第5話 不要なものは省略する

 アベックの二人は、少しずつ、滝つぼを見ながら移動していた。

 今では死語になっているであろう、

「アベック」

 という言葉、この二人にはカップルというよりも、こちらの方が似合っているような気がした。

 滝つぼを見ながら何か異様な雰囲気を醸し出している二人には、昭和の匂いが感じられたからだ。だから、ここで敢えて、カップルというよりも、アベックという言葉を使ったのだ。

 紗友里は、この滝を見て最初に感じたのは。

「この轟音をいかに、絵だけで表現できるかというのが、滝というものをいかにリアルに伝えられるかの肝になるところなんじゃないかな?」

 と感じた。

 音を絵で表現することほど難しいことはない。まず轟音をもたらしているものは、垂直に落下する、水の束が下に溜まった水にぶち当たることで起こる全体的な振動だ」

 と感じた。

 つまりは、轟音を表すには、いかにその場の空気の摩擦によって引き起こされる風を表現するかなのだろうが、動いているものをいかに静止した形で迫力を持って表現できるかということなのだと紗友里は思った。

 幸いここは森の中にある滝つぼだ。といっても、滝つぼというのは、そのほとんどが森の中というイメージもあるのだが、生えている草をその圧力で吹き飛ばそうとしているところの迫力を伝えればいいのだろう。

 いや、もっといえば、風の迫力によってなぎ倒されそうになっている草が、必死になって耐えている様子を伝えるという方が迫力を感じさせるのかも知れないと感じた。

 そのどちらも、最大限に発揮した力を表せればいいのだろうが、それは不可能な気がした。それぞれで打ち消そうとして押し合っているものは、どちらかが強いと、どちらかが負けてしまう。それを時間ごとに繰り返しているから、力の均衡が保てるのだ。

 しかし、絵を描くということは、その中の一瞬を描くことなので、いかにどちらに重きをおくべきか考えていたが、以前聞いた話で、

「絵というものは、目の前にあるものを忠実に描くことではなく、不要だと思うことはい比べも省くことができる」

 と言っていたのを思い出した。

 ということは、時間がずれて見えたことを想像するだけで、状況は変わってくる。一瞬を描くのだから、その箇所ごとに違った時間えあっても、おかしくはないと思うのだった。

「それと省略することと、同じだと考えていいのかしら?」

 と思ったが、それはそれでいいと思うのだった。

 紗友里は絵を描くようになって、

「不要なものは省く」

 という考えが強くなっていた。

 実際に、絵を描いている時、サークルで紗友里の絵を見たまわりの人が、

「何か変だわ」

 と言っている。

 他の人がそれを訊いて、

「何が変なの?」

 と聞くが、

「よく分からないんだけど、どこかが変なんだ」

 という具合に、省略して書いているなどと思ってもいないことで、まさかと思っているのだろう。

 それは、絵を描く人間にこそ分かるもので、絵を描くことに造詣が深くない人は、そんなことに気づくこともなかった。

「何かがおかしい」

 ということすら、感じないのではないだろうか。

 本当は油絵などを描けるようになれればいいと思っているが、まだまだ勉強中、鉛筆でのデッサンが基本だった。スケッチブックに鉛筆一本で描けるので、実に手軽である。特に今回のような旅行であれば、それほど荷物にならないのもありがたかった。

 実際に描き始めるのは明日からとして、どの位置で描けばいいかというところくらいまでは今日でも研究できる。せっかく来たのだから、それくらいのことをしておこうと思い、いろいろな位置をまさぐっていた。

 足元が少し気になっていたのは、その場所は普通の土ではなく粘土質のようになっていて、くっきりと足跡がつきそうな感じだったことだ。なるほど、先ほどのアベックの足跡もくっきりと残っている。ここに来る時は運動靴でいいだろう。

 さらに、最初は歩いてきたことで、身体が火照っていたので分からなかったが、ここまで来ると、さすがに風圧の影響もあってか、結構寒い、上着を羽織ることも忘れないようにしないといけないと感じた。

