第19話 出発
国を出る当日、俺はいつもより早く起きていた。現在時刻は5時、アーロンとはもう昨日の間にお別れを済ませており、国王様にもギルド長から国を出ることを伝えてもらっている。気に入って買った洋服『
武器は鎌とクナイ、バタフライともろもろの銃。もう5日前くらいが懐かしく思えるバタフライナイフ。これはもう衝動的に買ったようなものだが、もしクナイや鎌が壊れたりしたときの保険としてる使えるだろう。短期決戦用なのがもったいない、もしかしたら体力が増える鬼神化中に使うと相性がいいかもしれない。
お金。この国に来てからは相当懐も余裕ができた。まぁ1銭も使ってないが。現在の俺の懐はというとすごい。黒金貨3枚、金貨8枚、大銀貨2枚、銀貨6枚、大銅貨9枚、銅貨7枚となっており、大金貨と白金貨がないのがちょっと変な感じだ。
そして小・治癒ポーション、質屋で買ってそのままにしていたが、これはこれで使い道がある。再生ポーションを買ってもよかったんだが、『自動治癒』があるのでこちらに関してはいらないと判断したんだよな。
俺は荷物の忘れがないか再確認して、お世話になったアーロンに向けて金貨1枚を置いて宿を出た。宿を出ると、ルキアルア王国跡地を出た時を思い出す。あの時は朝日を見てすっげぇ感動してたのを覚えている。まだ朝日が昇りたてで冷たい風が吹いており俺の肌を刺激してくる。寒さで震える体もも、少しずつ刺してくる日光は極上だろう。宿から歩いて5分、門が見えてきた。その門の近くには、相変わらずの雰囲気を出しているルーナがいた。俺を見つけるとともに顔は明るくなり、小さく手を振ってくれた。
「待ったか?」
「ちょっと待った」
「悪い、寒かったか?」
「うん、まさかこんなに冷え込むとは思ってなかった」
「そうか....ういっしょ」
少し待ったせいか、ルーナの手は少し震えてた。ふぅと暖かい息を手にかけながら俺にこんなにも寒くなるとは思ってなかったと予想外だったという回答。俺はルーナをどうやったら温められるかという思考に至って出てきた回答。俺は着ているローブを脱ぎルーナにかぶせた。ルーナはかぶせた瞬間ビクッと体を身震いさせ、少し赤く頬をこちら向けた。
「あったかい」
「そりゃさっきまで俺が来てたからな」
「シリルの匂いがする」
「もしかして
「違う、いい匂い」
「...そうか」
俺のローブが温かいといってニヤッとしたルーナ。俺の匂いがするといった時は心配だったが、別に気にはしないらしい。こんな寒い中でも甘ったるい会話してたらローブを渡した俺も暑くなってくる。荷物をしっかり持ち直して言った。
「じゃあ、出るか」
「うん、私ナオ大土地にはいったことないからリードお願い」
「んなお願いしなくても、旅仲間なんだから」
「旅仲間....そうだね」
「ほら、新しい旅を始めるぞ」
「またアーロンに会えた時用のためにいろいろなことしなきゃ」
「アーロンに再会する前にアーロンが国を出る可能性もあるがな」
「その場合は何とかする」
「何とかするって言われても世界はルーナ中心じゃないぞ」
まさかこんな未来が待っているなんて思ってもなかったな。俺は初めてできた旅仲間との会話を楽しんだ。アーロンと再会したとき用のため、面白い話や悲しい話などの積もる話をためとかないとな。軽い冗談を言い合ったり、笑いあったりしながら、俺とルーナは1歩、2歩、また1歩と自然に足を踏み入れた。
「あったかくなってきた」
「だな、太陽の位置的に10時くらいじゃないか?」
「ローブ返す」
「サンキュ」
「さすがに今ローブは暑い」
