浮気した母に引き取られたおとこのこの話
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第1話
わたしは恋愛小説が好きだ。
だって絶対にヒロインも当て馬もなんらかのカタチで報われる。
恋は必ずとは言わないけど頑張れば報われると思っていた。
わたしはずっと好きな人がいて、彼に振り向いて欲しかったの。
少し危なっかしくて、わたしが触れたら壊れてしまいそうな笑みを向けてくる彼に、
わたしの目だけを見て笑って欲しくって、
でもライバルは多くって、それでもめげずに頑張ったわ。
苦手な勉強も運動も、自分磨きも彼に釣り合う女になるために頑張ったの
中2の夏、わたしは彼に告白したわ。
傷だらけの彼に、
勇気を振り絞って、彼に、こくはくしたの
そしたらね、なんてかえってきたと思う?
彼ね困惑した一切悪気のなさそうな顔で
こういったの、
「君は僕なんかでいいの?君には僕なんかじゃなく、もっと素敵な人がいるはずだよ」
ですって。怒るに怒れないじゃない。
わたしは、あなたに振り向いて欲しくて、
だから頑張ったのに、
けれどわたしは諦めなかったわ。
そんなことで挫けるわたしじゃない。
また今度、告白すればいいと、
そしたらあなたの素敵さを伝えるわ。
あなたしかいないって、
まるでいつかみた恋愛小説のヒロインね。
努力はいつか必ず報われるわ。
けれど、わたしは恋愛小説のヒロインにも、
当て馬にもならないらしい
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