第9話 命の賭け方

視界が敵しか映してくれない。キングオークが8体、エンシェントワイバーンが1体。キングオークの中で1体がスナイパー、3体がショットガン、2体がハンドガン、2体が大剣。おそらく『知識倍化』の3倍効果がうまく適用されているのだろう。相手の情報が視界に入れば入るほど脳で処理される。俺の頭はノートから電子機器に変わったかのように冴えている。


せっかくなんだ。いいスキルくらいは得たい。俺は左手にハンドガンを持ち、目の前にうつ。もちろんその先には敵なんていない。俺は撃った銃弾を右手の人差し指と中指でつかみそのまま銃弾の勢いで俺は体ごと銃弾についていった。俺の体重で比較的に飛距離は落ちているもののそこまでではない。何百メートルもあった間はすぐさま埋まりオークたちも驚いている。


俺はそのまま銃弾から手をはなす。この状態になると俺はすぐさまハンドガンを構える。『銃スロー』が発動し俺から見て視界はスロー状態に入る。俺はしっかり狙いを定め、スナイパーライフル持ちのオーク、ショットガンオーク2体、ハンドガンオーク1体、大剣持ちオーク2体に向けて撃った。


スナイパーライフル持ちのオークは重いものを持っているせいだろう、反応しきれずそのまま黒く光っている弱点の脳へ直で当たった。ショットガン持ちは1体が心臓にあたったが残りの2体は避ける。しかし避けきれるわけではなく両方左肩に直撃。大剣持ちのオークは大剣という接近戦を任せられているという理由だろうか、大剣で銃弾をはじいた。


重症2体の無傷2体。かなり重い、もう少しやれると思ったんだがなぁ。俺は地面に片腕を突きサイド回転。『銃スロー』解除され世界の動きが滑らかになると同時に俺はハンドガンを腰にしまいショットガンを取り出した。鬼神化で体ももう疲労を超えておる。なるべく早く仕留める。


俺は最初にショットガン持ちに標的にして走り出す。俺はショットガンを向け一人に発射する。顔面を破壊しそのまま地に倒れたが、まだ3体。残りのショットガンオークは俺に銃口を向けてきた。俺は被弾を避けるように蛇行して近づきそのまま顎から脳天に向けてショットガンを打ち抜いた。


俺は大剣オークのほうを見る。恐れてはいないが、驚いている顔をしている。俺はキングオークよりも体格はかなり小さい、しかし鬼神化している俺に今敵う相手はいない。すると俺に縦向きで大剣を下ろしてきた。俺は真正面からそれを右腕で受け止めてた。耐久力は相当高いが大剣にも強さがある、俺の右腕に1滴の血が垂れてきた。しかし、その血はある程度垂れた後は垂れることはない。そこに2体目のオークが俺の胴体を切り裂かんとばかりに大剣を下ろしてきた。俺はそれを腰に収めていた短剣を左腕で抜き止めて見せる。


「っひひひ!いいねいいねぇ!それだよそれ!面白くなってきた!俺のものに手を出したんだ!命の賭け方、今正しくしてやるよ!」


うつむいていた顔を真上にあげ叫びこむ。俺は右腕で抑えていた短剣無理やりへし折ってやった。その次、俺はショットガンで頭を撃ちぬいた。気づくと、俺にかかる短剣の圧力が徐々に小さくなっていることに気づいた。おびえている、いつしかキングオークも俺から大剣を離し後ずさり。許さない。もちろん俺はショットガンの引き金を引き喉をつぶした。


「次はお前だぞ....エンシェントワイバーン!」


家の上からおれたちの戦いを見物していたエンシェントワイバーン、エンシェントとつくだけあって年を取っている個体が多い。その経験が物語っている傷が体中に刻まれている。あいつも俺が勝つことを予想していただろう。俺は左腕の短剣を構えるさっきの大剣の重さに俺ではなく短剣が耐えられなかったのか折れている。しかしここにはいい武器が....


ある。

俺の目の前には俺の手くらいの大きさの両刃がついているクナイ、俺の身長2分の1、つまり60センチくらいの大きさの刃渡り俺の腕1本分くらいもある鎌がある。俺はクナイと鎌を拾った。エンシェントワイバーンと戦うのに最適な武器。俺は鎌を選択し、クナイはしまう場がないため左横腹にさしておく。

最後の戦いだ。


「俺に喧嘩売ったこと、後悔させてやる!!」


俺は片手で鎌を持ち外側に刃が来るようにセット。エンシェントワイバーンを観察する。突き出ている顎、俺とは違い純正の赤い瞳、尖り散らかしている歯に鍛え抜かれた羽。いや、この場合は翼といったほうが似合うだろう。先制攻撃はワイバーン、赤い瞳とは裏腹に氷のブレスを吐き出してくる。俺はそのブレスを鎌で1切りでブレスごと切り裂くとそのまま跳躍、鎌に俺の炎魔法を乗せ刀身を炎の刃と変形。ワイバーンの首めがけて一振りするがそこの間に翼が食い込み俺の攻撃を邪魔してくる。強硬手段だ、俺は岩魔法のアダマンタイトで体を貫き通した。10倍されている恩恵が体にしみわたり、翼を一刀両断することに成功した。


予想外の出来事だっただろう。自分と戦っている相手が急に自滅を始めるんだから。しかし、そんな自滅を始める初が自分の翼を切り裂くのだから。俺が切り裂くと翼の切れ目は焼け焦げている。俺は切れた翼を踏み込み土台としてもう一度ジャンプ、今度こそといわんばかりに俺はワイバーンの首の上に立った。


俺の目の前はぐらっと歪んだ。ポトッなんてなまった音とではなくドォォンとワイバーンの首は地に落ち、力がなくなった体もその頭に乗っかるように落ちていった。俺はよく頑張った。最後の俺の成果を確認すべく、俺はステータスを開いた。しかし俺はステータスなんて見る時間もなく意識は飛び去った。


攻撃力・7161

耐久力・3895

体力・1019

魔力・2641


特殊スキル

『無呼吸』『スキル強奪』『鬼神化』『弱点可視化』『スキル譲渡』『混合魔法作成』


通常スキル

『歩行音抑制』『鑑定』『予測眼』『知識倍化』『運調節』『傷害交換』『柔軟性向上』『防御特化』『気配遮断』『捨て身』『武器鑑定』


条件発動スキル

『自動治癒』『自己蘇生』『銃スロー』『体力、魔力返還』『傷害時攻撃力上昇』『理性凝固』


スキル紹介⇩


『混合魔法作成』

魔法と魔法をくっつけることが可能になる。炎魔法と泉魔法という合わせてはいけないものなどを混ぜても打ち消されることはなく、むしろ強化される。


『捨て身』

体力を現状の1割まで減らす代わりに攻撃力が化け物のように上昇される。しかしスキル名の通り捨て身なのでこの状態での長時間戦闘は不可能だ。


『武器鑑定』

武器のレア度や強さ、名前を確認することが可能になる。


『理性凝固』

媚薬や鬼神化などの理性に悪影響を及ぼす状態になると発動数する。理性が強化し、鬼神化の状態などは喋れたりすることが可能になる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る