第22話 購入と武器強化
「ありがとうございます。またのご利用をお待ちしております」
「大丈夫です、一生来ません」
「シリル、お金大丈夫?」
「あぁ、こういうところで消費しとかないと後になって盗られたら面倒し」
俺らはセリ場からでて商人からの最後の挨拶をもらった。大丈夫、一生奴隷なんて買わねぇ。そんなことを思いながらしっかり商人に本心を伝えると、ローブの裾を小さくルーナに引っ張られた。お金の心配だった。黒金貨3枚持ってるやつが白金貨5枚の買い物しても黒金貨1枚の半分しか消費されていないから全く持て問題がない。単純に取られたらめんどいし。
「さ、表通り行こう。えっと」
「ルーシーって言います」
「ルーシーね、これからよろしく」
「はい、よろしくお願いします」
「私、ルーナっていう。よろしく」
「敬語はいいのか?」
「さすがに奴隷には敬語使いたくない」
「おいおい言い方...」
彼女の名前はルーシー、耳を見ればわかるがエルフだ。服はボロボロで場所によって破れて肌が見えている部分がある。ん~、ここでローブを貸すのもいいが名前の通り『
『
着用すると、着用している者のトップスピードを40%向上させる。また、フードをすると認識阻害が入り相手はこのローブを着用しているものを認識しずらくなる。
分かんなくなる+足が速くなるだと困るんだよなぁ。いやさっきの商人の話を聞いていないわけではない。確かに逃げれはしないが見つけずらくなることが厄介になる。
「服、私の貸す?」
「え、いいのか?」
「あ、ダメだ。身長的にダメだ」
「確かにルーナ小さいしな」
「シリル?」
「すいません何でもないです」
ルーナに借りることができないとなってしまった今、どうするか。まぁ、買ってもいいんだが目立つんだよな。エルフって。最悪リリアンにエルフの町の場所教えてもらってそこで買うか。すると、ルーシーが口を開いた。
「ご主人様、私の服は大丈夫です」
「いやいや、大丈夫じゃないだろ。あと、ご主人様はちょっと抵抗があるような感じだなぁ」
「買ってもらった以上、ご主人様と呼ば差せていただきます」
「....まぁそれはいいとして、服は大丈夫じゃない」
「ほかの奴隷たちは服なんてまともなの来ていませんでした。私より早く売れた獣人奴隷なんて、ほぼ全裸みたいな感じでした」
「君とほかの奴隷は違う。俺はほかの人より奴隷への感覚が違うから言う、他の奴隷とは少し違う待遇になる」
「そう、ですか」
ご主人様、そうルーシーは言った。いい響きだ、ちょっと恥ずかしいが行ってもらう側は役得だ。しかし、それとは別の問題が起きた。服はいらないといわれた。いやいや、こんなかわいい顔立ちのエルフの肌を出していたら俺のものなのにほかの人たちいっぱい寄ってくるって。俺は本心から3センチくらいずれた言い訳をして、無理やりエルフには服を着せることにした。結局、ローブを貸した。
「フードつけておいて、エルフってバレたらめんどくさいから」
「分かりました、つけておきます」
「なんかすごく従順」
「一応俺のだからな」
「すっごい気もい発言みたい」
「ルーナさん?」
「つけました、表通りに行きましょう」
すっげぇルーナからの辛口をもらうと、ルーシーはフードを付けて俺に話しかけてきた。俺はルーシーの発言に賛同し、表通りに出た。今更だが宿屋を探す。来てすぐにギルドに行ったため宿屋に行っていない。とりあえず即席ということで1番近く似合った宿屋に入った。別に普通の宿屋。
「すいません、部屋2つお願いします」
「1つでいい」
「どうしてっすかルーナさん?俺男っすよ?」
「逆に何かするの?」
「したら殺されそうなのでやめときます」
「よし」
「はぁ、相部屋1つ7泊分お願いします」
「あいよ、銀貨5枚ね」
「お願いします」
部屋を2つお願いするつもりが半強制的にルーナに相部屋1つに減らされてしまった。7泊と1週間分をお願いすると割と安い銀貨5枚と返ってきた。俺はバックから銀貨5枚を出し部屋の鍵をもらった。無言で階段を上り、俺たちの部屋221号室に到着。あけると、1週間で銀貨5枚とは言えないほどの充実した部屋が広がっていた。
