第2話  ぬれ落ち葉

短いCPОから覗く白い足はここから離れがたい様に彷徨っていた。

 堪らなく寂しい・・・。小さくなって行く直美をじっと観ていた一縷。

アゲンストの風に乗って直美の涙や寂しさがザクザクと一縷に突き刺さる。

 これでもか!と言うくらいに容赦無かった。

今更気付いても、「遅いか・・・。」トレパンのポケットに両手を突っ込み肩をすぼめて踵を返した。眼を瞑っていた

 僕の心のナオを断ち切らなければ・・・。今でも繋がっている感覚はあった。

 トボトボと歩く。

 空は青く快晴ダケド、胸中は放射冷却だった。

 直美からのフェーン現象が冷気になって吹き曝し凍えそうな心の襞に直美の陰がチラつき、反省点を打ち消していた。

 銀杏並木のいちょう葉が足底に絡まり、今まで聴こえなかった直美の愚痴の様に一枚一枚、寂しいと言っては剥がれて圧着し、悲しいと言っては剥がれて圧着していた。

 丸まった背中が寒かった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る