第2話 日々の風景観察記など・・・

蓑虫の 引っ越しなりや よちよちと 石ころさけて 匍匐前進

だんごむし どこから来たの 台所 暑さ逃れて 一休みかな

夕闇に ふわりふわりと 揺らめくは 毎年来たる ホタル数匹

野の草に てんとう虫の ななつぼし 宵空見れば 北斗七星

縁側に 黒き行列 アリ軍団 虫の亡き骸 小分け運びし

いつの間に 二の腕食らう 藪蚊かな かゆみ気づくも 腹立ち遅し


田植え時 ぬれ縁見れば きみどりの ぴょんぴょん跳ねる 雨蛙

今いづこ 殿さま蛙 探せしも はるか昔の 記憶あるのみ

湧き水に 手招きしつつ 遊びしは 赤ら顔した 沢ガニ親子

青空に ひときわ目立つ 赤とんぼ 水辺の石に 二匹とまりて

軒先の つつじに宿りし アブラセミ 夜中にそろり 成虫なりし

夜更けて コツンこつんと 音せりは 茶の間のまどに ぶつかるカブト

梅雨時に ササッと逃げる 正体は 毎度お馴染み こげ茶の主か

黒蛇の にょろにょろ這うは 家の庭 守り神かと 長生き願う


カルガモや 毎年飛来 狭き川 親子そろいて 苔をついばむ

公園の お池に住みし 岩亀や いつも元気に 甲羅干しなり

裏山の 竹林騒ぐ イノシシの 親子3頭 エサ掘りあらく

朝早き 山のどこかで うぐいすの さえずり聞くも 目覚め叶わず

初つばめ 春のお告げか わが村に 小屋の横木に 巣づくりなりや

となり村 空のカラスが 泣き叫ぶ 誰ぞ天国 上りしかも



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