13答えは絡む・・・話
この世界の真実まではわからない。
ただ、どうしなければいけないのかはわかった。
あの女性は人魚を救って、お礼に、不老あるいは不死身の力をもらった。
その能力は、自分の血を死人に与えるとその人を生き返えらせる力だ。
それで何度も人々を救ってきた。
ただ、それは、どうやらいけないことらしい。
怒った人魚、つまり魔女にその命を狙われている。
ただ、疑問はある。
なんで若い女性を殺しているのか?どうして魔女は老若男女を殺しまくっているのか?
どうして僕も殺しにくるのか?
僕の、いや、俺の記憶にある人魚姫の物語とは全く違う。
だから、展開が読めない。
とりあえず、女性を追うしかない。
街中を走り回ったが、全く見つからない。
どこだ?どこにいるんだ?
?
?????????????????
どうしてあの女性は僕の許嫁を見て、「殺人鬼」と言ったんだ?
どうして?なぜ?
『過去の記憶』
過去の記憶?
僕の記憶はさっき思い出した。
あの女性に溺れたところを救われた記憶・・・
俺の人魚姫物語の記憶に酷似している。
つまり、あの女性も人魚だというのか!
でも、許嫁とどういう関係が・・・
人魚がもし身近にいるとしたら?
もし、許嫁があの魔女だとしたら?
完璧ではないが、辻褄が合う。
なにせ、許嫁が来てから殺人事件が起きてるし、夜ならば城を抜け出すことも可能だ。
ただ、奇妙な点が2つ残る。
なぜ僕を殺さないのか?
誰があの女性を刺したのか?
1つ目は分からないが、2つ目は仮説がつく。
人魚の仲間がいて、誰かが彼女を刺したのだろう。
!考察してる暇は無い。
どこにいるんだ?
許嫁がいて、女性もいた・・・ところって、まさか!
すぐに王城へと向かった。
王城の中を探し回るが見つからない。
「最後の候補は・・・。」
古びた塔を思い浮かべる。
城から、細い城壁を辿っていかないと行きつかない古くからある小さな塔。
きっとそこに行けば!
すぐにその塔へと続く、城の入口に向かう。
入り口手前。
誰かが足を震わせ座っていた。
僕に気づいたのか、城壁の方を指差す。
「は、母・・上が・・・」
怯えた顔を俺に向けて言うのは許嫁だった。
指さした方を見ると、あの女性と知らない人がもみ合っている。
「早く死になさい!!!!!」
「いや!あんたは海に、地獄に帰れーーーーーー!!!!!!」
そう叫び、女性はもう一人にナイフを突き立てた。
「お母ああああさあああああああんーーーーー!!!!!!」
許嫁が叫ぶ。
え!刺された相手が許嫁の母上だと・・。
「な・・ぜ・・わた・・し・・が・・。」
許嫁の母上はそう言い、息絶えた。
何が起こったかわからない。
どうして?
答えは?
返り血の血しぶきを浴び、綺麗になった女性は俺たちの方に向き直り、こう言った。
「私を殺して・・・。」
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