#15



ソレにおっぱいと呼べる物は存在していない。


実際の所スポブラすら付けていない。普通のシャツのみであることからして、どれだけ動こうとも”たゆん”は勿論のこと”ぷにょん”とも”ふにゃん”すらしない。


『無』である。まったくの『無』であると言って間違いない。


暴れない、弾まない、揺れない、動きすらしない。


凡そ、それはそれとしての楽しみと呼べるモノがまったく無いのだ。だからして、触ったところで何も楽しいことなど無い。なんだったら、ふくよかな方の下っ腹を触った方がまだ楽しそうだ。


無価値。価値と呼べる価値を見いだせない。道端の砂粒ぐらいにはどうでもいい代物で、なんだったら付加価値を考えるとマイナスまである。引き取る際に金銭を要求したい。



が、しかし。



仮にも男子中学生。思春期真っ盛り。性欲が盛りに盛っている。覚えたてのアレコレに夢中になって馬鹿になってしまう時期。


”にょたい”に関して興味が絶えないお年頃。


だから仕方ないことだ。


これは仕方の無い事なんだ。だって俺、思春期だもの。


で、結局、何が言いたいかと言うと。


生で見たピンク色の2つのぽっちが脳裏に焼き付いて離れないのである。あとワレメ。


アホガキには似合わぬ可愛らしい色をしていた。


女性特有の色気はまったく無いソレではあるが、なんかちょっと、とんがってて、俺のそれとは全く別物なんだなって思った。


それを意識したら妙な感覚に陥いった。


アレがソレでアレ。ソレはアレでアレ。


そういうことなんだよ(?)


画像とか漫画とか動画で見た。


アレを揉んだり捏ねたり舐めたりするんだよな?


なるほどな。


揉むのは難しそうではあるけれど。捏ねたりもちょっと難しそうではあるけれど。


舐めたりは出来るよなぁ……。



…………。



あとワレメ。


生でバッチリ見てしまった。これもまた脳裏に焼き付いている。


ツルツルだった。


何故かは分からないが、下腹のあたりがぐーっとなる。


コレも弄ったり舐めたりするんだよな。


そして、入れたり出したりするんだよな。


なるほどなぁ……。



…………。



思春期男子中学生。そういうことに興味が無いわけが無い。むしろ興味津々というか、興味が全振りまであるわけで。


手頃に手を伸ばせば届く位置にある”にょたい”


いやしかしその にょたい はカズなのだ。バカでアホでちんちくりんのクソガキなのだ。


しかし”にょたい”である事も変わらぬ事実。



俺の部屋。


暖房の設定を勝手にガン上げされて室内は暖かいを通り越して、むしろ暑い。


着てきた防寒着を脱ぎ捨て、Tシャツとハーフパンツ姿になったアホガキは遊び疲れたのか俺のベットを占領して眠りこけている。


口を開け、ヨダレを垂らして、腹を出して寝ている。まったくの無防備。無警戒。



腹、ヘソ。丸見え。



シャツを少し上にズラせば見えそう。


恐らく下着は何も付けてはいないだろう。


アホは1度寝たら、なかなか起きない。



魔が差した。



シャツの裾を摘んで持ち上げる。その中を覗き込んだ。見えた。


1秒、2秒、3秒……。


一旦、シャツを戻して距離をとる。


起きる気配は全くない。


心臓の鼓動が早い。部屋が暑いからか汗をかいてる。



再びシャツを摘んで、今度は上にズラした。丸見えになった。


呼吸が荒くなる。だからこの部屋暑いんだって。


まだ起きる気配は無い。


先端に人差し指で触れた。びっ、と。こりっと柔らかい。反応は無い。ぐにりぐにりと押してみる。反応は無い。親指を追加して摘む。反応は無い。指と指を擦り合わせるようにして先端を弄る。反応は無い。1度、指を離す。




舐めた。




「…………んっ」



飛び退いて、テーブルの上に置いてあった漫画雑誌をダイビングキャッチし、そのまま床にうつ伏せになりながら漫画雑誌を開いた。物音は立てていない。よくやった俺。



「…………」


「んん……」



そっと状態を起こしてベットの上を確認する。仰向けだったのが、うつ伏せになっていた。寝返りをうっただけのようだ。見えるのは、はだけた背中。



もう見えない。



まだ寝ているのを確認して俺はスマホ持ってトイレに向かった。

















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