第2話 魔法の出会い

ゴブリンとの大きな戦闘があってから1週間が経過した。

激闘とは言えないが荒々しい戦闘があれからもあった。でも、失敗はしておらず着々食料の備蓄もできてきた。


そこで、俺は久しぶりに家の物色に行こうかなと思う。10歳くらいまではゴブリンたちが怖く、家の腐ったものを得て食いつないでいたが、銃を偶然見てけてから討伐を決意したんだっけ。


しかし、家にもいいものがあり高級な本などがたくさんある書庫という部屋がある家もある。昔は紙を食べて腹を壊したこともある。そんな少々苦い思い出もありつつ、裏路地を出るため銃を背負いながら腰を上げた。


裏路地から出ると、いつもよりも少し静かだ。今は夜中な為人型モンスターは睡眠をとっているためだろう。俺は1つの家に目をつけ、『無呼吸』と『歩行音抑制』を発動して移動する。


ギィィィ

「っ!.....」


扉が放置されすぎていたのだろう。開けた瞬間に気味の悪い音を立てながら奥の部屋をあらわにした。魔物に気づかれる可能性も大いにありえるが、夜のおかげで誰1人も反応を見せなかった。


ほっとしながらも、警戒は解かずに部屋に入っている。コッコッコと歩行音を抑制しても少し漏れ出てしまう靴と木が合わさる音に少し心配しながらも、キッチンやリビング、棚などを物色。


見つかったのは草のみ。でも、『知識倍化』を発動すると同時にこの草が薬草であること、体力の消費を一時的に抑えること、名前はタルイ草であることが一気に脳に流れ出てきた。


薬草ということを知ったと同時に俺はバックに大事にしまい、2階へと足を運んだ。


「....ラッキ~」


扉を開けると、倉庫と思われる部屋に到達。食料や本が散らばっており、所々薬草がある。ここはもともと薬屋だったのかと思いながらもあらゆる本や草を物色。


また、薬草をポーションにするための用具が使いっぱなしで置いてあった。多分この家主は薬の作成中に魔物災害に合ったのかもしれない。


食料はパン、クラッカーのみで肉や魚など俺が欲していためぼしいものはなかった。ここはやめて別の家に移ろうと去ろうとしたとき、俺の目には1冊の本が目に留まった。


「魔導書?」


俺が頑張って学習してきた読みを使いその表紙の文字を読んでみる。そこには魔導書と書いており、著者の部分は敗れておりだれが作ったかわからない。


俺は、これを見て一つ思い出す。ドラゴンブレスだ。俺が戦闘中でも裏路地にいてもよく聞く音。俺はこの攻撃を一度だけ食らったことがある。皮膚は炙られ、肉は柔らかくなっていき、骨は容赦なく溶かされた。屈辱的な痛みを経験したが、『自己蘇生』のおかげで何とか首の皮一枚つながった。


もし俺が魔法を習得すれば、少しくらいはこの国プラットファーム上がるのではないか。そんな好奇心で俺は座り魔導書を開いた。




俺が分かったことをまとめる。


まず魔法には炎、泉、岩、霹靂へきれき、疾風の5つに分かれている。そして、その中にも階級があり初級、中級、上級、超級と4段階に分かれている。急が上がるごとに威力は上がり魔力の消費量も上がる。

魔法は自分で考えるもので、自分で作り自分で名づける。

魔法の出し方は無詠唱術式、署名術式、召喚術式に分かれており、無詠唱術式は想像と感覚で魔力回路をつなぎ魔法につなげる。署名術式はあらかじめ紙に魔力回路を埋め込み魔力を込めると発動する術式。召喚術式は名前の通り、人、獣やドラゴン、物体でも物質でも何でも可能。しかし、生物を召喚する場合は相当な魔力を要する。

魔力切れを起こすと、体力が全く消費されていなくても極度の疲弊状態に陥り、行動が困難となる。


こんな感じだ。もちろんもっと書いてあるが、俺が分かるのはこれくらい。破れていたり文字が消えていたりいろいろ事情がある。


「試しにやってみるか?」


俺は好奇心で魔法を試すことを決めた。

ここは家なため、何も問題がなさそうな疾風魔法を選ぶ。無詠唱術式を挑戦しようと俺は心の中で魔法を全力で出そうとする。


「出ない...」


俺の手からは出ることがなく、静寂な中で俺の声が響いただけ。この本はうそをついているかと疑心暗鬼になりもう一度読んでみる。するとページとページがくっついで俺が読んでいないところが出てきた。


まず、魔法は自分の魔力の存在について知ること。自分の奥底にある魔力を引っ張り出して、体中どこからでも魔力を引っ張り出せるようになれば、自分で考えておいた魔法名を想像。すればおのずと出てくる。


的なことが書いてあった。まず魔法名をしっかり考えることが大事と書いてあったので、俺のボキャブラリーの少なさから言葉を選び魔法名を考える。


「.....龍の息吹、なんてどうだろう」


割とまともなものが出てきたことに驚きつつも、即座に俺は目を瞑り自分の魔力を探し出す。すると、俺の腹らへんに紫色のもやもやがあることが分かった。これを引っ張り出し、人差し指に伸ばしていき、人差し指を真上に向けた。


人差し指に到達すると同時に魔力が少し多めに取られ、風が出た。ゴォォォォと音を鳴らしながら俺は目を開けると、衝撃的な情景が視覚を驚かした。


消し飛んでいる屋根、まだ浮いている本、めくれる壁の板。俺には衝撃的な思いと共に、また強くなれるという向上心に駆り立てられていた。ウキウキ気分で俺は魔導書をバックに入れ、次の家へと向かった。



「はぁ、何で早くあの家行かなかったんだろ」


魔導書を見つけて約4時間。6件くらい回ったが、いいものがなくそのまま拠点へと帰った。


あの魔導書を早くゲットしていればという後悔と、これからまた快適に暮らせるという喜びが同時に心臓を締め付け、これからどうするかという考えという思考に入っている。


魔法を強くすれば単独でゴブリンの群れを潰すことが可能になる。それを考えると、魔法を考えたほうがいい。そう決意した俺は、白紙の本に思いつく限りの魔法名と想像を書き、他のページは細く切り署名術式を研究し始めた。

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