第65話 健一さんと海デート! いざBBQっす!

 真緒と買い物をを済ませてビーチに戻ると白い砂は赤く、海に反射する夕日がとても綺麗だ。時刻は17時、そろそろ準備に取り掛かればいつも晩御飯を食べている時間には間に合いそうだな。


「それじゃあ、BBQセット取ってくるから少し待ってて」

「わかったっす!そこの椅子に座ってるっすね」


 ここはBBQセットのレンタルが出来ると言う事で、場所の提供もされている。レンタルした人限定らしいのだけど、最大10組位は利用できるくらいの大きさ。


 俺は海の家で予約していたBBQセットを貰い、真緒の下へと戻る。真緒は早速準備に取り掛かってくれているようで、お肉や野菜などを調理用ハサミでカットしていた。


「真緒取って来たぞー」

「健一さん1人で持ってこられたんすね」


「真緒、俺の事どれだけ非力な人間だと思ってるんだよ。これくらいは1人でも余裕で持てるからな?」

「そうでしたか、来るのに何度か休憩してるのが見えたんすけど気のせいだったんすね」


「…見てたのかよ」


 大き目なBBQコンロと炭や着火剤などが入っているから休憩なしでは持ってこれなかったんだけど、それを真緒に見られているとは思わなかった。


 普段から貧弱な所を見られているから幻滅はされないだろうけど、男としては恥ずかしい。


「ほんともう少しくらいは運動して筋肉付けてくれると私も嬉しいんすけどね」

「運動ね…続かないんだよなぁ」


 いつまでもひょろひょろのままで良いとは思っていないから、運動しようと考えるんだけどほんとに続かない。


「どうしたら続けられるんだろうな」

「私、健一さんが続けられないのって1人やるからじゃないかなって思うんすけど」


「え?そりゃ運動って1人でするもんだろ?」

「いやいや、誰かと一緒にするといいって前何かで見たことあったっすよ」


 そう言われると俺も何かで見たことあった気がする。なんだっけ?監視されている感があるからとかだったか。それを踏まえると真緒の言っていることも納得がいく。


「そうだないつも1人やってなかったから続かなかったのかもな」

「そうっすよ?なので家に帰ったら一緒に何かしないっすか?善は急げっすよ」


「そうだな、でもいつも真緒には迷惑をかけっぱなしで申し訳ないよ」

「そんなの気にしなくて大丈夫っすよ!好きな人のお役に立てるんすから」


「ほんとありがとう。俺も真緒の役に立てることがあればいいんだけどな」

「そうっすね…じゃあ、この夏休みを良い思い出にして貰いたいっすね」


「わかった頑張るよ、でもその代わりにやりたい事は遠慮せず言えよ?」

「了解っす!あ、お肉と野菜の準備もう少し終わるっすから、火起こしお願いしてもいいっすか?」


「あ、あぁ…ごめん俺のせいで作業止まってたよな。今取り掛かるよ」


 真緒と話してると時間を忘れてしまうから気を付けないとな。だらだらしていたらすぐ日が落ちてしまう。


 俺は真緒の作業を邪魔してしまった事を反省しつつ、火起こしの準備を始める。近くにある水汲み場でバケツに水を入れ、軍手を装着しBBQコンロに着火剤を置き周りに炭でかまどのような形を組み上げていく。


 着火剤にレンタルすると貸して貰える袋の中に入っていたガスバーナーで火をつけ、周りの炭に火が回るのを待つ。


 火が付いたのを確認して、うちわを使って火を大きくしていく。火が回ったら炭用トングで平らにならし、炭を追加して後は白くなれば準備完了だ。


「真緒終わったぞー」

「早いっすね、こっちも丁度終わった所っすから焼いていくっすか!」


 準備が終わったという真緒はトレイに食べやすく切られた野菜とお肉を入れ、ミニフライパンの中にはチーズがたっぷり敷かれている。


「それじゃあ、焼いていくか」

「はいっす!いざBBQっす!」


 こうして俺と真緒はお待ちかねのBBQを始めるのだった。


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ここまで読んでいただきありがとうございます!


次回:第66話 健一さんとBBQ ふふん、ちょっとしたコツがあるんすよ


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新作始まりました!

『傷心中に公園で幼馴染の妹を段ボールから拾ったら、めちゃくちゃ世話してくれるようになった』

https://kakuyomu.jp/works/16817330662341789174


甘々作品なので気になれば是非読んでいただければ幸いです!

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