第3話 最後の答え
達也を好きになってから、俺は男相手に体を売るのが癖になってしまっていた。最初はタチしかやってなかったけど、ネコの方が需要があるし、金も稼げるから最近はもっぱら受け入れる側で。おっさんでもいいから、男とこういうことをしていると常識がマヒしていって、もしかしたら達也も実は男もいけるんじゃないか、って気になれるのが気持ちよくってやめられなくなってしまっていた。行為も気持ちよかったけど、ベッドで余韻に浸りながら達也と寝る妄想をする方が自分の中ではメインになっていたのだ。
制服も着ていないし、身バレには細心の注意を払っていたはずなのにバレるなんて。しかも一ノ瀬に。終わった。きっと、今までのように友達としてすら関われなくなる。死にたい。
絶望的な気分だった。
雨は一層激しく降り続ける。
達也は、何も言わずにこちらを見つめている。
どれくらい時間が経っただろう。長い沈黙を破ったのは、達也だった。
「もう一回聞くけど、本当にコイツ、お前の親父?」
もうこの状況を打破するにはしらを切るしかない。俺は覚悟を決めて
「いや、普通にそうだけど。お前何考えてんの?」
と、達也を睨みつけた。
「あーあ、最後のチャンスだったのにね。」
そう言いながら達也は写真をスワイプした。
次に現れたのは動画だった。クリーム色っぽいサムネイルに特に見覚えはない。
達也はニヤリとして再生ボタンを押した。
すると、俺が全裸でその肥満体系の男に跨って一心不乱に腰を振っている映像が流れ始めた。
「あ、あっ、ソコ、もうイキそっ」
「トオルくん、もっと腰振ってよ。僕まだイけないよ」
「やっ、もうむりっ。あんっ、」
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