第4話 嫁入り先を決めました

 っていうか夢に出てきたのはやっぱエディンガー家だよね。


 あの夢の中の彼は誰なんだろう?

 そしてなぜ私は処刑されるのだろう?

 分からないことだらけだけど。


 私は夢の中の出来事に思いを馳せる。エディンガー家の騎士様が現れた夢は、私にとって複雑な感情を呼び起こすものだった。


 夢の中で見た彼の顔はとても悲しげだったということ。

 夢の中で彼は泣いてくれた。


 その悲しげな表情と涙を流す姿が、私の心に深い感動を与えた。夢の中の彼は、何か大切なことを伝えようとしているように感じられる。


(彼が泣いていた理由は一体なんなのでしょう?)


 私は夢の中の彼との繋がりに興味を持ちながら彼が伝えようとしているメッセージに思いを馳せる。


(もしかして、彼の悲しみと私の過去には何らかの関連があるのでしょうか?)


 ならば私が行くべき先はエディンガー家なのではないだろうか。まずは処刑された未来をここから変えていかなければ。


 夢だったとしても現実に起こるかもしれない事態、そう、処刑されるのは嫌だ。


 心の中で決意が固まり、私は自分の選択を実行に移すことに決めた。


「お父さま、私はエディンガー家への嫁入を志願します」

 お父さまは驚いた表情を見せるが、すぐにその表情は優しい笑顔に変わる。


「ネーテア、よく考えるんだよ、本当にいいのかい?」

「ええ、もちろんですわ、お父様。もちろん、ルシャンドル家も名門なのでしょうけれど、私はエディンガー家に嫁ぎますわ」

 お父さまはエディンガー家の思惑を思いあぐねて悩んでいたようだけど、最終的には折れてくれて渋々承諾してくれた。


 お父さま曰く、私が自分から言い出すなんて初めてのことだったらしい。

 それもそのはず、今までは興味がないからと勉強もせず、ただただ日々を過ごしていたのだから。


 前世で私を処刑するエディンガー家へ向かうことが選択として正しかったのかどうかはわからないけれど、できれば処刑される未来は回避したいし、そしてなにより夢に見た騎士さんがなぜ泣いていたのかを知りたいと思う。


 私は決意を固め、自らの過去と向き合うためにエディンガー家への嫁ぎ先を選んだ。過去の私との繋がりを解明し、騎士さんの悲しみの真相を知りたいという思いが強くなっていた。


 そして私がエディンガー家に向かうことで、もしかしたら反乱の真実が明らかになるのかもしれないし、何より私の処刑が回避されるかもしれない。



 それから三年後、私はエディンガー家への嫁入りを果たすことになる。

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