第12話 魔力の元は体力です
訓練場で魔法の特訓を始めた2人。
ミラはアリトの
彼女は応用技を習得出来るのか不安のまま特訓をするのだった。
ーー
そして現在……
ミラは応用技のコツをアリトに聞いていた。
「
「
「ねぇアリト、もっと分かりやすく教えてよ~」
「そうだな」
「銃を簡易的にしただけなんだが」
「じゅう…?」
「この世界には無い物だったな」
(冒険者の装備、武器屋にも銃は見当たらなかったしな)
「ん?この世界?」
「何でもない」
「そう?」
「さて、特訓を続けよう」
(…ミラなら説明だけで分かるだろう)
「よし、バレットを作ってみてくれ」
「うん!」
シュー…
ミラは指先にバレットを作る。
「まずチャージについてだな」
「バレットを小さくしようとすると中心から外側へ反発力が起きる」
「それを抑える為に、まずバレットの外側を固めるんだ」
「固める…」
「あっ丸くなった!」
ミラのバレットは歪な形から綺麗な丸になった。
「次は水を中心に凝縮するイメージだ」
「分かった!」
シュルルル…
「出来た!」
バレットは直径5㎝から直径1㎝ほどになった。
「飲み込みが早いな」
「後はスプリングだけか」
「っ⁉」
アリトはミラの肩と腕に触れ、説明しようとした。
「なんだ?」
「アリトは女性に
「淑女として扱ってるつもりだ」
「続けるぞ」
「う、うん…」
ミラは頬を赤らめたが、アリトは淡々と説明を続ける。
「肩から指先、バレットを一直線にするんだ」
「イメージはこれを筒状と考え、水を流し込み指先で圧縮」
「バレットへ開放する」
「肩から指先に水を凝縮するイメージ…」
「えい!」
バンッ!
カンッ!
魔法はかかしに命中した。
「やった!的に穴が空いてる!」
「これが、
「やるな、1回目で出来るとは」
「アリトの教え方が良かったからよ」
「そうかもな、だが、やっと基本が出来ただけだ」
「
「この調子なら出来そうだわ!」
「ほう、そうか」
基本の魔法
勢いのまま、
数十分後……
シュル…シュル…
パシャンッ
「はぁ…はぁ…はぁ」
「そろそろ休憩しておけ」
(やっぱりこうなるか)
魔法を発動しては失敗、その繰り返しでミラの足元には水溜まりが出来ていた。
「うん…」
「魔法ってこんなに疲れるのね」
「魔法は使う人の体力を対価に扱うものだ」
「短時間にやりすぎるとバテるぞ」
「そうなんだ!」
「何で、そんなに詳しいの?」
「今は秘密だ」
「えー!なんでー?」
「そんなことより暗くなってきた」
「今日の特訓は辞めて、宿屋に泊まるぞ」
「むー……」
「分かったわ」
「その前にファブを使うぞ」
「なによそれ?」
「対象を綺麗にする魔法だ」
ファー…
キラーン、キラーン
「え⁉」
「汗も服の汚れも無くなってる!」
「よし、行こう」
スタスタ…
「アリトこの魔法はどうやってるの?」
「秘密だ」
「むー」
スタスタスタ…
特訓1日目から順調な滑り出しをした2人は宿屋に向かった。
そしてミラは、応用技も覚える為、この特訓を7日繰り返すのだった。
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