 しかも、湿気もかなりのものだ。紙がよれないようにしないといけないとも思った。

「ここで、デッサンするというのは、結構大変なのかも知れないわね」

 と思ったが、あまり長時間しなければいいだろう。

 ただ、紗友里は、集中してしまうと、結構時間を気にせずにのめり込んでしまう。気が付けば本人は三十分くらいのつもりだったのに、本当は二時間も過ぎていたなどということも今までに普通にあったりした。

 足元を気にしながら、ベストポジションを決めるというのは、結構難しかった。

「きっと、少しでもずれると、前の日に感じて描いてきたものと違った印象になってしまうかも知れない」

 と感じたが、かといって、目印をつけるわけにもいかない。

 となると、結局は勘に頼るしかなく、それでも、紗友里は結構自分の勘に自信を持っていたので、それほど意識して気にする必要もないと思った。

「目の前にあるものを、まずは忠実に描こうと考えることで、どこを省けばいいかということも、次第に分かってくるだろう」

 と感じた。

 とにかく日にちは二日しかない。できるだけ完成に近づけたいと思っている。今までに風景画は何度か書いたことはあったが、滝のように動くモノは初めてだった。しかも、滝というのは目にもとまらぬスピードで落ちるもので、しかし、却ってその方が描きやすいかも知れないとも思えた。

 言い方は悪いが、

「ごまかしがきく」

 と思っている、

 流れ落ちるスピードが速いほど、細くたくさんの線を入れると、よりスピーディに見えるのではないかと思ったからである、

 実際に描いたこともなく、今までに動くものを絵として意識して見たこともなかったので、自分が考えたような結果になるかどうか、想像がつかないところもあったが、とりあえずやってみることにした。

 動くモノを描いてみたいという願望は以前からあり、わざわざそれを実現させにどこかに出かけるというのは、出不精な紗友里には、少しハードルの高いことだったが、

「温泉旅行のついでに」

 ということであれば、願ったり叶ったりであった。

 しかも、一緒に出掛けた相手が、時間をくれるのだから、それこそ描くための舞台はしっかりとできあがっているのだった。

「ここの滝は、時間帯によって、さまざまな顔を見せてくれるというのが、人気の秘訣のようで、おかげさまで、絵葉書の売れようも結構なものなんですよ。中にはネットで見たと言って、連絡をくれる人もいて、最近ではネット販売も始めました」

 と、宿の人は言っていた。

「でも、まだまだ有名温泉という触れ込みからか、滝にまでくる人はまばらで、やっぱり温まりに来た人には、滝のこの厳しい冷たさはきついのかも知れませんね」

 と、宿の人は言っていた。

「家族連れなどには、厳しいかも知れませんね」

 というと、

「そうですね。カップルだったら、数組くらいが毎日訪れてくれますね」

 という返事が返ってきた。

「何か、ここの滝にはいわれのようなものってないんですか?」

 と聞くと、

「これと言ってはないですね。でも、伊豆の踊子のような、なぜぬ恋の結末をここで迎えたという話はいくつか伝わっていますね。料亭の女将と、板前の恋だったり、宿の女将と板前といった。男の方は大体が板前さんで、お嬢さんに恋をしたという話が多く伝わっていることから、滝の近くに祠があって、その中に板前が使う包丁を奉納しているんですよ。さらにキツネも一緒に祀られていて、まるでお稲荷さんのような感じなんですが、他にも何か謂れがあるのかも知れませんね」

 と話してくれた。

「まあ、板前が絡む話がたくさんありますからね」

 というと、

「それもそうですね」

 と旅館の女中さんは笑っていた。

「キツネというのも面白いですね」

「ええ、キツネは化かすと言われているでしょう? そのいわれはないかという話は伝わっていますね」

「じゃあ、女性の方がキツネだと?」

「そのようですよ。そして、そのキツネの特徴としては、尻尾が二本あるらしいんです。厳密にいえば、途中で二つに分かれているという話ですね。この近くにこの温泉の資料館のようなものがあるんですが、そこにそのキツネの絵と、尻尾ではないかと言われる毛玉が飾ってありますので、見てくればいいですよ」

