5.今宵、魔女は世界の隣に寄り添った
最終的に天空帝国において、魔力を噴射して飛ぶ箒を中心にそれを多数連結し宙に存在する有害な全てから搭乗員を守る為の防御魔法を
外殻にトラブルが発生した時や外殻の修理をせねばならない時の為に、気密式羽鎧……空と違い宙では【翼の原理】は使えない為純粋な魔力噴射推進装置に羽は変更されたが慣例上羽鎧という名前は継続された……を操縦者は纏い、様々な防御魔法を
箒乗りの魔女達には低速低空域の象徴であった羽鎧の着用は大不評であったが説き伏せ、過去に類を見ない大加速箒に耐える為の一大選抜と訓練が行われた。
何しろ
箒一本に、魔女一人が必要なのである。
まず第一弾
ここから第一弾
その後第二弾
そして最後の第三弾
“飛ぶ教会”と呼ばれた巨大な飛翔体を支える合計12人の魔女達の組み体操じみた曲芸飛行、しかもうち八人は高空用に改善された飛行魔法と、頂点の四人は宙専用の航宙魔法を覚えねばならぬのである。更に、慣れない宙用羽鎧まで着て。留めに、歴史上類を見ない速度の反動を受けながら。
魔法大戦時の勇者選抜を思わせる艱難辛苦の訓練の末、十二人の魔女とその十二人中の頂点、即ち第三弾
ニーナ・チェーホワ。
彼女が、人類最初に宙を飛んだ。
それまでの実験観測で巨大な球体である事が算出されていた世界を、初めて外側から見て、その周りを巡った。
「今宵、魔女は世界の隣に寄り添った」
通信魔法によってもたらされたその時の彼女の言葉である。
彼女は宙から帰還し、英雄となった。
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