第12話 冒険者との決闘申し出

無事に持ち物検査を終了させた俺たち。あんなに危険な場所にいたからと宿に行って休もうと言われたんだが、こいつらは凄い冒険者なことを忘れていた。帰ってきたことを周りの人達が聞くと主に冒険者が集まってきた。もちろん冒険者いがにも武器職人などやおそらくルーナたちに助けられている民間人的な人たちも多数。


「ルーナさんたちが帰ってきたぞ~~!」

「「「「おぉぉぉ!」」」」


1人の冒険者が大声をあげ、その声を支えるように他の人たちは拳をつけ上げ叫びだす。もちろんそんなことに慣れていない俺は耳をふさぎ声が収まるのを待つ。大声が収まると、俺の視線が強くなっていき不安と疑問の声が上がってきた。


「なぁ、騎士団の人たちはどこだ?」

「アーロンさん達のパーティーメンバーは?」

「あいつ誰だ?」


騎士団がいない疑問、アーロンのパーティーメンバーがいない心配。そして、誰だお前と言わんばかりの少し強い視線。俺たちが何も言わないせいか、騎士団の人たちとアーロンのパーティーメンバーは死んだんじゃないかという声がうっすら聞こえ出してきた。アーロンはメンバーのことを聞くと身震いし、ルーナは騎士団のことを聞くと拳を強く握り始めた。すると、そんな騒音の中でもずば抜けて目立つ声が響きだした。


「ルーナ!そこにいるの!?」

「~っ!シャルロッテ?」

「っよかった!本当に、生きて帰ってくれて....」

「死ぬ寸前まで何回かなったけど元気」

「それは元気とは言わない!」


ルーナの少し低い低温ボイスとは違って、高く耳に透き通る声が俺の耳を刺激し始めた。銀髪の髪にところどころある黒髪、完璧なショートで緑と黄緑の瞳、身長はルーナと同じくらいにしてもルーナ以上に筋肉がしっかりしている腕がある。ラフな黒シャツに青のショートパンツ。むっちむちの太ももだがよく見ると筋肉がしっかりしており鍛錬がしっかりされていることが見て取れる。


ルーナとのおそらく再会を果たすとそのままルーナとハグをした。よく見ると銀髪の子は頬に涙を垂らしており、ルーナの帰宅を大いに喜んでいる。数十秒のハグが終わると肩に手を置いて...あ、こっち向いた。


「あんた、誰よ。まさかルーナを取ろうと!」

「ちょっと待て!」

「シャルロッテ、だめ」

「こいつはルーナを取ろうとする悪い男だよ!」

「ごめんシリル、迷惑をかけた」


盛大な勘違いをかましてくれるシャルロッテという女の子。しかし、さすがにルーナも見ていられないのか止めて俺に謝罪を決めてきた。まぁ確かに戦闘態勢に入ったけどルーナが謝ることじゃないぞ?お前は知り合いを止めただけだからな、誇ってもいいと思うぞ。


「あれ?ルーナ、敬語は?」

「外してるけど」

「なんで!あんたは相当な信用と尊敬を持たないと敬語は絶対に外さないって言ってたじゃん!」

「シリルはその尊敬に値する人だから」

「え、ルーナの敬語の理由そうなの?」

「そうらしいな」


ルーナとシャルロッテの口喧嘩を見ながらアーロンと小さく会話を交わす。シャルロッテは見知らぬ男に敬語を外しているルーナが気に食わないのだろう。まぁ見た目的に完全にプライドが高そうだしな。ルーナも怒ってはいないがしっかり反論している。俺で喧嘩しないでほしいな。ほら、どんどん周りの人の視線俺に行くから。


「言っておくけど、今のシャルロッテでもシリルには手も足も出ない」

「な!私よりこの男が強いっていうの!?一応私DOUBLEダブルSシグマランクなんだけど!」

「そう言っている」

「いいわ!そこまで言うなら....ねぇ!そこの男」

「え、俺?」

「そう!私と決闘しなさい!」

「....は?」


ルーナより強いんだな。そう思いながら二人の会話を聞いているとシャルロッテが俺に向けて人差し指を向けてきた。俺なのかという疑問を返すと、肯定し俺に決闘を申し出てきた。え、決闘....what!どうした!俺のどこが気に食わないんだ!?俺はそれ捕飛と文字であらわすように『は?』で返した。


「いいよ、シリルなら余裕」

「ちょっと待ってくださいルーナさん!!」

「わかったわ、そうと決まればすぐに冒険者ギルドに行くわよ」

「うん、でもとりあえずこっちの生存報告が先」

「わかってるよ」


勝手にルーナは決闘を受け入れた。もちろん俺の意見なんてなし。勝手に約束を取り付けたシャルロッテとルーナは再開早々に喧嘩しながら野次馬を抜けて冒険者ギルドに行ってしまった。俺とアーロンはそれを追いかけるように二人の後についていった。





「おぉ!戻ってきたか!」


俺たち、まぁちゃんと言うとアーロンとルーナが帰ってきたことを受付嬢に反したところすぐさまギルド長室に通してくれた。そこに座っているのはいかにもこわもてなんだが、はやり売りである冒険者が帰ってくることには喜びがあるのか顔もパッと明るくさせた。ちなみにシャルロッテは1度宿に帰って決闘の準備をしてるそうだ。ルーナとアーロンは正面のソファーに座り、俺は一応真横で立とうとしたんだが。


「何してるの。シリル、ここ」


と言いながらルーナは自分の隣に手を置きぽんぽんとかわいらしい音が響きながら俺を隣に座らせることを催促してきた。いやもちろん抵抗した。だが、あんな涙目でみられるとさすがに無理というかなんというか。


「彼は誰だ?君たちと一緒にいるということは相当な手練れなのだろうが」

「はい、私たちが王国を散策中に命を助けていただいた方です」

「はい、シリルと申します」

「だが、俺は彼を王国調査に向かわせた覚えはないんだが」

「王国に住んでました」

「.....」


俺はルーナに紹介されると、腰を曲げしっかりギルド長に挨拶をした。すると鋭いところを突いてくるギルド長、俺が調査に行ってないことにすぐに気づいた。....説明にすっごい時間かかってしまった。すいません私があんなところ住んでたからですよね。でもしょうがないです。とりあえずアーロンとルーナが王国であったことを説明。大まかに言うと、キングワイバーンを倒したこと、俺があそこで済んでいること、エリートとキングゴブリンの50以上の群れを壊滅させたこと。キングオークを数分で倒したこと、エンシェントワイバーンの首を一刀両断したことといろいろ。あと、ルーナが大まかなことを口にするごとにギルド長の目が引き気味になっている気がするが.....


「なるほど、分かった。ここから国王様に伝え、3日後に王城にいてくれ。こっちからも3日後と伝えておく」

「ありがとうございます、あともう1つ良いですか?」

「なんだ?」

「決闘場を貸してください」



あ、また引かれた。

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