第3話 愛され妹、ユリアン!

ダーランの妹であるユリアンがリリアンが報告に行った数秒後に僕の部屋に来た。



「お、お兄様‥‥!お兄様ぁぁああ!!」

扉を開けた瞬間、4歳くらいのダーランに似たブランド色のツインテールに藍色の瞳がかわいらしい女の子が泣きながら僕に駆け寄ってきた。


(お兄様って言ってるし、この子がユリアンなのかな‥‥?)


「ユリアン、僕はもう大丈夫だから安心して!‥‥ほら、涙拭って。」

そう言って、涙を拭って、頭を撫でるとユリアンはすぐに嬉しそうな顔になる。


「ほ、本当ですか?よかったぁ‥‥。」

心底、安心!よかった!という感情が一目で分かるような安堵の表情だった。

そして、遊び盛りなのかユリアンはたくさんの提案をする。


「じゃ、じゃあ!一緒にご本を読んでくれますか‥‥?」

「もちろん!」

「じゃあ、一緒にお庭でお散歩は?」

「それなら、明日行こうか!」

「あ、あと、魔法も教えてほしいです!!」

「散歩のあと、教えるよ!」

「お兄様!大好き!!」


ユリアンはそう言うと、ベッドの中に飛び込んできた。‥‥心の底から思う、かわいいと。



(今なら、リリアンがなんで、僕が記憶喪失なのをユリアンに言わないように言った意味が分かるな。)

それは、ユリアンがかわいいからだ。


単純な話、天真爛漫でかわいい。そして、沢山の人から愛されている女の子が悲しさに顔を歪める姿を誰1人として、見たくないのだ。


「本当に、かわいい妹だよ‥‥。」

「お、お兄様?‥どうしたの?」

口が滑ったのかそんな言葉がするりと出てくる。


(‥‥ダーランの記憶なのか?)


俺が転生する前のダーランもユリアンを可愛がっていたのかもしれない。

だが、俺はまだ、ダーランの記憶が戻っていない。

一体、ダーランの記憶はどこに行ったんだ?



「あぁ、ごめんね。‥‥ユリアンは嫌だったかな?」

「そんなことないです!とても嬉しいです!」


ユリアンはブンブンという効果音が出そうな程、首を振るが、僕が気にしてないことに気付いて、顔を埋めるくらい抱きついてきた。


「‥‥あ!そういえば、なんで、僕が起きたって気付いたの?」


単純な疑問だった。

だって、リリアンが出たちょうどにユリアンは僕の部屋にやってきたのだ。


「?、私はお兄様の妹ですよ?」

「‥‥?」

「‥‥いいですか、お兄様!世の妹は兄の動向や気持ちなんてすぐに感じて、行動に移せるものなんですよ!兄は妹に世界の誰よりも愛されているんですよ!」

「‥‥そうなの?ごめんね、勘違いしちゃってたよ。」


前世の時の家族は両親に兄が1人で妹はいなかったから、よく分からないが、そういうものなのかもしれない。


「ふふふ、大丈夫ですよ、お兄様!これから分かって頂ければ!‥‥‥私も甘え過ぎてしまったようです。」

「そうかな?」

「そうですよ!‥‥‥お兄様は病み上がりですし、今日のところはお暇させて頂きます。」

「そう?また、明日ねユリアン。」

「はい!また、明日です!お兄様!」


そう言って、ユリアンは僕の部屋を出て行った。


(ダーランは本当に愛されているんだな。)

愛してくれる人達を悲しませないようにする、その決意がより強固なものとなった。






——ユリアン視点


「お兄様の優しくて落ち着くところは変わりません‥‥。‥‥いけませんね、このままでは。」

少女にとっての兄は離れがたい、どこまでも大きな存在だった。















悪いのは僕ですけど、ユリアンと書いてると、某お笑い芸人の方を連想します‥‥。




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転生した先でも、痩せられない。何かのドッキリですか? WOULDYOU @dottisotti

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