第30話 再会
「シリル!」
俺と目が合ったルーナ。数秒間の見つめ合いがあったが、その沈黙を破り俺に向けて思いっきり抱き着いてきたルーナ。ルーシーの横を通り過ぎ、本気で俺の腹に飛び込んできた。もちろん感動の再開なわけであるため俺はその衝撃を真正面から受け止めてやった。ウゥエ。
「よかった、生きてた」
「そんな簡単に死ぬわけないだろ」
「もしかしたらリスキルされているかもしれない」
「蘇生後に殺されることをリスキルっていうな」
俺のおなかに顔をうずめてて表情は分からないが声に震えと時々嗚咽が入るのでおそらく泣いているのだろう。俺の服、今血まみれということをまったく気にしていない様子だ。ちょっと突っ込みを入れると少しフッと服の先にある肌が空気の勢いを感じ取ったのでおそらく笑ったのだろう。本調子でよかった。
「ちなみに聞くが、後ろの人達は俺のことを探しに来てくれたパーティー的な感じか?」
「そう、私が冒険者ギルドに緊急救助依頼を提出したら真っ先に来てくれた」
俺が後ろの人達に視線を向けると、明らかにビクッと体を震わせた女性が2人いた。男性3人と女性2人のパーティー、おそらく女性の方は魔法使いだろう。杖を持ち歩いている。杖は確か魔法効果を向上させるものだったよな?男性の中の1人は大剣を持ち歩いているが、アーロンほどの力はなさそうなイメージだ。後ろの1人はおそらくタンクだな。鎧と後ろに背負われている盾は相当な強度があるだろう。鑑定しなくてもわかる。もう1人はおそらく準アタッカー的な感じだろう。盾と剣を持ち歩いているところ見る限り場合によってタンクとアタックを使い分けているのだろう。全体から見るとそこそこ強そうだ。
「紹介する。1番右の大剣使いがクラウドさん、隣のタンクがサイラスさん、その隣の準アタッカーがイーデンさん、隣の攻撃魔法使いがダイアナさん、隣の補助魔法使いがニコラさん」
「よ、よろしく。パーティーリーダのクラウドだ」
「こちらこそ、ルーナと世界を旅回っているシリルと申します」
クラウドさん、サイラスさん、イーデンさん、ダイアナさん、ニコラさん。ルーナが淡々と紹介をこなしていく。名前を呼ばれるごとに会釈をしてくれるいい人。俺も深く体を曲げて助けに来てくれたことに感謝を表しながら自己紹介をした。
「えっと、先ほど何かを殴っていましたが」
「あぁ、エリートドラゴンを」
「見る限り無傷ですが」
「攻撃を受ける前に仕留めましたから」
イーデンさんが俺の対して質問を投げかけてきた。俺が回答すると、俺の体を見渡しながら言葉を放った。いや、攻撃される前にこちらが有利になれば割と殺せるもんですよ?あ、スキル獲得できてっかな?
攻撃力・19869
耐久力・9862
体力・70922
魔力・10021
特殊スキル
『無呼吸』『スキル強奪』『鬼神化』『弱点可視化』『スキル譲渡』『混合魔法作成』『呪い削除』『蘇生』『翼活塞』
通常スキル
『歩行音抑制』『鑑定』『予測眼』『知識倍化』『運調節』『傷害交換』『柔軟性向上』『防御特化』『気配遮断』『捨て身』『武器鑑定』『武器強化』『治癒魔法』
条件発動スキル
『自動治癒』『自己蘇生』『銃スロー』『体力、魔力返還』『傷害時攻撃力上昇』『理性凝固』
ユニークスキル
『瘴気の器』
魔力が、大台の1万突破。耐久力ももう少しで1万も超えるし攻撃力に至っては2万に行くかもしれない。獲得したスキルは3つか。うん、強すぎね?え、ドラゴンってこんなにもいいスキル持ってるもんなん?頭の中にある疑問が浮かび上がるが、まだまだやることがあるので鑑定はしない。
「ルーナ様、ありがとうございます」
「ルーシーはシリルのこと守れた?」
「.....微妙でしょう、助かりましたが瘴気魔に襲われてしまいました」
「瘴気魔ってあの瘴気魔ですか?」
「EXランクよね?」
