浮気した母に引き取られたおとこのこの話

1025🔬

第1話

わたしは恋愛小説が好きだ。

だって絶対にヒロインも当て馬もなんらかのカタチで報われる。




恋は必ずとは言わないけど頑張れば報われると思っていた。

わたしはずっと好きな人がいて、彼に振り向いて欲しかったの。

少し危なっかしくて、わたしが触れたら壊れてしまいそうな笑みを向けてくる彼に、

わたしの目だけを見て笑って欲しくって、

でもライバルは多くって、それでもめげずに頑張ったわ。

苦手な勉強も運動も、自分磨きも彼に釣り合う女になるために頑張ったの


中2の夏、わたしは彼に告白したわ。

傷だらけの彼に、

勇気を振り絞って、彼に、こくはくしたの

そしたらね、なんてかえってきたと思う?

彼ね困惑した一切悪気のなさそうな顔で

こういったの、

「君は僕なんかでいいの?君には僕なんかじゃなく、もっと素敵な人がいるはずだよ」

ですって。怒るに怒れないじゃない。

わたしは、あなたに振り向いて欲しくて、

だから頑張ったのに、


けれどわたしは諦めなかったわ。

そんなことで挫けるわたしじゃない。

また今度、告白すればいいと、

そしたらあなたの素敵さを伝えるわ。

あなたしかいないって、

まるでいつかみた恋愛小説のヒロインね。

努力はいつか必ず報われるわ。




けれど、わたしは恋愛小説のヒロインにも、

当て馬にもならないらしい

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