獣人の楽園(4)
倉庫群を吹き抜ける冷たい風と共に謎のエッセンゼーレから強者たる風格が流れ込む。
華やかな飾りが付いた帽子とフリルが重なる重厚なドレスで彩色された高貴な貴婦人と同じ様相を全て薄い黒が奥に混じった深蒼の石のみで再現された巨大エッセンゼーレは大企業、UNdeadの情報収集力を以てしても一切の情報が記載されていなかった。
名前すらも分からない未知数の敵は扇を振り回すと浅瀬の至る所に小さな泡を生み出す。
沸騰した様に分裂し激しく浮き上がる泡の中から大量に現れたのはスピニング・メデューズ。
道中で急襲された時を思い出しながら目の前の奴と見比べてみると触手に迸らせる電気の勢いが明らかに違う。ひょっとしてあいつが変な原理を使って強化してる?
「余計な手出しはするなよ人間」
鉈と同じ刀身を持つ自分の背丈以上の大剣を引き抜いた碧櫓さんが片手だけで構え、捉えきれない軌道を描き終えると瞬間的に耐久性も伸びてるはずのスピニング・メデューズは一匹残らず細切れになり霧散する影も小さな塊になる。
私達の助けを借りる程やわな実力では無い事、この身が四臣に属する理由を、彼は行動のみで示した。
「統主を。仲間を。そして栄遠の銀峰に住まう宝を護る盾の矜持を賭け、私は
これは我々、四臣に課せられた難題。四臣の先頭を預かる身として背負った重責だ。誰の助けも借りる事は出来ない」
市民を脅かす敵を見据える揺るぎない眼差し、栄遠の銀峰に関わる全ての平穏と責任がのしかかった碧櫓さんの聳え立つ岩壁の様な巨大な背中に背負った覚悟は強がってなどいない。
自分の心を押し殺して当然だと思い込ませている常軌を逸した精神の強さである。
「人間。ここまで辿り着いた実力を持つ貴様がUNdeadに所属する身分なのは疑いようの無い事実だ。
だが苛烈が増す戦場に無関係の者を巻き込む事は出来ん。二度目の命日を迎える前に疾く去ることだ」
他者に向けるべきでは無い冷淡な物言いだけど彼なりの気遣いである事はちゃんと伝わる。
そう言われて素直に引き下がる私では無いが。
「そうはいきません。瀬戸際に遭遇して見過ごせる程、UNdeadは薄情ではありませんから」
「・・・・・・ならば勝手に延命に励んでいろ」
碧櫓さんは果敢に猛進する。
石のエッセンゼーレが飛ばした鋭利な宝石を防ぎ跳ね返す力を蓄えた櫓の如き筋骨な肉体。
一振で巨大な山を粉砕する大蛇のしなる大槌の如き豪胆な剣技をぶつけるその姿は宣誓した永遠の守護を果たす為にあらゆる困難を受け止め真っ向から打ち破る巨大な盾その物。
"碧櫓が存在する限り栄遠の銀峰に災厄無し" 。
偉大な神を信奉する様に寄せられた国民からの期待に答え続ける為に誰よりも自分を律し、厳しく肉体を痛め続けていた碧櫓さんの一撃は青玉の装甲を破壊する筈だった。
『むっ?』
「・・・・・・やはり、通用していませんね」
斬撃の渦中にいた石のエッセンゼーレのドレスには擦り傷すら付いていなかった。
真正面からダンプカーが突っ込んだ様な衝撃を受けても尚、未だに光沢を瞬かせ優雅な動きを崩さない石のエッセンゼーレはまさに衰退を知らない美しき要塞都市である。
信じられない事態を目の当たりにし私は "形骸の異質な外殻に手を焼いていた" と驚愕する兵士の報告を思い出した。
兵士達が持っていた量産型の武器と統一された戦術だけでなく碧櫓さんの重圧の一撃ですら簡単に弾くなんて。
こいつは相当厄介な部類の敵だな。
『先程の一撃には目立った不手際も心情の迷いも無かった。だと言うのにエッセンゼーレの身体にダメージが発生していないのだ?』
攻撃が通じない理由。
私はエッセンゼーレを構成する煌めく石、人以外の動物では触れる機会も関心も無い物体を見ておおよその検討が付いていた。
「あいつが身に纏ってるのは普通の石じゃない。恐らく宝石のサファイアだよ」
昔見たウェブサイトによるとサファイアはコランダムに属する宝石でダイアモンドの次に硬度が高い。なので簡単に傷が付きにくい。
あいつの異様な防御力はサファイアが元々持つ硬さが礎になってるんだろうけど持ち主が "この宝石は無敵だー。ずっと壊れる事は無い" 的な信頼をもし抱いてたなら死人の心持ちが直接影響されるエクソスバレーの特性により上乗せされその強度が現実のダイアモンドをも凌駕するレベルに上昇している可能性はある。