ベットは2つ、両方シングルくらいだが鶏に囲まれているのかと錯覚するくらいのモフモフマットレス。テラスには椅子と小さいテーブルが用意されており、部屋の中にも十分なほどの大きさの作業スペース。シャワールームではなく風呂!ボタンポチればすぐさまお湯が出てくる仕組み暖かさもお好みに変換が可能といういわゆる神性能。俺ここで一生過ごすわと言ってもいいほどいい。
「とりあえず、ベットは俺とルーシーが左でルーナが右でいいよな?」
「....いいよ」
「私も一向にかまいません」
「どうする?今微妙な時間帯だけど」
「宿にいていいと思う。各々したいことして明日になってギルド行けばいい」
「ルーシーもそれでいい?」
「はい」
ベットの場所を決めると、なぜかルーナが拗ねたような顔をした。何故だ、もしかしてあいつ右じゃないと寝れないのか?屋台でも行くか微妙な時間帯なので、宿にいるかどうか質問したところ、拗ねたまんまの少し声のトーンが低いルーナが答えてくれた。宿にいたほうがいいと、ルーシーも納得したので俺らは宿にいることにした。
俺は武器の確認、『武器強化』のスキルが入ってからどれくらい武器が強くなったのかという確認を取ってみたい。俺は武器強化を発動しながら、武器を鑑定した。まずは鎌からだ。
【
ランク・
上から2番目のランク。この武器を持って倒すと相手のステータスを少しだけ得ることができる。高ければ高いほど得るステータスも増えていく。そして鎌の刀身に魔法を付与することが可能。黒く光っている刀身は炎魔法だと赤く、泉魔法だと青く、岩魔法だとグレーに、霹靂魔法だと黄色に、疾風魔法の場合は半透明になる。その魔法を生かしているため、強く勇ましい炎を纏い、泉のように透き通った水を纏い、斬撃より打撃な岩を纏い、雷自体を操ってるような電気を纏い、鋭く突き刺すような風が纏う。また、与えた回数分スキルを
『強化・武器を構えた状態にあると、自分に敵意のある敵全員が恐怖を感じる』
『武器強化』をしたり外したりすると、『』の部分が消えたり出てきたりするので、発動すると強化される部分はここだろう。そして、割と強い。齢的にはこれだけで戦意喪失するんじゃないかと思うレベルで強いと思う。この感じだと、結構使えるかもしれない。俺はすぐさまクナイを取り出し鑑定した。
【
ランク・
上から3番目のランク。この武器を手にしている者は移動速度の上昇と静穏性が上昇する。耐久性が抜群で相当な攻撃が来ない限り日々も刃こぼれすらしない。敵に攻撃すると相手の視界に霧を出現させて視界を悪くさせる。またクナイの特性である投げる攻撃はいつもの刃より2倍以上切れるようになる。そして投げた後、持ち主の手元へと戻ってくる。
『強化・持ち方によって刀身に魔法が宿る。内側に刃を向けると炎を、外側は霹靂魔法が宿る』
こちらも強い部類、俺はこの強化通りに内側に持つと周りに炎が宿り、外我が荷物とちゃんと霹靂魔法が宿った。クナイの持ち手の1番下には回すための丸い穴が開いているが、試しに回すと交互に魔法が宿った。こちらはこちらでほかの使い道がありそうだ。さて、次はバタフライナイフだ。
【
ランク・
上から3番目のランク。この武器を所持している状態だとほんの少しずつに体力が減少していく。しかし、体力減少分に徐々に筋力が大幅に増加していく。また、バタフライナイフで技を決めるごとに魔力が少しだけ吸われ、その魔力でバタフライナイフの容器の中に液体状の猛毒が蓄積されていく。毒がたまっている状態で切りつけると、刃の先から毒液が漏れ相手を毒状態にさせることができる。その毒は伝説の魔物、フェンリルすらも戦闘不能にさせるほどの猛毒。その攻撃で敵を倒した場合、強奪したスキルが上位互換へと変化して得られる。
『強化・刀身に血液を入れると、刃が強化されて攻撃力と俊敏性がかなり上昇する』
これもまた強くなった。ん~、これはまたいいスキルをゲットしたかもしんねぇな。俺は武器を見つめながら強くなったスキルに浮かれていた。
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