第5話
サナ「まず、サナの1年間のデータについては、データをファイル転送ソフトを使って、ゲーム会社のサーバーから転送する事が可能だけど、サーバーにログインするパスワードが必要になるの。
まあ、恋愛ゲーム会社のセキュリティなんて鷹が知れているし、そんなマニアなデータを取り出そうという人間もそうそういないと思うので、セキュリティも甘いし、パスワード解読ソフトを使えば、さほど問題なくサナのデータを転送することは可能だと思う。
それから、そのデータを読み出すAIソフトだが、これも運用されている自分が言うのもなんか特別感がなくて寂しいんだけど、ソフトは市販している一般的なのを利用しているので、ソフトを購入して、PCのハードにソフトをインストールして1年間のデータを読み出せは保存できる。
そして、それをパソコンから3D投影装置に繋いで投影さえすれば、ゲーム会社を通さなくても、サナとレイとの環境は、今と同等程度に再現することは比較的簡単に可能だと思うの。
そして、ここからが大変。
まず、2番目のオプションサービスの原寸大フィギュア出力だけど、そもそも元となる二足歩行型ロボットのサイズが判明していない状況でフィギュアを出力してもサイズが違う訳だがら、順番としては逆で、二足歩行ロボットを入手する事がまず先決。
そのサイズを3Dスキャンした上でそのデータを元に3Dプリンターで出力する必要があると思うの。
ポイントはゲーム会社のフィギュア出力は利用しないという事。理由はサイズの相違はさっき言ったけど、フィギュアの素材では、動くボディに対応していないので利用できない。
だってフィギュアは動かないから、あのPVC素材な訳で、動いたら確実にすぐに切れたり破れたりするでしょ。ゲーム会社もフィギュアの素材までは指定出来ないからね。
だから、例えば、大型3Dプリンターを持っている出力会社へ素材を指定した上でデータを転送し、出力して郵送してもらえば楽だと思うの。
さすがに身体全てを一度に出力するのは大きさ的にも怪し過ぎるから、パーツ毎に複数回に分けて出力依頼すればいいと思う。
素材としては、形状記憶ポリマーなんかにすれば、摩擦、衝撃にも強いし、破損したとしても自己修復するから、身体内部の骨格や機器を水やその他の外的要因から守る事ができる。
また、出力した各パーツを繋ぐ時や故障した際の各パーツ交換する時なんかも自動修復するし、メンテナンス的にも楽だと思うの。
そしてもう一つの問題が、サナのソフトと連動できる二足歩行ロボットがあるのかどうかという事。
今、サーチした感じだと、サイズ感とか人間的な自然な動きとか日本で手に入る状況から考えると候補は1つしかない。
その1つは、今、話題の新進気鋭のロボット•クリエーターである、御厨 啓(みくりや けい)のロボット。
若干20歳ながら、大学の教授となっている秀才なんだけど、このロボットの特徴として、あらゆる種類のAIソフトを汎用的にロボットの身体と連動できる機能を持つのと、もう一つの最大の特徴は基本的に外部から充電を必要としない完全自律型ロボットであるということ。
詳細は秘匿されていて不明だけど、どうも重力を利用して電力を生み出しているらしく、もしこれが事実ならノーベル賞レベルの発明なんだけど、まだ、実用化されていない開発段階らいしいの。
基本的には量子コンピュータを頭脳として動きを制御しているようなので、サナのAIと連動出来ればかなり人間的な動きを再現できると思う。
でも、それをどうやって手に入れるかという事が問題ね。
くださいと言って、いいよ!なんて訳ないし、泥棒する訳にもいかない。
まして、売ってくれと言ったって、大学で開発するレベルのものだから売る訳はないし、仮に売るにしたって、貧乏なレイが払える金額な訳がないから、ここが最大の問題となるわね。」
レイ「貧乏なレイだけは余計だけれど、最大の問題は、やっぱり、人型ロボットの入手という事か。
そして、その御厨(みくりや)という人が、どうしたら譲ってくれるかだな。
恋愛ゲームのAIキャラクターをこの世界に生み出したいから、譲ってください!って訳にはやっぱりいかないよな〜!」
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