朽ち果てた国に生まれた俺。魔物しかいない地面這いつくばって生きていたら最強になっていた
ふにえる
1章 王国跡地の生存者
第1話 朽ちている国
「っハァハァ!」
俺は息を切らし、狭い裏路地へと急いで足を運ぶ。
裏路地に着くや否や俺は息をひそめ、本通りの道を見る。次の瞬間、数十体のゴブリンが大進行して見えてくる。
俺は見つからないように特殊スキルの一つを発動。俺から呼吸の音が一切聞こえなくなり、通常スキルの中の一つを発動し歩行音を最大限最小にする。
ゴブリンが見えなくなるのを確認すると、俺は移動をはじめ拠点へを帰った。
「ハァ、今回はまぁまぁだな」
俺は手に抱えているのを見てそう嘆いた。獣の肉だ。しかも脂が相当ある。俺は久しぶりのごちそうに心を躍らせながら肉を串にさし焼き始めた。
最初は音一つなかった拠点も、焼き始めた途端食欲を掻き立てる音が周囲に響き渡る。しかし、ここは裏路地の中でも最深部。全く魔物に気づかれることなく焼くことができる。
焼き終わった串焼きを半分を一気に口に入れた。「ハフハフ」と冷たい空気を取り込みながら1噛み1噛み味を堪能した。
そうすると、俺の口には言わずもがな最高の風味が口いっぱいに広がりそれをより感じるためにたくさん噛み続けた。
満足した俺は一度横になり健康のため睡眠をとろうとする。しかし、さっき負傷した腕が痛み俺の脳を無理やりたたき起こしてくる。寝ることは無理だと悟った俺は、しょうがなく寝ることをあきらめ、自分の装備をまたもや強化する。
俺の服は灰色のジャケットのようなものに、ゴブリンが装着していた銃弾を通しにくい黒い防弾ジョッキというものを着ている。俺はこの装備を一度脱ぎ、服にまた便利な機能を足していく。だが、そんなに簡単に便利が増えるのではなく今回は考えるだけで終わってしまった。
思考をまわしているうちに俺の体は条件発動スキルが機能しており、体が完治し万全といっても過言ではない状態になる。
その状態を確認すると思考を動かすのをやめ、睡眠に着いた。
朝起きると、俺は脱ぎっぱだったジャケットを着て銃を背負い大通りを目指し動き出た。
家の屋根を上り、周りを確認する。俺はもう見慣れたがやはり想像を絶する情景が俺の目を襲う。まさに弱肉強食を絵にかいた国。壊れた王宮、腐った木の家、焚火の周りにいるゴブリンの集団があちらこちら、ワイバーンが上を飛び、ドラゴンが寝込んでいる。
俺はいつも通りゴブリンを標的に絞り、屋根を降りて戦闘態勢に入る。すかさず俺は特殊スキルの一つを発動、呼吸をせずに近づき食料を奪う。
カタッ
「っ!」
しかし、そんなにうまくいくはずもなく俺は木の実を落としてしまい音が響き渡る。集団のゴブリンが全員俺の存在に気づいてしまい、俺の顔は徐々に青ざめていく。
「「「アァァァアア!」」」
ゴブリン全匹が棍棒を持ち、俺目掛けて走ってくる。
俺はすぐさま通常スキルを発動。俺の視界全体が2重になりそのあとの動きの方は最初の動きの道をたどっていく。
ある程度どのような攻撃が来るか把握した俺は近くにある壁をけり宙に浮く。そして俺が銃を構えると世界の動きが全体的にスローになる。俺は相手に向けて銃口を向け5体のゴブリンの頭に銃弾をお見舞いする。
地面に着地してから、俺はゴブリンに負けないように再度ステップを踏みこみ一体のゴブリンに銃口を向け、引き金を引く。
残り8体。俺は空になったマガジンを捨て、すぐさまストックのマガジンを防弾ジョッキから抜きはめ込む。俺は銃をすぐ構える。が....
