初めての仕事//目標救出
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──初めての仕事//目標救出
ファティマがMAG部隊に向けて叩き込んだ
「上出来です。残りを排除しましょう」
歩兵が全滅したアーマードスーツと
アーマードスーツも
「ふっ飛ばしますよ」
ファティマはTYPE300装甲兵員輸送車にマウントされた口径12.7ミリ重機関銃の射撃をエネルギーシールドで防ぎつつ、それに対して肉薄。同時にジャンプするとその上部に上り、兵装が使用できない位置に立った。
「これをどうぞ! 遠慮せず!」
乗員の脱出のためにロックされていなかった車長用ハッチをファティマが開き、焼夷手榴弾1発を放り込んでハッチを閉じて離脱。
『ああっ──』
「さてさて、次ですよ、次」
もう1台のTYPE300装甲兵員輸送車は
エネルギーシールドは万能ではない。一定のダメージを受ければエーテル粒子の密度が薄れ、敵の攻撃を突破させてしまう。重機関銃の連続射撃や対戦車ロケットを受ければ一撃で無力化される。
「さて、残る
幸いにして今のMAG部隊には索敵能力が低い装甲目標が孤立していた。彼は随伴歩兵からの情報がなく、すぐにファティマを見失ってしまう。
「
ファティマはそう独り言を呟きつつ、アーマードスーツに接近。
『クソ。敵が肉弾戦を仕掛けようとしてやがる! させるかよ!』
アーマードスーツが口径40ミリ機関砲と口径12.7ミリ重機関銃を乱射し、ファティマの攻撃を阻止しようとする。
「やられませんよ」
ファティマは再びエネルギーシールドを展開し、その防御力が耐える限り使用し続け、、アーマードスーツに瞬く間に肉薄。
「そこまでです。グッバイ!」
ヘカトンケイル強襲重装殻の胸部に設置されているパイロットシートに向けてファティマは生成したエネルギーブレードを突き立てる。
『があっ──』
エネルギーブレードはアーマードスーツの胸部に火花を散らさせ、中にいるパイロットを殺害し、アーマードスーツのいベトロニクスを破損させ、戦闘不能に追い込んだ。
「最後は
TYPE300装甲兵員輸送車は
『近接されてるぞ! 近接防衛兵器を使用しろ!』
『了解!』
しかし、今回の攻撃では
その近接防衛兵器というのは車体に搭載された口径60ミリ軽迫撃砲で、そこからキャニスター手榴弾同様に鉄球を詰めた迫撃砲弾を発射。その迫撃砲弾が空中で爆発することで肉薄してきた敵を撃退するのだ。
「おっと! 危ない、危ない!」
しかし、ファティマはそれに対してエネルギーシールドを展開。魔術師の中で最高位の技術を有すると認定されたアルファ級高位魔術師であるファティマのエネルギーシールドは敵の抵抗からファティマを守った。
「では、これで終わりです」
ファティマは
『離脱だ! 離脱する! このままでは戦えん!』
そして、MAG部隊の
「よし。よくできました! では、
敵を撃退したファティマが屈託のない笑顔で言うと警察署の物陰に待たせていたサマエルの下に向かって戻る。
「サマエルちゃん。終わりましたよ」
「お姉さん! 大丈夫? どこも怪我してない? 痛いことなかった?」
ファティマが戻ってくるとサマエルが慌てて近寄り、心配しきった様子でファティマの様子を見る。ファティマの纏っているリクルートスーツとタクティカルベストにはMAGのコントラクターから浴びた返り血などがついていた。
「心配してくれてありがとうございます。ですが、私は大丈夫ですから。敵はいなくなったので急いで
「うん。お姉さんは強いんだね……」
「エリートですから! さ、行きましょう」
サマエルがファティマを見つめるのにファティマはにっと笑って返し、サマエルの手を握るとエントランスから警察署内に入った。
「サマエルちゃん。私の後ろからついてきてください。ブービートラップなどが仕掛けられている可能性がありますので」
「分かったよ。ついていくね」
ファティマは警察署の中をサマエルを連れて進む。
警察署内はMAGにより臨時の拠点とされていたようだ。オフィスがあっただろう場所は机や椅子がどかされ居住空間が作られていた。寝袋や簡易ベッドが並び、未開封の携行糧食やペットボトル飲料がその傍に置かれている。
「大丈夫ですね。今のところは、ですが」
ファティマが起動させているZEUSのアプリのひとつが妖精の演算によって映像を分析して、不審物を検出している。それでも完全な検出は不可能だとファティマも知っているので、自分で確かめながら進んでいた。
「
「気を付けてね、お姉さん……」
ファティマはサマエルを廊下に面するオフィスだった部屋に隠れさせ、自分は
「警備はなし。妙ですね。脱走を警戒しなかったんでしょうか?」
フォー・ホースメンの兵士たちが監禁されている場所はどうもおかしかった。警報装置の類はなく、見張っているコントラクターもいない。フォー・ホースメンの兵士が脱走するなど考えていないかのようだ。
ファティマは罠の可能性を考え、慎重に近づきドアの横の壁に張り付き、ドダのノブを確認する。ドアノブにはカギがかけられていた。
「では、マスターキーで」
そこでエネルギーブレードを形成し、その刃をドアノブに突き刺す。ドアノブごとカギが破壊され、ドアが開く。
ファティマはMTAR-89自動小銃をスリングにかけて吊るし、SP-45X自動拳銃を右手に握るとエネルギーブレードを左手に構える。
狭い室内では銃身が短いブルパップ方式のMTAR-89自動小銃でも取り回しずらいために、素早く目標を狙える自動拳銃とエネルギーブレードで
「その場で両手を頭の後ろに組んでください! 歯向かえば撃ちます!」
「うおっ!?」
ファティマが
叫び声を上げたのはフォー・ホースメンの戦闘服を纏っただけの2名の男性兵士。バーロウ大佐からの
「生体認証します。動かないでくださいね」
ファティマは取調室におかれた椅子に腰かけている2名の兵士の生体認証データをZEUSで取得し、バーロウ大佐から渡されていた
「オーケー。一致です。バーロウ大佐の依頼で助けにきましたよ」
ファティマは2名の兵士にそう微笑んで告げた。
……………………
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