第12話
祭りは盛大なものだった。
真咲たちは、屋台で買ったタコ焼きや焼きそばを食べながらそれを
「お姉ちゃん美人やから、キーホルダーもオマケね。丞玖、ええなあ。紹介せえよ。で、そっちは誰。この人の弟さん?」
聞かれて丞玖が「今年の贄」と答えると、親父はまじまじと真咲の顔を眺め「こりゃ今年は豊作やな」と笑った。恥ずかしくなって顔を伏せた真咲の肩に手を回し、丞玖が「そうだろ」と、何故か自慢げに言った。
日が暮れるとあちこちに吊り下げられた
紫の地に大きな花をあしらった浴衣を着た未優を、エスコートするように丞玖が歩く。その後ろをついて歩きながら、真咲は今度こそ本当にお邪魔虫な気がして、少々手持無沙汰になりつつあった。
夜に行われる儀式の準備がある為、八時には戻るように言われている。真咲は二人の邪魔をしないように一足先に宿へ帰ることにした。
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