第5話 魔術師

 この世界には、人々の知らないもう一つの側面がある。

 ―――魔術師。

 この世界に普遍的に存在する、『魔力』を用いて様々な奇跡・神秘を再現する者たちの総称。

 美山家もまた、その一つ。

 この家は平安時代から続いており、彼らを基盤に日本の魔術世界は確立していったと言われる

 しかし、美山家の代々受け継ぐ魔術は特殊であり、他の魔術師たちからは忌み嫌われるものだった。そのため、他の魔術師との親交も浅く、一族の中では魔術師であることを隠して普通の人間として暮らしている者のほうが多い。

 そんな滅びる定にあった美山だったが、数年前に転機が訪れた。先代の妻が生んだ子供が、『奇跡の子』だったのだ。

 魔術には属性があり。地・水・火・風・空の五つある。この属性は一族ごとに向き不向きが分けられる。そして、この五つの属性をすべて使える者を魔術世界では『奇跡の子』と呼んでいた。

 先代が十五年前に引退し、その子供が当主となった。しかし、その数ヶ月後に子供は消えるように姿を消した。

 その子供は未だなお、行方不明である。




 

 

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