④ 好きか嫌いか

 全くどうにもしようもないヤツです。

 関心を持てない、のさらに向こうの究極。

 



 営業職では


「顧客とは、政治、宗教、好きなスポーツチームの話をするな」


 なんて〝三禁〟の話は今でもよくあります。


 前者二つは大人の世界では社会的な死を迎えることもある、言わずもがな。


 しかし三つめ。

 ファンかどうか───好き嫌いについては、何もスポーツに限ったことではありません。


 食べ物、音楽、俳優、映画に小説……

 こういう趣味嗜好、話のネタ的なものに

 意 外 と うっかりな危険が潜んでいたりします。


 

 例えば映画のレビューなんかでも


「役者の〇〇、監督の〇〇が好き」

「主役が嫌い、監督も変えてくれ」


 この両極は必ず発生しますよね。


 自分も振り返ってみれば、こういうので物別れに遭った事例まーあるある。

 そんなときに限って、相手の気も知らずに

 いかに自分が好きかを唾飛ばしながら語ってたりするんですよねー(軽くしんでる


 好き嫌いって、ほんっと単純な分だけ危ないんです。

 個々の気持ちに〝最も近い場所〟にあるから。




 自分でも、今回の企画参加作品において

 文章や構成など勉強させていただいた反面

 ジャンル的な好き嫌いは、どうしようもありませんでした。


 ただし。


「読むか読まないか」

「☆やコメントをするかどうか」


〝企画上で読む〟に当たっては、一切関係ありません。

 そこんとこニュートラルだったのは、我ながらすごかった。

 



 100人が100人に好きって言ってもらえるものは、この世にはありえない。

 どこまでパーセンテージを上げられるかだけです。


 もっとも、マーケティングリサーチなど

 最大公約数的な嗜好を得て〝狙って書く〟方法もあるでしょうが。

 それ、あなた自身書いてておもろいの? って疑問はあります。



 まあ……いろんな労苦に気苦労と、重ねたところで。


 ひとたび読み手に回れば

 そんな書き手の想いやわがままや痛み苦しみなんて、知ったこっちゃない。


 好きか嫌いかしか選択肢が無いのは当たり前。


「一生懸命書いてらっしゃるからちょっとページめくろうかな」


 こんな動機で本を手に取る人、居ます?


 例え村上●樹であろうとも。

 新刊が出てみんな騒いでるからと言って、自分は無料でも読みません。


 だってそもそも、読むの苦手……正直〝嫌い〟だから。

 そんなもんですよね。



 たまには諦めも肝心、ということで。

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