第14話

 悲報 書き手主、社会人一年目+教習という地獄日程により、更新が遅れております。何とか書ける時は進めますのでよろしくお願いします。


 更新がない時は、こんなことでも予想してみてください。

 麗羽には、一応参考にしたアニメ・マンガ・ゲーム内の女性キャラが居ます。(主最押しキャラです)

 と言っても、こんなにR-18的なことはしないので、あくまでも仕草と喋りの雰囲気だけを使わせていただいてます。


「このキャラかな?」ってわかった人は、ぜひコメ欄へ。分かる人にはすぐ分かりそう。


 長々と失礼しました。



 ※※※


「うーん……」


 その夜、悟はスマホの画面を見ながら唸っていた。

 連日、麗羽との件であわあわしている悟だが、しれっと瑠璃との会話も続いていた。


 ただ続いていると入っても、相手側が次々に話題提供をしてきて、それに対して当たり障りない返事をする、というものである。


 返事としては「そうですね」とかスタンプだけ返すみたいなことをこの数日だけでも結構やっている。


 如何にも会話を切るような返事で、悟も気が全く進まない。

 だが、どうしても征哉がこの件に噛んでいたり、どういう意図があって近づいてきたのかも確定していない状況。


 征哉には返信して、瑠璃には返していないとかしていたら、それがバレた時に面倒なことになる。


 つまり、最初から考えていたように「返事は程々にするが、素っ気無い」というスタンスで行っている。


「何かモテる女子に、覚悟を決めてアプローチしたのに『はい』とか『そうですね』しか返ってこないって嘆く話たまに聞くけど……。そのアプローチされた人もそうせざるを得ないというだけなのでは……?」


 当時その話を聞いた時は、「もうちょっと優しく出来んもんかね」とか思っていたが、どうにもならないことなのかも知れない。


 波風を起こさないためには、自分は不動で相手が動くのを止めるのを待つ。


 まさかこんな形で、そんなことに共感してしまうことになるとは思っていなかったが。


 ―そう言えば、初音さんに彼氏が居たって今はその話題で持ちきりだね


 当然ではあるが、他クラスと言っても瑠璃の耳にも今日の騒ぎは入ってきているようだ。


 ―そうですね、昼休みにそれがありましたけど大騒ぎでしたね。


 その返事に対しても、当たり障りないのない返事をしていくが……。


 ―あいつから聞いたけど、高嶋君って初音さんのことが好きだったの……?


「征哉め……。一人で勝手に暴走して、部活の時間のときにでも言ったんだな」


 あいつというのは当然征哉のことで、「好きだった初音さんに彼氏が居て思った以上にショックを受けてる」的な情報を渡したのだろう。


 この事によって、また面倒な選択を迫られることになってしまった。


「好きだということで話をするのか、あくまでも違うというのか……」


 征哉が先に勝手な解釈をしているだけなので、まだここで彼女に違うと言おうと思えば言える。


 どちらにするにしても、自分のこの発言次第で麗羽に対してどう思っているか認知されることになる。


 瑠璃は学年の中でも相当な影響力があるので、もし話題にされれば一気に周りに知られる可能性が高くなる。


「この話したら、絶対に麗羽は『好きと言いなさい』って言うんだろうな……」


 ただでさえ、今の関係性を公開したい麗羽からすれば、周りには詳細が分からなくても、「自分が愛しの彼氏から好かれているという事実だけでも知らしめたい」と言い張ってくるに違いない。


 どうするかの判断は悟がするわけだが、どうも「麗羽ならこう言うんだろうな」ということを想像してしまう。


 ―ごめん、聞かないほうが良かった……?


「あ、まずい」


 色々と頭の中で考えている間、メッセージ欄を開きっぱなしにしていたことで既読を付けたまま、既に数分が経過していた。


 悟は既読を付けた時にすぐに返すタイプなので、瑠璃としては違和感を感じたようだ。


「え? これで否定しても説得力無くね?」


 この無駄な間を開けてしまったせいで、情緒を取り乱していると取られても致し方ない。

 ここで何かしらの理由をつけて違うと言ったところで、悟は大して納得されないような気がしていた。


「……麗羽のことを考えてて、麗羽の望み通りになるのかこれは」


「麗羽のことを考えて」と言っても、「彼女の望む形にしたい!」なんて微塵も考えていない。

 それよりも、何かここ最近の体と心を甘やかされたことによってうまくここまで流されたような感覚になった。


「いや、流石にここまで俺が何してるかは把握してるわけじゃないんだがな……」


 と色々とまた考え込んでしまいそうだが、これ以上既読を付けたままにするわけにもいかない。


 このままフェードアウトすると、明日の征哉の反応が確実に面倒臭くなる。


「しゃーないか……」


 悟は覚悟を決めて、文字を打つ。


 ―そうですね。好きだったんですよ。


 付き合っている彼女のことについて、「好きだった」という過去形を使って話をする異常な違和感。


 おそらく、こんな異様な体験をしているのは悟以外に居ないと言っても過言ではないだろう。


 ―そっか、じゃあちょっと傷心気味かな……?

 ―いや、居るんだろうなとは思っていたので、そこまでではないですけど


 麗羽へ付けたキースマーク。

 そして、突如として始まったこの瑠璃とのやり取り。

 そしてこの返答で、また校内での麗羽と関わりの形が変わるかもしれない。


 少なくともこれまでよりも話は拗れて、麗羽にとってはお望みの展開に近づいたと言っても過言ではなさそうだ。


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