第2話 金曜日の朝(2)
「俺も
とシュウ君。再び、私へと
(ええ子や……)
頭を
正直、最初は男子高校生など、
いや、私としても――それほど男性に対し――経験があるワケではない。
ただの思い込みで、恥ずかしい勘違いをしている可能性も十分にあった。
(単純に私のようなオバサンには興味がないだけかも……)
しかし、シュウ君は高校生の割に落ち着いている。
そのため『私の方が子供っぽい』と思えるような時が多々あった。
妹がいる
一緒に過ごしていると、たまにカッコ良く見える時があるので、もしかすると
(相手は未成年だし、通報されないように気を付けなくては……)
女性教師が未成年の生徒と
日本では聞かないニュースだが、全国に名前が
私はお店のドアに『CLOSED』の札を掛ける。
開店は十一時からだ。基本は私一人のため、十五時までの営業となる。
よって、学校のある金曜日、シュウ君は手伝えない。
それでも、頼みもしていないのに朝だけ来て、手伝ってくれる。
(まあ、お金はないけどね……)
「じゃあ、俺、学校に行きますけど……」
それから、自転車に
シュウ君は――
(ちょっと、犬っぽい……)
ワシャワシャしたいかも?――そんなことを思いつつ、私は彼の顔に手を伸ばす。
そして、優しく彼の前髪を
頭から血を流して倒れていた――あの時の傷は、もうすっかり治っているようだ。
「うん、大丈夫ね♪」
と私は
「いつの
心配し過ぎですよ――
「学校、行きますね」
と言って、ペダルを
私は「行ってらっしゃ~い♪」と彼を見送った後――
(男子高校生って、こんなに可愛い生き物だっただろうか?)
などと考えつつ、自分の胸の上に手を置く。
少なくとも、私の学生時代には、シュウ君のような男子は周りに存在しなかった。
今になって、急にドキドキしてくる。
気になったとはいえ、
私はお店の前まで戻り、
「う~ん」
と悩みながら、
いつでも連絡ください――という事は『お店以外の事でも大丈夫』という事だろうか?
あの様子なら、連絡すると学校をサボって、お店へ来てくれそうだ。
(一度、
私は無意識の内にスマホを取り出していた自分に
「いやいや、アカンやろ……」
さあ、開店の準備、準備♪――と
年下の男の子に優しくされただけで、気分が良くなる私は、自分が思っていたよりも単純な人間のようだ。
ただ、このお店を始める
単純な私は、シュウ君との出会いに少しだけ、運命を感じていた。
❀ 続く ❀
✿ 次回の投稿は明後日7/12(水)の予定です。
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