第4話 統合失調症とお酒

 僕が初めて統合失調症と診断されたのは27歳の時です。


 あるセミナーに参加してハイテンションになりました。僕は天の神様の声を聞きました。今考えればこれは幻聴だったのだとわかります。天の神様はいろいろな手段で僕に信号を送りました。


 この時僕はワンルームマンションに一人暮らしをしていました。住んでいた場所は商店街にあり、僕は毎日外食をしていました。その時レモンハイを4杯くらい飲んでいました。


 その場に一緒に居合わせたお客さんが僕の事を話しているように聞こえました。テレビがあれば、テレビに出演している人が僕の事を話している感じがしていました。


 妄想して最後には僕が死ねば人類を救うという所までいきました。


 誰にも相談する事ができませんでした。妄想でこの事が他に知れたら全てを破壊すると言われていたからです。僕はその妄想を信じ切っていました。今でもその妄想が本当にあるのではないかと苦しくなる時があります。


 断酒するとか休肝日を作るとかの以前の問題でした。


 誰かに狙われているとか、つけられているとか、まさに統合失調症の症状でした。お酒を飲む事で不安も大きくなりました。とうとう会社に行けなくなり、兄に助けを求めました。


 精神病院に入院する事になりました。閉鎖病棟に入れられ、そこからが本当の地獄でした。入院している全ての患者が重い精神病を患っていて、まともな人が1人もいなかったからです。僕もその1人だと思うと絶望感しかありませんでした。


 退院できるまで1年以上かかりました。


 退院後、僕はまたお酒を飲み始めました。誰もお酒を止めろとは言いませんでした。精神薬に対して無知だった事もあります。


 僕はその時、すでにアルコール依存症だったのではないかと考えています。


 今、断酒5カ月ですがこれからもお酒の無い生活を続けていく覚悟でいます。

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