第4話
入寮から1週間…遂に入学式の日を迎えた
寮から未来と一緒に校舎へと向かう…これで実は違うクラスだったり…なんて…
「うん、同じクラスだね!望海!」
張り出されたクラス表を見て満足気に頷く未来
これ…この人事前に知ってませんか…気のせいですか…??
「おーい?望海?嬉しくないのー?」
「…嬉しいです…うん…きっと気の所為…」
「じゃあ、ほらほら教室いこ!」
いつものように手を繋ぎ出す未来…いつものようになんです…彼女とのやり取りは最低限って…言ってもグイグイくる彼女に大しての最低限だと思って対応してるんです…はい…
「望海?顔赤いけど大丈夫?」
「もう高校生ですし…そろそろ手を繋ぐのやめません…?」
「望海は私と手を繋ぐのいや…?」
潤んだひとみでこっちを見つめる未来…可愛い…でも耐えるんです…!心を鬼に…!
「いやならやめるよ…」
パッと凄くそれはものすごく残念そうに手を離す未来に私は…
「い…いやじゃないです…」
「じゃあ!問題ないよね!」
耐えられなかった
パァと咲くように笑い手を取る未来…うう…可愛い…
そんなやり取りをしつつ、歩いて行ってようやく教室に着く…すると
「いやーいきなり見せつけてくるねーロングの可愛い人にポニテの人」
そんな声を掛けられた
ちなみにロングが私でポニテが未来だった…元男の癖になんでロングしたかは1回やってみたかったからだったけど…手入れは大変だし…夏はすっごく暑かったりもしますが…サラサラにして肩よりも伸ばした髪はは気に入ってしまって切れない…
ん…というか可愛いが着いたのが私だけだったような…?
「私は可愛くないですよ…?」
そう言って相手を見る…
それは以下にも女子高の王子様になるような170cmぐらいのイケメン女子だった…かっこいいかも…なんて思ってしまった…
…ちなみに私はようやく150cmに届きそうです…四捨五入してですけど
「いや…可愛いよ…おっとポニテの人が人を殺しそうな目をしてるね…わたしは
殺しそうな目と聞いて一瞬未来の方へ振り返るが彼女はニコニコと笑っていた…でも涼風さんの気の所為ではないのだろう…多分…とりあえず自己紹介を返そう
「私は石田望海です…よろしくお願いします…涼風さん」
「山本未来よ…よろしくね涼風さん」
こうして一悶着起きかけたが辺りを見回す…ほんとに女子しかいない…女子校に来たといよいよもって実感してそわそわする
そして未来と別れてそれぞれ自分の席に着く…あれ…前に未来に後ろに涼風さん…なんか怖い…気がする
「望海!席も近くて良かったね!」
「う…うん」
席に座ってニコニコと笑ってこっち見る未来でも目の奥が笑わずに私の後ろへ向いている気がする…怖い…
「そんな怖い顔しないでよ…別に未来くんから望海くんを無理に奪ったりしないよ…」
「そう?そうならいいけど」
若干呆れたような声で返す涼風さんと少しも怖い笑顔が変わらない未来…でも…私の取り合いみたいで恥ずかしい…と縮こまって赤くなってしまった
―――――――――――
親族が経営している学校だったので寮を同室したりした私はもちろん抜かりなくクラスも同じにし、あまつさえ最初の席も望海の前になるようにセッティングした
隣か後ろも考えたけど…なんというか彼女の視界に1番入るはずの私は前が良かったのだ
しかし…涼風さんか…
彼女に声掛けられ可愛いと言われた望海は若干だけど頬染めていてそれを見た私の中に凄いモヤモヤがあった
というか私とらないって言われてそれならいいけど…安心して答えちゃったけど…かなり大胆な発言だったのでは…あれだと望海は私のものだと言ってるようなもので…
いやでも…望海がどこかの誰かに…
私はモヤモヤと羞恥心から少し悶えながら入学式の開始を待つ事になった
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