ルーシーとルーナの会話を聞いているダイアナさんとニコラさんが瘴気魔のことについて会話を交わしている。よくEXランクの話をしているけどどれくらい強いのかわからないからな。でも、実際瘴気魔と戦って勝てなかったってことはまだまだ俺は強くないってことか。
「生きてるから別にルーシーをとがめるつもりはないから」
「すいません、ありがとうございます」
「あの~、生きているとわかったことですしそろそろ戻りませんか?」
ルーシーとルーナが静かに話し合っているところを見守っていると、タンクのサイラスさんが話しかけてきた。ルーナにも所々戦闘跡があるのでここに来るまでに戦ったのだと思う。まぁこんな森にもいたくないよな。
「じゃあ、早く帰りましょう。せっかくなので、私のスキルを使いましょう」
「何かいいスキルは獲得できた?」
「今から見せるんだよ、ホッ」
俺もその言葉に賛成しながら、『翼活塞』を発動する準備に入る。この中の全員、7人が入ることのできる大きめの悪魔っぽい翼を想像する。ルーナの思考回転の邪魔になる質問を軽く受け流して、息を吐くとともに俺の背中に翼が羽ばたいた。俺は1度翼で自分の体で包み、翼で俺の全身が見えなくなるようにする。ここからして、そうさせも悪くない。俺は翼を開くと、ルーナとルーシーは呆れた顔を、クラウドさんたちは驚きの顔をしていた。あ、説明してなかったっけか?
「すいません、説明していませんでしたね。私のスキルの1つ『翼活塞』です」
「それいつ手に入った?」
「さっきのエリートドラゴン」
「やっぱり規格外」
「ディスってるね...まぁいいや。全員乗ってください」
「お、おう」
「翼に乗る時代が来るなんて思ってもいませんでしたわ」
一応説明すると、ルーナからの質問が飛び込んでくる。エリートドラゴンからと答えると規格外とディスってきた。もちろん俺も人の心が存在するため傷つく。なるべく無視して全員を俺の背中に乗るように指示を出す。俺も全員に向けて背を向け、翼を最大限広げた。
「し、失礼します」
「別に失礼じゃないですよ」
「ご主人様、あまり激しく翼を動かさないでくださいね。場合によっては落っこちます」
「いや、その心配はないよ」
ルーシーが、俺の翼に乗ると同時に懸念点を出してきた。いや、その心配はないと俺は回答した。そう、このスキルには穴がある。スキルを鑑定はしていない。でも、誰が翼は
「じゃあ、飛びますね!」
その一言を放って、俺は空に飛びたった
スキル紹介⇩
『蘇生』
自分の体力を残り1にする代わりに死んでいる、心肺停止、仮死状態や瀕死状態を完全回復して生き返らせることができる。発動方法として、何があっても詠唱しなければならない。「今そこにいる死者よ、神ですら動くことができぬ無の地、思考すらも回せない究極の地、陥ってしまった終の末、昇ることすら許されない足にこびりつく重き鎖、今こそ、我の応答に答えるのだ、力を感じろ、溜めろ、籠めろ、そして、我の力を使い這い上がってくるのだ、蘇生」
『翼活塞』
背中に翼をはやすことが可能となる。使用者の体力が尽きるまではやすことができ、飛べる、殴れる、魔法を撃てる。
『治癒魔法』
魔力を大幅消費して使用者や対象を回復させることが可能になる。魔力の消費が激しくなれば激しくなるほど治る傷も多くなる。しかし、対象が死亡していた場合は無意味となる
『瘴気魔化』発動時のステータス
攻撃力・?
耐久力・?
体力・?
魔力・0
特殊スキル
『無呼吸』『スキル強奪』『鬼神化』『弱点可視化』『スキル譲渡』『混合魔法作成』『呪い削除』『蘇生』『翼活塞』
通常スキル(発動不可)
『歩行音抑制』『鑑定』『予測眼』『知識倍化』『運調節』『傷害交換』『柔軟性向上』『防御特化』『気配遮断』『捨て身』『武器鑑定』『武器強化』『治癒魔法』
条件発動スキル
『自動治癒』『自己蘇生』『銃スロー』『体力、魔力返還』『傷害時攻撃力上昇』『理性凝固』
ユニークスキル
『瘴気の器』
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