 と、女中は言った。

「そうですね。何かちょっと興味があります、滝というのも、私には興味津々なので、それにまつわる話の遺品が残っているというのであれば、見ないわけにはいきませんよね」

 と紗友里は言った。

「ええ、ぜひとも行ってみてください。開館時間は、朝の九時から夕方の五時ですので、今日はちょっと時間的に無理でしょうから、明日にでも行かれればいいと思います」

 ということで、とりあえず、滝だけでも見ておこうということで、先行して見に来たのだった。

 女中さんに聞いた道を歩いてくれば、思っていたよりも滝までは近く、これなら、翌日は資料館に寄ってからきても、いいと思ったのだ。

「キツネも想像して描いてみようかな?」

 と思った。

 何でもかんでも省略するのであれば、付け加えることもおかしなことではないだろう。それは自分の中の想像であっても、描けるものはすべてにおいて、想像以上のものであると思えた。

 想像以上、それは妄想だというべきであろうか。

 まず考えたのは、キツネというものの色だった。

「真っ白なのか、それとも黄色がかったいるなのか。確か焼き具合などで、黄色くなった塩梅の時、キツネ色に焦げたという表現をするではないか。曖昧ではあるが、黄色がかった色は想像できるものである」

 と考えたが、

 今まで、白いキツネというイメージもないでもなかった。

 特に何か悪さをするキツネであったり、霊験あらたかなキツネには、真っ白という色が思い浮かぶ。まったく正反対なのに、同じ真っ白というのは少しおかしな気がしたが、それも想像がつくような明るさであることから、十分に真っ白もありだと思った。

 だが、自分が描くのはデッサンで、そもそも色は関係がないはずだ。それなのに、いきなり色を感じたということは、真っ白ということに何か曰くがあるのかも知れない。

「ああ、そういえば、前にどこかの村のようなところで、キツネを模したお祭りがあったような気がするわ、その時のキツネが確か真っ白いキツネで、キツネ面が真っ白に、赤い隈取をした目の周辺だったような気がする」

 ということを思い出していた。

「キツネというと、いいイメージもあれば、悪いイメージもあるけど、どっちの方が強いですか?」

 と訊かれて、

「そうですね、お稲荷さんというイメージでは、いいイメージがありますし、人を化かすという話であったり、九尾のキツネなどの話を訊くと、ちょっと人を騙したりする怖い感じですね。そういう意味ではやっぱり怖いというのが、強いですかね?」

 と話すと、

「確かにそうでしょうね」

 と言われた。

「そのキツネが、故意したのが、その板前だったんだそうです、若い板前は、この祠に自分の将来をお祈りに来ていたんでしょうね。その時にキツネが彼の献身さに恋をしたというとことでしょうか。それで、そのキツネが人間になって、彼の前に現れたんです、旅館の女中としてですね。もちろん、彼は気付かない。キツネもそれでいいと思っていたんだけど、さすがに痺れを切らして、男に告白した。すると男は彼女のことを気に入っていたんだけど、すぐにはいい仲にならなかった、やはり料理人としてまだまだだと思っていたからでしょうね。ずっとお稲荷様にお祈りしている中で、彼の声がキツネには聞こえてきたんです。本当は彼女のことがいとおしくて仕方がないのだけど、自分の目標には帰られないというジレンマがあるとね。そこでキツネは思い余って、男に、女を取るように言ってしまったらしいんです。男はお稲荷さんのいうことを聞いて、彼女を嫁にしたんですが、それでも、毎日のようにお祈りにいって、どうしても料理人としての夢を捨てきれないと嘆いているんです。キツネは自分のしてしまったことを後悔し、かといって今の幸せを壊す勇気はない。しかも。彼への思いはどんどん募ってくる。そこで彼女が考えたのは、自分がキツネであるということを打ち明けて、男がどういう態度を取るかを試してみようと思ったことでした。もし、男が自分を捨てて板前をとっても、自分を愛し続けてくれると追っても、それは彼が選んだことなので、それに従うと考えたんですね」