それならば如何なる武器も遮断する事象にも納得がいく。
『なんと・・・・・・ それでは我々が使える手立てが無いではないか』
「そう焦らないでよ。いい? 宝石を管理する上で共通して忌避しないといけないのは衝撃なの。
一番硬いと言われてるダイアモンドだってハンマーで叩けば壊れちゃうんだからサファイアにも通用するはずだよ。どうにか一点の衝撃を与えられる手段があればこっちにだって勝機はあるよ」
とは言っても私達が持ってる武器は全員、剣と刀で宝石の表面を僅かに剥がす斬撃を付与するだけの物ばかり。周りに使えそうな道具も設備も無さそうだし・・・・・・
石のエッセンゼーレ(これで呼び続ける訳にもいかないし仮名として以後 "サファイアクイーン" と呼称)が空席を埋めるように扇を扇いで再びスピニング・メデューズを召集した。
具現化されてすぐに電流と不規則な回転と共に迫るクラゲ共に私はすぐさま剣を振り抜く。
碧櫓さんも同様に大剣で攻撃を緩和させ細い反撃の機会を掴むと敵を粉砕する。
「
白波さんの傍に佇んでいた物言わぬ霊魂は彼女の呼びかけ一つで浮遊を開始し、スピニング・メデューズ達の周囲を飛び回る。
色濃く引かれた水色鉛筆みたいな軌道はまるで地図に描いた目的地までの道程の様で一仕事を終えた美恵が白波さんの刀に宿ると彼女の黒い鞘に隠された鈍い銀色の刀身が一瞬だけ全貌を見せる。
目にも止まらない速さで美恵が引いた道標を最後まで辿り、ゆっくり鞘に収めると滑らせた軌道から鋭い斬撃と大量の水飛沫が発生しスピニング・メデューズ達は現状も把握出来ぬまま零れ落ちて行く自分の義体を眺めながら影に還るしか出来なかった。
しかし自分の部下が蹂躙されていると言うのにサファイアクイーンの余裕綽々の態度は健在していた。
私達の必死の抵抗もサファイアクイーンにとっては呼んでもいないのに舞踏会に乗り込んだ意地汚い市民が醜く踊っている滑稽な様としか見ていないのだろう。
本来ならすぐに対処される筈なのに敢えてそうしないのはこいつにとって一時的な退屈しのぎになってるからでその証拠に山積みの飲料箱を椅子替わりにしているサファイアクイーンは凹凸の無い顔に傲慢な表情を宿して悦楽に浸っている。
「自分に危害が及んでいないからと傍観しおって。腹立たしい・・・・・・」
碧櫓さんがサファイアクイーンへ恨みがましい苛立ちを残す。
サファイアクイーンに致命傷を刻めないのも問題なのだが、まず対処しなければならないのは無尽蔵に湧き出るスピニング・メデューズだ。
間欠泉から湧き出る熱湯の様に絶え間なく出現する群衆に歯止めをかけないとサファイアクイーンに接近する事もままならない。
うーん、使えそうな物使えそうな物・・・・・・
唸りながら上下左右。余すことなく注意を払っていると疲労が溜まっていた碧櫓さんが仕損じたスピニング・メデューズの一体が私の頭上にぶつかり冷たい水の上に尻餅をついてしまう。
これが必然か偶然なのかは分からない。けど視線が一段と低くなった事で逆転に繋がりそうな一手を見つけた。
材質も重量も申し分なく高所から落ちればどんな石も無事では済まない破壊力を生みサファイアクイーンの装甲を貫けるとっておきの武器が不安定にぶら下がっているのを。
『おい、大丈夫か?
まだ敵が襲ってくるぞ。早く体勢を立て直せ』
ウィンドノートの心配で惚けた状態から戻った私は前線で戦い続ける二人に向かい慌てて叫んだ。
「皆さん、一度退きましょう!!」
「な、何故ですか?」
「貴様、自分が言った意味を理解しているのか? 戦士である私達が敵前逃亡など恥辱を被るだけでは無いか」
まぁ、反応は当然芳しくない。
敵を前にして背中を向けるなど四臣という上級の役職に就く二人にとっては情けなさ過ぎる事だもんね。
でも矜持を気にしてがむしゃらに対峙し無為な膠着を保つくらいならば戦場を離れ冷静に思考出来る環境まで逃げた方が確実な勝利を得る事が出来る。
「このまま戦っても本体に辿り着く前に消耗するだけです。そんな状態であの形骸を打倒し平穏が戻ると思いますか?
