「ただいま」


 彼が帰ってきた。うれしい。


「見つからないね。やっぱ人気商品は」


 かなり奥地のコンビニまで行ってきたらしい。わたしを置いていくな。ひとりにするな。


「ミントグリーン?」


「うん」


 さっきまでいなかったあなたの代替品だとは、言えない。はずかしい。


「ミントグリーンはもう終わりました。次の時代はチョコミントですよ」


 またよく分からないものに、はまったらしい。

 彼がわたしではなくミントに夢中なのが、多少、腹立たしかった。わたしの恋心を返せ。チョコミントもよこせ。わたしはチョコミントも好きだ。

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