第7話

おかあさんは、もうだめだ。なにをしていなくてもはく。なにもたべてないからなにもでない。

ふくろうは、しんぱいだった。

おとうさんは、医者をよぶことにした。けっきょく、しんさつして、車ではこんで、てんてきをうった。ふしぎとやせてはなかった。そんなかんじの日々が、二週間つづいて、ふくろうもじゅんちょうにテストで百点と小テストで百点取っているうちに。

おかあさんが、ばくはつした。

卵かけご飯!

さけんだ!

おとうさんが驚いていた。とりあえず卵かけご飯を用意したら、ぜんぶ!もっと!

と、もっとたべたいと言い出した。

おとうさんはさしていそがずに、納豆とごはんをわたしてそのあいだに、じゃがいもを手にとって、よけてから今度はだいどころのしゅうのうのレトルト食品を探り出した。でも、チンジャオロースの素とかハッポウサイの素とか。タレしかない。しかたないので、冷凍庫に凍らしてあるシャケをレンジでチンしてからフライパンで焼きはじめたけど、おかあさんはとまらない。おとうさんが放っておいたジャガイモを、新じゃがなので、そのままゆでて、さいばしでブスブス何度もさしながらやわらかくなったかかくにんし、ゆでおわったらなんと、あんなに考えたくない、思い出したくないと言っていたとろりとしたマヨネーズをバンバンかけだした。味変でバターも。バターもみて、はいてたのに。

あらしだ。ひとはたべないあいだ、とにかくたべたくないけれど、とおりすぎればすべてがたべたくなるんだ。

ふくろうも焼き肉のときに経験している。

お腹が苦しいほどたべても、つぎのひのあさには、きのうのよる、もっとやきにくたべればよかった、とこうかいしている。

あれから、白い梟には会いっぱなしだった。

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