【蔵出し】プロレス
※5年前ぐらいに書いたのが見つかりまして。pt2.
そこそこ面白かったので手直ししてここに掲載することにしました。
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『プロレス』はスポーツや格闘技である以前に「活劇」だと思っています。
原則、台本ありきでツカミから見せ場、オチまでを見せる。
しかしながら当然ヘタをすれば死んじゃう技の応酬ですから、それに耐えうる肉体構築と安全性を加味したスキームの準備が肝要になる。
この『応酬』について。
選手の挑発舌戦とガンのくれ合いから始まる両雄筋肉の激突。
で、仕掛ける側と受ける側がそれぞれ交代しながら攻防のさまを観客に楽しませる。
さらに実況中継が細かい解説や心情描写、バックボーンなんかも語ってくれるからストーリー性も抜群です。
で……〝ここ〟での話につながります。
ちょっとバトル系の話に偏って申し訳ありませんが。
いかんせん。
どうも界隈の多くは、この轍を踏みすぎてるんじゃないかと思った次第でして。
ちょっと一考してみようかなと。
【サンプル会話劇】────────────
「受けてみろ魔王っ! 俺の究極スキルッ! 『神竜仏滅次元斬』ッッ!」
「ああっ、その名の如く遥か天を突く巨大な光の剣が(略)。神も竜もホトケもこの技の前には存在もへったくれもない、勇者上位職マスター勇者、最上位の剣スキルをぉっ」
「うおおおおおおっ!!!」
(ドギャ───ンッ!!!)
「……はあ、はあ……や、やったか」
「───っ!? あああ……そ、そんな……傷ひとつも……」
「ふん、所詮こんなものか。試しに右肩で受けてみれば、ちょうどいいコリほぐしになったわ」
「しっ……信じられんっ」
「では今度はこちらの番か。その前にひとつ教えておいてやろう。我は魔王ではない。その上位職『
「まっ……魔神王!?」
「魔王なのに……上位……職?」
「ふはははは! 絶望にひれ伏せっ、ゆくぞ、魔神王の神スキルッ! 『宇宙玉砕灰塵波』ァァッ!!!」
「うわぁあああああっ───!?」
────────────
めちゃくちゃ思い付きで台本のごとく文字を並べましたすいません。
どういう当該人物がそれぞれのセリフを吐いているかは、みなさまの脳内で補完してください。(この端折り感がまま異世界モノ的)
どうですか。何かプロレス的じゃないですかね。
フローを簡潔にまとめるとこうです。
すごい技→(実況)→耐える
→お返し→(実況)→耐える
→お返し→(実況)→箸休めの別のお話→本編戻る
→耐える→(実況)→お返し……───
安心の王道スタイル。
しかし自分の場合
「どうせ主人公たちが勝つだろうし、完結して気が向いたら読み直してみるか」
こんな感じで読まなくなった作品、結構あるんですよね。
つまりバトル過程がかったるくて追えなくなってきている。
ここ数年、エンタメの消費速度が異常に加速してるのも、この通り一遍感のせいがなきにしもあらずと思ったりするんですよね。
それはアクション活劇に限ったことではない気もします。
すんません、特にオチも無いです。
開き直って王道を極めていくか
奇をてらって異次元を狙うか
この二択二軸しかない中で、足掻くしかないってお話でした。
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