第2話

最近わたし推理小説にはまっているの。

え?、前の話の続き?


えぇと、前回どこまで話したかしら、

ああそうだわ、わたしが傷だらけの彼に

告白して振られたところまでだったわね。

それじゃあ話の続きを、


結論を言うと彼は死んだわ。

わたしが気持ちを伝える前に、

"溺死"だそうよ。自ら望んで。

争った形跡はなくて、遺体は彼の家の池にあって、青い紫陽花と金魚に囲まれて

穏やかな表情で、とても遺体の状態は綺麗で、

彼の耳元には椿の柄の風鈴が置いてあったそうよ。

風鈴に意味はあるのかしらね、

まあわたしが考えてもしょうがないのだけれど。



家庭事情は知らないしいじめられているなんて聞いたこともないけれど

彼、きっと暴力を受けていたのだと思うわ。

だってあの告白をしたクソ暑い日でさえ

学ランで,ボタンの1番上まで閉めていたもの


わたし1回彼の裸を見たことがあるの。

もちろんやましい意味じゃないわ。

保健室で包帯を取り替えている彼を見てしまったの。

何故でしょうね、見てはいけないとはわかっているのに見てしまうのは。

恋は盲目というやつかしら?

彼、火傷の傷と痣が沢山あったわ。

けれど不思議と気持ち悪いとは思わなかった

わたしは自分が思っているより彼に魅了されていたのかもしれないわね、





まあ今はそんな魅了されていた彼はいないのだけれど、

事実確認もできないわ。

推理小説の探偵にも、犯人にもなれないなんて、

どれだけ彼、わたしの気持ちを踏みにじれば気がすむのかしら?


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