◇◇さらにオマケ
【蔵出し】読まされ感
※5年前ぐらいに書いたのが見つかりまして。
そこそこ面白かったので手直ししてここに掲載することにしました。
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『ドラクエⅡ』は、この日本にファンタジーを浸透させた最もエポックなRPG。
そりゃゲーム以外にも枚挙に暇がありませんが……
やはりドラクエの貢献度はダントツかと。社会現象になったぐらいなんで。
このヒット無くして今日の異世界モノ隆盛はありえなかったは過言では無く。
後はロードスのディードリット(エルフの大見本)。
当時のゲーム業界の姿勢も激変した。そりゃすごかった。
これを機にRPGは売れるジャンルとなり……
二番煎じが家庭用ゲーム機市場に粗製乱造よろしくあふれ返った。
それこそゲーム会社じゃないとこが参入してたぐらいですからね。
市場が飽和してくると必然、ユーザーも目が肥える。
評価も厳正で辛口に。
主に当時よくツッコまれたのがシナリオ部分───『おつかい』についてでした。
年代によっては馴染みがない言葉かもしれません。
ままイベントとフラグをまとめた言い回しのことですね。
『おつかい』は特に、本編を進める上で大して必要と思われない
ほんましょーもない消化クエスト/イベントを揶揄するのによく用いられました。
フローにするとこんな感じです───
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王様に頼まれて魔王討伐の旅に出る主人公
→フタツメの村で流行り病に倒れる少女と出会う
(最初の仲間、回復役)
→治療に必要なゲンキ草は隣のサードの村の名産
→しかしサードの村へと渡る橋が壊れている
→小舟を使おうとするも川には蛇の魔物が
→その魔物を倒すエンドクの槍は北のノースの村に
→ノースの村へと向かう途中に通行証が必要
→通行証発行のために王城に戻る
→王様から城下町の美味しいパンを買って来てくれと頼まれる(唐突
→パンを買いに行くと流行り病に倒れるパン屋の娘を心配してパン焼きに手がつけられないパン屋店主のために治療に必要なゲンキ草を採りに行くことに
→ゲンキ草はサードの村の名産
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……うまく伝わりましたでしょうか。
ちなみにこのサンプルは詰んでいます。
延々とイベントに従ってフラグを立て直すの繰り返し。
こんな風にされると、飽きると同時にイライラします。
このたらい回し感、やらされ感が『おつかい』と呼ばれた所以なのです。
しかも本編に関係ないのがほとんど。
これでまだ流行り病が魔王のせいだなんてのなら納得もしますが……
その補完もなく単なるピュアなおつかいだった日にゃもうプレイヤーはコントローラーを投げるしかないわけでして。
これが小説なら当然、そっと閉じですよね。
ゲームならまだギリギリ野良に出て戦闘とレベルアップをを楽しむなど自分で目標や成果などの活路を見出せますが。
ページをめくるしかない一方通行な物語で、伏線も中身も無い話を見せつけられも回避のしようもなく。〝読まされ感〟ばかりが募る。
残った手段は繰り返しになりますが閉じるだけ。
ところで。
何度も言ってますように、自分は異世界モノを漫画でしか読みません。
その中で、こういった『おつかい』が起こって読むのをやめる作品も少なくない。
何が言いたいかというと、コミカライズされるほどの人気小説作品であろうとも、その辺りがきっちり解決されていないということなんです。
……待てよ。
ということは、実はみんな本当は、『おつかい』───
ワンパターンやルーティンが好きなのでは。
考えて見りゃ水戸黄門なんかも、毎クール同じイベを同じタイムテーブルで消化してたもんな。
どうやら自分の見識は間違っていたかもしれません。最後にそれかよ。
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