第34話 スキルの希望
2つ目の群れ前に到着した。今度はフレイゴブリンとエレキゴブリンがボスらしき感じで配置されている。偵察用にキングゴブリンが3体、木に登って弓を装備していた。つまり、中のフレイゴブリンとエレキゴブリンを殺すには偵察のキングゴブリンを潰さなきゃいけないということである。今回は、さっき強奪したショットガンがあるため偵察のものはすぐに殺せる。問題はフレイゴブリンとエレキゴブリン。見た感じ、大柄ではない。しかし、武器が厄介である。おそらく、フレイゴブリンが盾と剣。エレキゴブリンの方がトンファーで鉄製。エレキには攻撃力を増幅させる鉄製だ。少し、厳しいものである。でも、勝機はある。
俺はショットガンを構え、真上に発砲。俺はショットガンを捨ててすぐさま草むらに移動。息をひそめる。木の上にいたキングゴブリン3体は、俺の銃声を聞いて、音の方に近寄ってくる。ショットガンを見つけると、屈んでよーく見つめている。動かず、見つめていることを確認した俺はキングゴブリンの後ろへ静かに移動。キングゴブリンの首裏に、手刀を決め込む。もちろん、そんなんで死ぬわけがない。ゴブリンはゆっくりと、俺の方を見た。俺はすぐさま膀胱にけりを入れる。ゴガァと呻き声を出しながら倒れこむと、残りの2体も俺の方に目を寄せた。俺は勢いよくジャンプし、1体のゴブリンに体重と使って蹴りを入れる。脳に直接振動が伝わったのか、目を白目にして倒れこんだ。最後の1体は俺の弓を向けた。無言で、静かに。もちろん俺は当たらないように工夫をする。先に弓を蹴り飛ばす。俺は足を横にはらう。俺の考え通りに弓は飛んでいき、ゴブリンは俺に恐怖を向けている。俺はそんな時間をかけている暇はないのでゴブリンの頭をつかみ、鼻目掛けて膝で潰しにかかる。ゴシャァとグッロい音が周りに響き、そのまま息絶えた。まぁまだとどめを刺してないが、とりあえず殺さなくてもいいことがさっき分かったから、ここでとどめのために力を消費したくない。俺はショットガンを拾い、正々堂々とゴブリンの真正面から寄っていく。
「お~~い、殺し合いしね~か~?」
ちゃんと聞こえるくらいの声量でしゃべりかける。俺の声が予想外すぎたのか後ろにのけぞりながら俺を視界の真ん中に映す。もちろん、俺を見て共生心なんて湧く訳がなく、武器を持って立ち上がった。ショットガンののこり弾数は総弾数4発も含めて14発。最大総弾数は5溌なため、リロード回数は残り2回。全然勝てる。何なら余るかもしれない。俺は一気にゴブリンとの距離を縮める。フレイゴブリンから仕留めに行く。完全ヒット圏内と判断した俺はショットガンの引き金を引く。しかし、金属音とともに盾で守られてしまった。次に、俺の後頭部めがけてトンファーが向かってくる。もちろん、簡単に負けるわけにはいかない。俺はすぐさま隠し持っていた棍棒を取り出し、トンファーを食い止めて見せた。いや、食い止めたというより勢いを殺したの方が近く、棍棒に当たったトンファーは勢いが完全に収まるも、徐々に俺の頭によってきている。俺の、筋力不足だろう。前々から思っていたが、攻撃力というステータスに頼りすぎていた。俺はすぐさまショットガンのコッキングを片手で行い、エレキゴブリンに向けて1発。予想外の行動だったから、エレキゴブリンはショットガンを右胸部モロに喰らった。トンファーの力強さが無くなった瞬間に俺は前に転がり込みゴブリンの方を見る。でも、俺の右腰にはフレイゴブリンの突きがあった。グロい音とともに俺の腰部からは真っ赤な液体が噴出してくる。まだ胸部じゃないよりましだが、腰部もそこそこ戦闘面から見てみると厄介な攻撃。俺は急な出血によろめく体とふらつく視界、今にも落ちそうな意識。
俺は、負けられない。
「ゴォォ?」
俺は刺された部分に全力で力を籠め、剣を抜けないようにする。ゴブリンは不思議そうに俺の剣を抜こうとしている。両手で抜こうとした瞬間が運の尽き、左手についていた盾は無意味と化し攻撃してもよいと言っているような状態になる。エレキゴブリンも勝ちが確定したと思い込んだのか助けにも来ない。俺はゆっくりコッキングを行った。音を立てずに、なるべく目立たないように。俺は銃口をフレイゴブリンに向け、発砲。飛び散った血は周りを地獄と変換させ、ゆっくりと倒れていくフレイゴブリンは閻魔に魂を抜かれたかのようになっていた。
「さ、お前はどーする?」
狂気染みた顔で、エレキゴブリンに問いかけてみる。逃げた、背を向け、俺の方を見つめながら走り出した。逃がさない、ニガサナイ。俺は腹に突き刺さっている剣を抜き取り、ゴブリン目掛けて投げた。投げたナイフは骨を貫き、脳へと直通便。大切な、生きるための神経が途切れ、また1つの生命が終了した。
先ほどのように、水晶が浮かんで見えた。受け取ると、体にある少しの傷が癒えた。腹部の出血が止まり、痛みが少しだけ和らいだ。なんだ?中間終わったから回復してやるよ的な感じか。ありがたいことだ。勝手に試練にぶち込んでおいてそこら辺がしっかりしてるのは少し腹が立つけどな。
最後の群れ。俺が手にしているのはショットガン、剣と盾を持っている。さっき得たものを、最大限活用するんだ。目の前に見える敵はたったの1匹。群れではない。でも試練が群れと言っているのだったら群れなのだろう。
最終討伐はデビルスパイダーとなっています。
ここに到達したものには、元々所持していた1つだけスキルが与えられます。
与えられたスキルはこの戦闘での使用が可能となります。
スキルを活用して戦闘を有利に進めるように。
3択となっており、出てくるスキルもランダムとなっています。
・『自動治癒』・『自己蘇生』・『知識倍化』
と記載されており、すでに選べるようにスキルが3つあった。驚いた。まさか技術の試練と言いながらもスキルを1つだけくれるとは。すまんな道徳心がああだこうだ言って。俺は、この中の3つから1つを選ばないといけないのか。しょぼいな、もっと攻撃力が上がるものが欲しかったんだが。そんなことを思っていると、1番右下に気になる文字が見えた。
「数値ステータスを1消費してスキルを変える」
目に留まって、全文読むのに2秒。理解するのに5秒。押すのに0.1秒。押した瞬間、3つのスキルは変わり違うスキルになった。今度は『歩行音抑制』『鑑定』『蘇生』の3つ。もしかしたら、俺の目当てのスキルが出るかもしれない。俺は1回、また1回と押していく。どんどん、俺のステータスが減っていく気がする。が、減るよりも勝てる確率があるスキルがあるんだ。まだ、まだ、まだ、まだ、まだ、まだ、まだ、まだ。出た。
・『鬼神化』・『防御特化』・『蘇生』
俺は一寸の迷いもなく、『鬼神化』を選択した。俺はすぐさまステータスを開く。
攻撃力・6
耐久力・5
体力・8
魔力・9
特殊スキル(所持1つのみ可)
『鬼神化』
通常スキル(所持不可)
条件発動スキル(所持不可)
ちゃんと使えるようになっている。俺は、勝てるかもしれない。このくそみたいな試練で、生き残れるのかもしれない。まだ、勝機はあるのかもしれない
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