第23話 魔物図鑑
話は本題であるザミヤの手紙へ。
そこには魔物の主が出現するという知らせが書かれていた。
そしてモネはアリトに渓谷の主の討伐の依頼をしたのだった。
ーー
そして現在……
「依頼を受けてくれてありがとう」
「お礼は報酬と言葉でしか出来ないけれど」
「あぁ構わない、それより魔物の情報は分かるか?」
「えぇ、魔物の情報が載っている本があるわ」
ガタッ
コツコツ……
サササッ
ドサ。
モネは本棚から何冊かの本を選び、アリトの目の前に置く。
「その本には四か所の魔物の主が現れる場所と魔物の詳細が記されているわ」
「私が見る!」
パラパラ……
ミラ本が読み始め、アリトはそれを隣で見ている。
「えーっと……四体の魔物の主と魔物等級」
「森の主、
「渓谷の主、
「凍土の主、
「砂漠の主、
「私が怖くてたまらなかった、あのテノボアが四級なのに二級の魔物を前にしたら気絶しちゃうわよー!」
「ちなみに二人の冒険者等級はいくつなの?」
「アリトが四級で私が十級です」
パラパラ……
「えっ……」
「ミラちゃんはお留守番しておくのよね?」
モネは心配そうに話す。
「ミラは連れて行くぞ」
アリトは真顔で答える。
「なっ⁉」
「……」
(四級冒険者だけどザミヤ様が名指しした人物なら平気よね?)
「ミラちゃんは良いの?」
「怖いけど……なんだか近くで見てみたいです!」
ミラは目を輝かせながら言う。
「はぁ……手に負えないのは親譲りかしら……」
(怖い物みたさで動くなんて冒険者としては向いていないわ)
「えへへ~」
「あはは」
(褒めてません)
パラパラ……
ミラは本を読み進める。
「魔物の主の詳細……」
「森の主テノボア、王国から南東の森に出現」
「……」
(俺が討伐した蛇の魔物か)
「全長約10メートル、体重約1,000キログラム、高さ約1メートル」
「得物を捕らえるスピードは魔物一速い」
ーー
「渓谷の主インペラ、王国から南西の渓谷に出現」
「……」
(これは……ワニだな)
「全長約12メートル、体重約8,000キログラム、高さ約2メートル」
「山を砕き渓谷を作り出した」
ーー
「凍土の主リーガ、王国から北の大地に出現」
「……」
(マンモスの群れ?)
「全長約9メートル、体重20,000キログラム、高さ約5メートル」
「百体のリーガは地割れを故意に起こし、敵対生物を
ーー
「砂漠の主オーシナス、王国から東の砂漠に出現」
「……」
(砂漠にシャチ、ギャグか何かか?)
「全長約10メートル、体重約10,000キログラム、高さ約2メートル」
「砂漠を泳ぎ、地面を自由自在に操り得物を捕食する」
ーー
パラパラ……
ミラはさらに読み進める。
「海に生息する魔物……こんなのもいるんですね~」
「さっきの主より大きい魔物!」
「……」
(一番上が海トカゲのモーセ、全長約18メートル)
(その下がサメのロクレス、15メートル)
(その下はクジラのメルヴィル、18メートル)
(一番下もクジラか、ペルセト、20メートル)
「これらは人間の脅威にはならないんですか?」
「その魔物たちの生息地域は海だけだから脅威にはならないわ」
「もし海の魔物を討伐出来たらどうなるんですか?」
「歴史上初の一級冒険者もしくは、その上の英雄級が授与されると思うわ」
「でも人間が泳ぎながら戦うのは不可能だから夢物語ね」
「…」
(実質二級冒険者が一番上なのか)
「泳ぎながら戦うのは無理なの?」
チラッ
「……」
(俺を見るな)
「主の情報は分かった」
「それじゃあ、依頼はインペラの討伐なんだな」
「えぇお願い」
「他の用もあって時間が掛かってしまうが、必ず倒す」
「ミラ、行くぞ」
こうして魔物の主の情報を聞いたアリト達はモネの屋敷を後にしたのだった。
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