3.初期のアプローチとその失敗
最初に月へのアプローチを仕掛けたのは魔法皇国であった。
元々本来魔法研究の総本山でありながら、実用本位の航空魔法兵器の開発においては軍事力に長け国名にまで航空魔法に関わる名を掲げた天空帝国に脅かされていた。
危機感と魔法学知識の両輪が、魔法皇国を月へ突き動かしたのである。
魔法皇国が選んだ手段は転移魔法であった。
月が砂漠に近い環境の大地からなる事、大地からは
他諸国の魔法学では不可能だが、魔法皇国の魔法学であればこれだけの条件で十分目標までの転移魔法を構築する事が出来るとされ、事実計画の主導者ジェルズ・ウィヴァー大司教は、ウィヴァーライトと呼ばれる巨大魔方陣を書き上げた。
実験場である第三魔法図書館中央ホール、大闘技場にも勝る空間一面に巨大にして複雑な複合重層立体魔方陣が構築され、そして。
……第三魔法図書館は完全に壊滅した。後に第三魔法図書館航宙惨事と呼ばれるこの事件は、月の空間と接触した魔方陣が周囲の空気を魔方陣崩壊まで強風を発生させ各種物資諸共強烈に吸い込み続けた事と、儀式に使われたものと第三魔法図書館の収蔵品の幾つかからなる複数の
同時期、
砲弾に人類が入るくらい巨大化させた大魔砲マウントヤードで月に
これは結果としては強化魔法で守られた
また、なまじ密閉構造で
そう、これに続き、そして再びの悲劇となったのは、天空帝国の新型箒と
また、同時期にそれぞれ魔法天馬や魔獣馴致法などを主とし航空魔法でやや出遅れていた森林連合王国と大草海単于国は、前者は品種改良した自身の魔力を全てより高い成長へと品種改良し硬度化した中空の幹に
先の魔法大戦で人類と魔類が空中戦を行ったのは、地上を視認し対地攻撃を行える程度の高さ。
この時人類はまだ、空の上がどうなっているのかを知らなかったのである。
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