例え遠回りの道を歩む事になってもいつもと違うやり方でしか解決出来ないとしてもそれで|栄遠の
栄遠の銀峰から脅威を排除する。
私は偽りの無い情熱を見せ本来の目的を実現させる為だと真剣にアプローチする。
UNdeadとして引き受けた統主からの依頼、私達が尤も望む結果を手繰り寄せる為ならば依頼人の意向にそぐわない強引な提案も多少は通さないと。
だって依頼人以上に事態の収束を願ってるんだから。
真摯な想いが通じ最初に必死の説得に応じてくれたのは物静かに刀をしまう白波さんだった。
「碧櫓様。
ここは子女の判断を信じましょう。最優先すべきは矜持の保守では無く確実な形骸の討伐ですから」
「・・・・・・了解した」
サファイアクイーンは撤退する私達に追い討ちをかけようとはせず、闇鍋みたいに様々な音をぶち込み混ぜる事で完成した汚いノイズの様な高笑いを響かせるだけで行動を一切起こさなかった。
戦闘中にも大変気に入っていた絨毯の様に広がる美しい青を血で染めたくも無かったんだろうけど、私達がどんな攻撃も通さない自分の装甲に挑む気概を喪失し二度と歯向かう事は無いって油断から殺す必要も無いって判断したんだと思う。くそっ、次に会った時は高慢な鼻の無い顔ごと砕いてやる。
場所は移り変わり倉庫群の近場にある無骨な更地。濡れた砂と削れた石だけが転ぶ何も無い場所を立ち入りを拒む柵と端に追いやられた資材が四方を囲んでいる。恐らくここも建設途中の現場だったと思う。
『キタザト、そろそろ説明してくれないか。ここに何があるというんだ?』
場所の推測をしている場合じゃない。
一刻も早くエッセンゼーレをぶっ飛ばす為に作戦概要を簡潔に伝えて倉庫群に戻らないと。
特殊な鉱石を纏う事でどんな武器も通用しない異次元の鉄壁を築いていて今のままでは打倒させるどころか膝を付かせるのも不可能である敵の異常性。
でも今から提案する作戦が上手く行けばサファイアクイーンの装甲と自信を粉砕し確実に有利に立てる可能性。
その作戦に必要な道具がここにある事。
これらを説明するとみんなは納得してくれ詳細を求める。
「それで形骸を粉砕するという道具はどれの事だ? 人間」
訝しげな視線で問いかける碧櫓さんに上を向いて貰うよう指し示す。
「あれです。ワイヤーにぶら下がってる大木みたいな奴です」
私が目を付けたのはクレーンで吊り下げられた支柱に使われるはずの鉄骨。
倉庫群からでも見える程、細長いけどそれ以外の特徴は他と何ら変わりない。
しかし懸命に支えるワイヤーは劣化でほつれ予期せぬ力が加われば容易く千切れそう。試しに剣の刃先をちょっと小突くだけですっと切り込みが入る程には脆い。
うん、これくらいなら問題なく使えるね。
大事な建材を勝手に利用するのは気が引けるけどここはエクソスバレー、道端に生えている植物すら誰かが思い描いた情景の幻想だから例えぞんざいに扱ってもお咎めは無いはず。
少しの打ち合わせを終え、倉庫群に戻るとサファイアクイーンは相変わらず大倉庫の前に鎮座していた。敵対者が自身の装甲に阻まれ攻撃を諦める当然の結果に退屈そうに扇を揺らせてるのが怒りをふつふつと沸かせる。
「本当に貴様の作戦が上手く進行すれば奴に致命傷を負わせられるのだな?」
「えぇ・・・・・・ 必ず事は上手く運びます」
「・・・・・・ しくじるなよ」
碧櫓さんとの僅かばかりの会話を終えると暇に押し潰されそうになっていたサファイアクイーンが怠そうに私達を見据える。
こいつは何度やっても結果は変わらないと考えてるみたいだがこっちは勝ちをもぎ取れる策を練って再戦しに来たのだ。さっきみたいな苦戦は期待しないで欲しいね。
「お待たせ。今回はさっきと同じ展開になると思わないでよね」
啖呵を受けたサファイアクイーンは扇を操ろうと右手を掲げるけど咄嗟に防御態勢に移行する。
碧櫓さんの大剣を借り、空中に接近した私の連撃がサファイアクイーンの右腕を制御する為に絶えず襲い続けているのだ。
攻撃が全く効かないこいつにとっては小さい虫が羽音を立てて周囲をうろちょろしてる様な煩わしい状況でしか無いがこうやってサファイアクイーンの気を紛らわせるのは作戦の内でもあり私の予想が確信に変わった瞬間でもあった。
「まずは形骸の召喚を阻止しましょう」
作戦会議中、白波さんが首を傾げる。