5時間くらいが経過しただろうか。太陽もある程度のぼり、日光のパンチが強くなってきた時間帯だ。でもまだ風は吹いており、照らす日光に揺れる草や花が俺らの目の保養になってくる。フォォォォという風の音とさぁぁぁと草木がすれる音。耳が優しく包まれるような環境の音。まだ俺たちの視界には土地の境目にある壁、
「最初はどっちの王国行く?」
「ナルアリ王国が最初だな。こっちから言ったらオキスパスは相当遠いからな」
「そっか」
「聞いといて反応薄いな。....敵がいる」
俺から見て左に75度、42メートル先にある岩陰に、オオカミが数体いる。明確な数は分からんが、ある程度の呼吸音が聞こえるから油断は大敵だ。俺は左腕でルーナを止めて、バックから...バタフライナイフでいいか。バタフライナイフを取った。バックを地面に置き、バタフライナイフだけを構える。一応少しだけ技を決めておき、液体状の毒をためる。徐々に魔力と体力が削られている感覚があるものの、勝てないことはない。俺は『弱点可視化』『予測眼』『知識倍化』『運調節』『柔軟性向上』は発動。おそらくあっち側は俺のことをわかっている状態で物陰に隠れている可能性が高い。別に気配遮断しても変わらない。トップスピードで物陰に近づくと、オオカミたちは1歩下がり完全戦闘態勢に入ったのが目に見える。
「悪いが、俺のステータスの1部になってもらうか」
そういいながら、俺は群れの一番後ろへ移動。最初の1匹の首をはねる。残りは...4匹。2匹が俺の右腕を、2匹が左腕をめがけと飛んできて来るという『予測眼』が教えてくれる。飛びついてくる前にまず左腕を狙っている1匹の脳天を突き刺す。その次にオオカミたちが噛みついてくる。もちろん俺がそんな簡単に攻撃を食らうはずがなく、左腕を噛みついてきたのは左腕で、右腕に噛みついてくる1匹を右腕で頭を鷲掴みにする。もう1匹は右足で蹴り飛ばすとともに顎を砕く。鷲掴みしたオオカミは握り潰た。蹴り飛ばされたオオカミは意識が飛んでいる。しっかりバタフライナイフで心臓の働きを止めると、俺の圧勝。バタフライナイフで殺したからスキルは強くなってもらえるはず。俺はステータスを確認した。
攻撃力・7219
耐久力・3971
体力・1095
魔力・2751
特殊スキル
『無呼吸』『スキル強奪』『鬼神化』『弱点可視化』『スキル譲渡』『混合魔法作成』『呪い削除』
通常スキル
『歩行音抑制』『鑑定』『予測眼』『知識倍化』『運調節』『傷害交換』『柔軟性向上』『防御特化』『気配遮断』『捨て身』『武器鑑定』『武器強化』
条件発動スキル
『自動治癒』『自己蘇生』『銃スロー』『体力、魔力返還』『傷害時攻撃力上昇』『理性凝固』
今回もらえたのは『武器強化』と『呪い削除』というスキル。下位互換だったら、武器耐久力向上と呪い軽減だっただろう。呪い削除に関しては使えそうだな。自分にも第3者にも使えたら結構な儲けだな。
「どうだった?外の世界も魔物」
「思った以上に、弱かったな」
「まぁシリルだし」
「なんか含みのある言い方だな」
「別に、ほら早く行くよ」
俺はルーナに手を取られ、草原を走りながら
「走るの苦手なの忘れてた。ぜぇぜぇ」
「何をしてるんだか」
スキル紹介⇩
『呪い削除』
自分の相手の関係なく呪いを消すことが可能になる。しかし、呪いを消すだけあって相当な体力を要し、強力な呪いだと魔力まで持っていかれる可能性がある。その分の力はある。
『武器強化』
自分の持っている武器の特殊能力を1つ増やすことができる。攻撃力と耐久力も上がり、デメリットが発生する武器はデメリットが薄くなり、メリットが濃くなる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます