていた。
バンの言うとうり、爆発があったのかな?。
「あれ?これって...」
ぼくは床に落ちた写真を見つけた。
「これ...テルのおじいちゃんの若い頃!」
「なに!」
何故、テルのおじいちゃんが?。
「間違いないのか?」
「うん、テルのおじいちゃんは元々は弓兵だったんだけど昔の自分は捨てたって言ってたからあんまり自分の写真とかは持ってなかったけど...この頃が一番仕事をして
楽しかったって言いながら自分が弓兵だった頃の写真を見せてくるたよ!」
だけど、この横に立ってる人は誰だろ?。
「これって...猫族の男の人だよね...」
ぼくはその写真をずっと眺めていた...。
「あれ?...」
すると視界がなんだかぼやけて...。
バタンッ
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