「確かに小型の形骸がいなければ宝石の形骸に接近出来ますが召集を阻止するなど可能なのですか?」
「見当はついてます」
サファイアクイーンが形骸を水中で創造する時、奴は毎回扇を緩やかに振り回していた。
だったら腕を自由に動かせないように妨害してやれば否が応でもこちらの対応に気を取られ召集がやりにくいはずだと思う。
そこで初動は腕を集中攻撃し気を逸らせる。ただし攻撃が一発だけで終わってしまっては奴の注意を引くことは出来ないので碧櫓さんにはサポートをお願いし連撃に必要なスピードと持久力に自信のある私が受け持った。
大剣で私の足を持ち上げ礫となって飛来するサファイアを防いで貰いながら腕を攻撃し続けると思惑通りサファイアクイーンは粘り強く付き纏う私を退散させるのにてこずり小型のエッセンゼーレを召集出来なかった。
そうして音にすら気付かない程、意識を集中させてる内に隣の更地では密かに次の工程も稼動している。
下ろした瞼に契約主である私の視界を映してるウィンドノートが様子を伺い鉄骨を追突させる準備も整えているから。
『ふむ、順調にキタザト達が注目を集めているな。
いよいよ風を吹かせるぞ』
「準備は完了しております。こちらは好きなタイミングで構いません」
ウィンドノートがブランコと同じ要領で鉄骨を揺らして勢いを倍増させていく。
出来るだけ白波さんがバランスを保て最小限の音が両立するように調整を施すけど、細長くそこそこ大きい物が柵を越える細工を付けるとなるとどうしても倉庫群からでも目立ってしまう。
しかしサファイアクイーンは私と碧櫓さんの陽動によって前方に注意を払う事しか出来ない。
そして反撃の時は訪れた。
鉄骨の先端がサファイアクイーンの胴体を貫通する位置に定まったところで白波さんがボロボロのワイヤーを秒速で両断しウィンドノートが追加の強風で墜落させる。
徐々に強くなる風圧と音でサファイアクイーンは自分に迫る私達の切り札に気付き対処しようとしたけど既に遅い。
急激に落下した鉄骨はサファイアクイーンの義体を半壊させ、フリルが波打つドレスみたいな下半身は硝子同然に砕かれ左腕を失った上半身は遺言代わりのノイズを一言呟いた後で力無く浅瀬に転がる。
全員が武器を向け、復活を警戒するもののサファイアクイーンはこれ以上身じろぐ事は無かった。つまりなんとか勝利する事が出来たって事だ。
ようやく一瞬の安心に身を委ねられると思っていたらいきなりの水音に驚いて武器を再度出してしまう。
けどそこにいたのはエッセンゼーレではなく水の中でも躊躇いなく膝を付く優秀な伝令兵だった。
「報告致します。皆様が巨大形骸を倒したと同時に地底湖内にいた全形骸が充電切れを起こした様に倒れました」
あの兵士の口振りからするとやっぱりここのエッセンゼーレを強化して侵攻の扇動をしていたのはあいつだったんだな。
取り敢えず仕事は達成したという事で私達の役目も終了って事だね。
「ご苦労、私達も暫くすれば撤退する。
君達は支度を終え次第、街に帰り家族に顔を見せてやるといい」
勇ましい返事を残した伝令兵は忍者の様に音も無く姿を消した。
白波さんは客人への手配を確認する為、感謝の念を残しながら優艶に。碧櫓さんは始末しなければならない業務があると物静かにそれぞれ先に地底湖の出口へ向かって行く。
・・・・・・はずだったのだが大股に数歩、水を掻き分けた碧櫓さんは突然止まり最小限私の方に顔を動かした後、こう言ってくれた。
「・・・・・・今回、私達があの形骸を鎮伏出来たのは貴方の助力があってこそだ。感謝してもしきれない。
物事を柔軟に解釈する事が出来なかった自分の頑固さで不快な思いをさせてしまった事を謝罪させてくれ」
「碧櫓さんは自分の責任を果たしただけなんですから謝らないでください。
それにあの作戦は四臣に属するお二人の助力があったから実現出来た物です」
「貴方は寛大な心を持っているのだな。
今回の謝礼は貴方がサメノキ地方に滞在する間に必ず果たさせて貰う。では」
この戦いを通し彼の私、いや人間に対する考えが変わったみたい。
氷解した兆しを残し碧櫓さんの大きな背中は薄明かりで彩られた通路へと遠ざかって行く。
獣人の楽園(4) (終)
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