 と言って、少し言葉を切った。

「その男はどうしたんだろう? 結末としては、どっちも選べないような気もするんですけどね」

 というと、彼女がゆっくり話し始めた。

「男に正直に話して頭を下げると、男は笑って、そんなことは分かっていたよ。分かっていて私はお前と一緒になったんだ。だけど、どうして、それを今になって話す気になったんだい? 私はこれでいいと思っていたんだよ」

 というと、

「キツネは正直に、あなたが、祠の前でお祈りをしているのを見たからです。結婚したことを悔いているのかと思って……、というと男は、バカだな、俺はお前を捨てたりもしないし、料理人を諦めたわけではない。どうして、結果を一つにしか見ようとしないんだ? 結婚したとしても、俺が夢を諦めなければいいだけじゃないかと言ったそうなんです」

 というのを訊いて、紗友里は、

「なるほど、いい話ですね。でも、その二つを両立しようという考えは、今であれば当たり前のことだと思うんですが。童子はそんなことはなかったんでしょうね。それを思うと、なんだか、寂しい思いがしてきます」

 と言った。

「それから二人がどうなったのかというのは、ハッキリと伝わってるわけではないのですが、あの祠には、その時の板前がお供えしたという包丁が残っているんですよ。それを今はご神体として残っているんですが、さらに、その絵の部分には、手ぬぐいが撒かれていて、どうやら、キツネの尻尾の毛で作られているのではないかと言われているんですが、真意のほどは分かりません」

 と女中さんは言った。

「もし、そうだとするといい話ですよね。昔から伝わっているという話を訊くと、どうしても悲恋などが多いのに、ここのはほのぼのした話でいいですね」

 というと、

「でも、分かっていない部分も多くて、どうもいい方にばかり残っていることで、どこまでが本当なのか、信憑性としては疑わしいという話も多いです」

 と女中がいうと、

「旅行者が聞いた分には、十分に美談ですね。これだけの美談なのに、それをこの温泉の名物話として使わないのは、やはり、分かっている部分が少ないからですか?」

 と言われて、

「それもありますが、お供えしてあるのが包丁というのも、ちょっと気になるところですね。しかもそれが抜き身の包丁なのですから、ちょっと気持ち悪くもあります。さらにそこに撒かれている晒しのようなものが、キツネの尻尾だという話になっていることに、何か代々の村の人たちは気持ち悪さがあったんでしょうね。だから、美談という形で伝わっているわけではなく。美談と思うのは、他の土地の人が聞くからだということになっていたので、あまり、他の土地の人には聞かせたくないという風潮がありました」

 ということだった。

「どうもおかしな気はするけど、とにかく、曰くのある滝とその横の祠ということですね?」

「ええ、あの滝は一時期、自殺者が多かったことで、呪われた場所という話もありました。でも、それも一時期のことで、今はあまり知られてはいないが、変な風評もありませんね」

 ということだった。

 そんな話を訊いて、ますます、滝を描いてみたいと思った。なるべく祠も一緒に写してかけるような角度に自分の位置を持っていければいいと思いながら、大体の位置を模索していると、ちょうどいい位置を見つけ、

