面食い女子、思いを伝える。
あの日の白雪くんはどんな気持ちだったんだろう。
“一目惚れです。彼女になってください。”
一か八かの状況と今の私では全然違うというのに、緊張してしまう。
白雪くんはなかなか話せなくても急かすような人ではい。しかし、ゴンドラはもうすぐ上に着く。
……上手く話せなくたっていいよね。
「白雪くんと過ごせたこの1ヶ月はとても楽しかったです。知らない世界をいっぱい経験したと思う」
こんな風に男の子と出掛けることも、彼のお家に行くことも、航平さんみたいな大人と知り合うことも、今でも現実離れした出来事のように思う。
「これからも白雪くんと新しい経験をしていけたら楽しいだろうなと思っているよ」
手を繋いでいない方でネックレスを撫でる。切れ長の目が一挙一動を逃さないとばかりに見てくるから、恥ずかしさに反らしてしまいそうになるのを堪える。
そっと一度息を吐いて……
「白雪くんのことが好きです」
ぼそっと小さな声になってしまった。
でも、心配しなくてもちゃんと届いたみたいだ。真剣に聞いていた彼は花が綻ぶように笑った。
「ありがとう。大好きだよ」
抱き寄せられた私は目を閉じる。ちょうど頂上だ。
「もっともっと、りっちゃんを大事にするから。ずっと一緒にいてね」
唇が触れ合ったのが分かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます