軍事救国評議会//ゲームセット
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──軍事救国評議会//ゲームセット
デモン・レギオンは軍事救国評議会が立て籠もるアーセナルセクターを包囲。
「どうです?」
「アリスから連絡があった。軍事救国評議会に合流したMAGの連中は寝返りたがっている。それを受け入れることが条件だ」
「受け入れましょう」
ファティマとジェーンはアーセナルセクターの防衛情報を手に入れようと潜入中のアリスを頼っていた。
「オーケー。来たぞ。これがアーセナルセクターにおける軍事救国評議会の防衛体制だ。連中は空中機動部隊に警戒しているな」
そして流れてきた軍事救国評議会の防衛作戦を記したデータには大量の
「どうする?」
「地上軍で制圧するのみです。数に任せた攻撃になりますが、幸い今の我々は数だけでなく室も備えていますよ」
デモン・レギオンはこれまでの戦いで大量の兵器をエデン統合軍や
戦車などの正面装備も充実しており、またトラックも大量に手に入れた。よって今のデモン・レギオンはゲヘナでの戦いを戦っていたときよりも恵まれている。
「MAGとジェリコは離反する準備があると言っているが」
「いいですね。タイミングを見て裏切ってもらいましょう。
MAGとジェリコといった軍事救国評議会についた
「それでは作戦準備を。この戦いでエデン内戦をついに終わらせるのです」
ファティマの指示でデモン・レギオンが作戦配置につき始めた。
火砲が配備され、
そして──。
「全軍、前進開始です!」
ついにアーセナルセクターへの総攻撃が開始。
火砲が一斉に火を噴き大量の砲弾を軍事救国評議会の陣地に叩き込み、
軍事救国評議会は当然これに応戦しようとしたが、防衛を担当しているはずだったMAGとジェリコなどの
それによって防衛線には大きな穴が開き、そこからデモン・レギオンが押し寄せてくる。軍事救国評議会の防衛計画は崩壊し、MBT90主力戦車やARM74主力戦車からなる装甲部隊が歩兵をタンクデサントさせて侵入。
戦闘はアーセナルセクターの施設内に移り、激しい銃撃戦が繰り広げられる
ここまでくるともうクリスティーナにできることもなかった。
「ここまでか……」
部下たちから崩壊した防衛計画について聞かされ、クリスティーナが首を横に振る。
「残念だ。我々こそがエデンを救うのだと思ったのだが……」
クリスティーナは執務室に籠ってそういうと机の引き出しを開けた。そこには45口径の自動拳銃が収められていた。
「エデンは終わりだ」
そう言うとクリスティーナは自分の頭を撃ちぬき自殺。
これによって軍事救国評議会の抵抗は瞬く間に微弱なものへとなっていく。
「これは勝てそうですね」
前線で指揮を執っていたファティマがそう言う。
「ああ。いよいよ勝利だ。この後のことは考えてあるんだよな?」
「ええ。ちゃんと考えてありますよ。しかし……」
ガーゴイルが尋ねるのにファティマがそう言葉を濁す。
「エリュシオンに本当にお前を助ける技術があるか、か?」
「そうですね。今のところエリュシオンからの干渉はありませんでした。彼らがどうして介入してこないのかとか考えていたのですが、分からないのです」
「行けば分かる。そして、このアーセナルセクターを制圧して軍事救国評議会を制圧すればいよいよエリュシオンに向かえる」
「ですね。どうにかなることを祈りましょう」
ファティマたちがそのような会話を交わしている間にもデモン・レギオンの進軍は進み、7日間の戦闘の上にアーセナルセクターは制圧された。
エデン統合軍はこの戦闘の末についに壊滅。
「勝利です!」
ファティマが制圧下にあるキャピタルセントラルセクターにて宣言する。
「エデンは今や我々の占領下にあります。我々はエデンを手に入れたのです」
エデンにおいてファティマたちこそが権力者となった。エデンは戦闘で荒廃したものの、もはやエデン社会主義党は存在しない。
「ここに新たにゲヘナ=エデン連合共和国を建国します。これからはゲヘナとエデンの間に壁はありません」
エデン社会主義党による支配の終わりと同時にゲヘナやカースト下位の人間への差別的な待遇が終了した。これからはゲヘナの市民もエデンの市民と同様に扱われる。
「具体的な憲法については後々議論しますが、この国の政体は大統領制とします。初代統領にはシシーリアさんを。お願いしますね」
「はい」
ファティマが任命するのにシシーリアが頷く。
「元老院議長にはバーロウ大佐を」
「ああ」
デモン・レギオンでもっとも有力な部隊を抱えているバーロウ大佐がデモン・レギオンに向けてカイラのように反乱を起こさないよう、ファティマはバーロウ大佐を重要な地位につけたのであった。
「カーター先生。アレクサンドリア作戦の方はどうでしたか?」
「成果はあった。重要な技術を持っている人間たちを我々は確保している」
「それは何よりです。テリオン粒子に関するものはありませんでしたか……?」
「残念だがあまり進展はなかたった」
「やはりエリュシオンを目指さなければならないみたいですね」
ミアが申し訳なさそうに言うのにファティマがそう言う。
「ファティマ。お前は新政権でどのような地位に就くんだ?」
「私は今のところどのような地位に就くつもりもありません、バーロウ大佐。何せ生き残れるかどうかも怪しいのに新政権の役職なんていう重要な地位に就くのは無責任だと言えるでしょう」
「それはそうかもしれないが。それでもお前だって地位が欲しかったんじゃないか?」
「今はもういいんです。私にはサマエルちゃんがいますから」
バーロウ大佐がいぶかしげに尋ねるのにファティマが笑みを浮かべて返す。
「そうかい。お前が生き残れることを祈るよ」
「ありがとうございます」
バーロウ大佐は心からファティマを心配しているようだった。
「エリュシオンについて情報収集を頼んでいましたが。どうですか、ジェーンさん?」
「何の情報もない。レナトがエリュシオンに接点があったようだが、今や途絶えている。エリュシオンとの連絡手段は何もない」
「軌道エレベーターで向かうしかないと」
「そういうことだ」
ファティマの確認にジェーンが頷く。
「では、私とサマエルちゃんはエリュシオンに向かいます」
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