「明日から、ここが私の定位置だわね」

 という満足した思いを持って、初日はその場所から離れた。

 不倫相手は、思っていた以上にずぼらだった。紗友里が滝に言っている間も、ずっと寝ているか、テレビを見てゴロゴロとしていたようだ。

「この孝弘という男、思っていた以上に、浮気相手としては、ちょうどいい相手なのかも知れない」

 と感じた。

 肉体的には、相性がいいし、ビジュアル的にも文句はない、しかもこの男に対して真剣になることもないし、ましてや、この男も女に対して真剣になるようなそんな男ではない。一緒にいてそれが分かってきたが、ひょっとすると、この旅行に行く目的の一つとして、この男のそんな性格を自分で分かっておきたいという気持ちがあったのかも知れない。

 その日は、ゆっくり食事を摂り、夜には、この男には珍しい、激しいセックスが待っていた。考えてみれば、あれだけここに来てからずぼらな一日を過ごしたのだ。それもこの時のための充電時間だったとすれば、紗友里にとって、願ってもない時間だったと言えるだろう。

――これだけ激しいと、この男は明日も昼アハボーっとしているんだろうな――

 と思ったが、想像通り、朝はまったく起きてこなかった。

 紗友里は、宿の人に、

「連れ合いがまだ寝てるので、そのまま寝かせておいてあげてください」

 と言って、自分は昨日の滝に出かけて行った。

 それが、朝の九時過ぎ、食事を済ませてのことだった。テーブルの上に置手紙を残してきたので、男が別に慌てることもない。そう思って、昼食までの間、滝の絵を描こうと思い、出かけてきたのだ。

 朝の九時なので、すでに日はだいぶ昇っていた。木々に囲まれた森になっている場所であったが、昼過ぎよりも明るい気がしたのは気のせいであろうか。

 そんなことを思いながら昨日見つけておいた場所に、簡易の椅子をセットして、いよいよ描き始めた。

 まず最初は、バランスを考えるところから入るのだが、実はそこが一番難しい気がした。絵を描くというのは、一番最初にバランスを考え、どこから描き始めるかによって、決まってくる。そのために、ここはゆっくり時間を掛ければいいのだが、変に時間をかけすぎても、迷うばかりで、結論が出にくい。そんな時は、どこで開き直るか、いや妥協するかというのも大切なことで、この場合の妥協という言葉は、決して悪い言葉ではないような気がしたのだ。

 描き始める場所が決まって、少しだけ描き始めたという実感がわいてくると、ケイタイのアラームが鳴った、ちょうどその時間は、自分が決めておいた昼食の時間を知らせるものであり、実際に時間を確認すると、すでに、一時前くらいだった。宿に昼食はないので、近くで食べなければいけなかったが、この近くに日本料理屋があって、そこで食べれると思っていた。

 時間をわざとずらしたのは、なるべく少ないところでの食事にしたかったからだ。観光客や温泉旅行に来ている人たちでいっぱいになると、さぞやうるさいということは想像の範囲内だったからだ。

 それに普段は食べない朝食を食べているので、それほどお腹が減らないのも分かっていた。一時に一度撤収して、それから店に赴くとすれば、一時半少し前になるので、ちょうどいいという計算であった。

 昼食などで、それほど、がっつりと食べる思いはない。メインは何と言っても温泉宿の夕食だからだ。ここでたくさん食べてしまうとせっかくの夕飯が中途半端になってしまうことを恐れていた。

 昼食には、うどんと、いなりずしにした、

 やはり、滝をテーマに描きながら、その場所にキツネ伝説があると聞くと、敬意を表する意味で、お稲荷さんを食するのは、礼儀のように思えた、

 しかも、この店のお稲荷さんは絶品で、自分一人で食べるのがもったいないくらいだった。

 だが、基本的に食事はいつも一人がいいと思っている紗友里がまさかそんなことを思うなど、自分でも思っていなかったことだった。

 この温泉宿にきてから、どこか開放的な気持ちになっているのは確かなことだろう。逆にいえば、それだけ今までの毎日が、決まった行動であり、面白いという感情を押し殺していたということではないだろうか。

 まだまだ若いという証明でもあり、それを自覚するためというのが、自分でも思っていなかった本当の旅の目的だったのかも知れない。

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