俺の右横腹に矢が飛んできた。俺は不意の攻撃をぎりぎりよけることに成功するがゴブリンは俺の隙を見逃すことはなく、俺の左横腹に棍棒思いっきりぶつけてくる。
急な痛みを感じた俺はすぐさまバックし、殴打場所を確認。血がだらだらと垂れており、俺はすぐさま防御態勢に入った。
しかし、そんな防御なんて簡単に打ち消されるように腕、足、肩に膝。次々と俺にダメージが入っていく。出血により俺は頭がくらくらともうろうとする。
防御態勢なんて考えられないほど疲弊した俺は、終わりなのかと思っていたがちょうどいいところにワイバーンが乱入。ワイバーンはゴブリンが目当てなのだろうか、俺には見向きもせずゴブリンを食い散らかしていく。
その瞬間を逃すことなく俺はすぐさま撤退。存在をできる限り消した状態で裏路地へと撤退した。
「ってぇ」
横腹を抑えながら、苦痛に耐える。あそこまで応戦したのに銃弾を6発分浪費しただけ。ここまで来てよく俺は生きているなと思いながら、ステータスを確認する。
攻撃力・6400
耐久力・2214
体力・772
魔力・1553
特殊スキル
『無呼吸』『スキル強奪』『鬼神化』
通常スキル
『歩行音抑制』『鑑定』『予測眼』『知識倍化』『運調節』
条件発動スキル
『自動治癒』『自己蘇生』『銃スロー』
初めてステータスを確認した時よりかは大幅に上がっているが、これでもここで生きれているのは銃のおかげ。俺は最大限のありがたさを感じつつ、自動治癒が発動する。
徐々に体の痛みが癒えてくるとともに、天候が荒れてくる。今の気温は十分寒いため、雨が降られては困る。俺は『運調節』を使用して雲が去ることを願った。
「お、晴れてきた」
俺の上の雲は徐々に散っていき、太陽が裏路地を照らしてくる。暇な俺は『鑑定』と『知識倍化』を使い銃の研究に入った。
スキル紹介⇩
特殊スキル
体力消費して発動するスキル。体力という重いものを消費する分とても強力なものが多く、これだけで形勢逆転も可能。
『無呼吸』
体力を大幅に消費するとともに一時的に無呼吸でも生きていける状態になる。体の皮膚呼吸が強化され、走れば走るほど呼吸できる。
『スキル強奪』
名前通りスキルを強奪することができる。しかし、相手よりもステータスが圧倒的に低かった場合、奪うことはできない。
『鬼神化』
理性を手放す代わりに攻撃力、耐久力、体力を大幅に上昇させる。しかし、鬼神化を解除すると体に大きな負担がかかりひどい場合は死に到達する。
通常スキル
魔力を消費して発動するスキル。日常で使えるものや必殺技のようなものなどと差が激しく、強ければ強いほど身体の負担が大きくなる。
『歩行音抑制』
歩行音をある程度消すことが可能。魔力を使えば使うほど音は消えていく。
『鑑定』
人などのステータスや物の価値、自分のスキルをある程度確認できるスキル。人や魔物に使う場合、自分より強いと見えなくなり差があればあるほど見える範囲はなくなってくる
『予測眼』
魔力を大幅に消費する代わり、相手の2秒先の動きが可視化される。人ではなくとも、物体や魔法も可視化できる
『知識倍化』
大まかなことを知っていれば大体が分かるようになる知識スキル。魔力の消費が少なく、かつとても有力な使えるスキル。
『運調節』
自分に巻き起こる運をある程度操作できる。25%ほど操作可能。
条件発動スキル
一定の条件が出そろうと何をしなくてもの発動するスキル。体力や魔力を消費することがないため気づいたら役になっていることが多い。
『自動治癒』
自分に傷となるものができると発動する。毒も病気も傷の跡も、基本治すことができる。だが治癒までの時間が長いため、戦闘中より戦闘終わりなどで活躍する
『自己蘇生』
半年に1回、自分の生命が完全に途切れた時にスキルが発動。自分の完璧の3割ほどが回復して蘇生される。それは原型をとどめていなくても、死ぬことはない。しかし半年に2回を迎えると、蘇生は発動しない。現在は3回分たまっている
『銃スロー』
空中にいる状態で銃の狙いを定めると発動。世界がスローモーションになり、敵の弱点などを狙いやすくする。
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