第3話
昔友達からもらったミステリー小説を読んでみたの。
最後のオチは分からなかったけど描写が面白かったわ。
彼が死んでから色々なジャンルに手を出すようになったけど、
推理小説なんてもう懲り懲りよ、
ところでわたしはいつ報われるのかしら?
彼の両親わたしが知らないうちに離婚していたらしい、
彼の母親捕まったらしいわ。
"ネグレクト"ですって。
なんで、わたし彼が暴力を受けていたのを
黙っていたのかしら、
言わないことが優しさだと思っていたの。
誰も言わないから、それが控えめな優しさだと思っていたの。
彼も言わないから、母親に対して、
辛抱強い愛情があったのかしら、?
ミステリー小説でさえ分からないわたしには
彼の心情なんてわからないわ。
あなたに振り向いてもらう計画がぱぁよ、
どうしてくれるの?
彼に責任を取って付き合ってほしいぐらいだわ。
こんなに、ぜったい彼とはもう付き合えないとわかっていてもこんなに期待してしまっている自分がいるわ。
彼が生きているはずがないのに。
今私は小説を書いているわ。
小説の名前は「金魚草」っていうの。
いい名前でしょ?
私気づいたの、報われない恋愛があってもいいって。
やっとヒロインになれた気がするわ。
けれど、いつ彼に逢ってもいいように
自分磨きは怠っていないわ。
彼に逢って、こんどこそ振り向いてもらうまで私は頑張るわ。
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